2025年7月5日(土)
DD2号(E63) ブレーキキャリパーのオーバーホール − ピストンシール
DD2号(E63)は、購入後すぐに前後のブレーキディスクを大口径のものに交換している(フロント、リア)。その際、キャリパーに付いているピストンシール等のゴム類を交換しておいた。その後、10年ほど経ったので、このあたりでもう一度、キャリパーのゴム類を交換しておこう。細かい手順は、このレポート(フロント側)やこのレポート(リア側)に譲り、このレポートでは概要だけ報告する。
まずは、写真1のように前後に4つのウマをかけて、ホイールを4つとも外す。
写真1 ウマをかけてホイールを外したところ写真2にフロント側のディスクブレーキを示す。
写真2 フロント左側のブレーキキャリパーをオーバーホールするためには、キャリパーを外さないといけない。そのためには、写真3のように14mmのレンチでブレーキホースを外す。
写真3 ブレーキホースを外しているところガイドボルトを外してキャリパーをフリーにしたら、写真3のようにブレーキホースを緩め、あとはキャリパーをぐるぐる回してブレーキホースから外す。ブレーキホースからキャリパーを外すと、ブレーキフルードがダラダラを出てくる。そこで、今回は写真4のブレーキフルードストッパーを用意した。
写真4 ブレーキフルードストッパーこれを使って写真5のように外したブレーキホースの先に取り付けてフルードが出てくるのを防ぐ。
写真5 ブレーキフルードストッパーを付けたところ両方のフロントキャリパーを外したら、キャリパーの洗浄とゴムパーツの付け替えだ。今回は、写真6のようなキャリパーリペアキットを用意した。
写真6 キャリパーリペアキットフロント用に Frenkit 260032を2つ、リア用に Frenkit 246013を2つ用意した。価格は4つで4,224円(送料込み)であった。今回はエストニアの業者から購入した。
外したキャリパーのゴムパーツを外して洗浄した後、このゴムパーツを取り付けていく。写真7に外したキャリパーを示す。
写真7 外したフロントキャリパーキャリパーからピストンを抜くには、写真8のように自転車の空気入れを使うと簡単に外すことができる。
写真8 空気入れと外したピストンピストンを外したら、写真9のようにキャリパーからOリングとピストンダストシールを外す。
写真9 外したOリングとピストンダストシールあとはガイドボルトのシール等のゴムパーツを外し、キャリパーを洗浄する。DDはマジックリンとワイヤーブラシを使ってゴシゴシと洗った。ただし、ピストンのところは傷がつかないように優しく丁寧に洗う。写真10、11のようにシリンダーやピストンは綺麗なので交換しなくても大丈夫そうだ。
写真10 シリンダー内側
写真11 ピストンキャリパーを洗浄して水を切ったら、写真12のようにドライヤーで良く乾かす。特にシリンダーの中に水が残っていると、フルードが湿ってしまうからだ。
写真12 ドライヤーで乾かしているところキャリパーを乾かしたら、写真13に示すシリコングリスを塗ったOリングやピストンダストシールを取り付けていく。
写真13 シリコングリス、Oリング、ピストンダストシールOリングは簡単にシリンダーに入れることができるのだが、ピストンダストシールが問題だ。ピストンダストシールを取り付けようとしても、写真14のように全体を同時に押し込まないとうまく入らない。
写真14 入らないピストンダストシールそのため、今回は3Dプリンタを使って写真15、16のようなダストシール圧入SSTを作成した。
写真15 ダストシール圧入SST(上から見たところ)
写真16 ダストシール圧入SST(下から見たところ)このSSTとピストン押し戻しツールを使って、写真17のようにダストシールを圧入する。このSSTがあれば簡単だ!
写真17 ダストシールの圧入ダストシールがうまく圧入できたら、写真18のようにダストシールが綺麗に入る。
写真18 きちんと入ったダストシールリア側のほうも同様に3Dプリンタを使ってダストシール圧入SSTを作成し、ダストシールを圧入した。これがあれば簡単だ。
最後にすべてのキャリパーを取り付け、ブレーキフルードのエア抜きをすれば作業完了だ。今回はブレーキフルードは交換せず、エア抜きの際に出てきたフルードを再利用した。エア抜きは、左後ろ→右後ろ→左前→右前の順番で実施するが、念のためこれを2周やっておいた。
現在の走行距離: 144,200km
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