2015年10月18日(日)

DD2号 フロントブレーキの交換 − 348mmφ30mm厚ローターへ

某インターネットオークションを見ていると、E63 645Ciのフロントブレーキローター、ブレーキパッド、キャリパーのセットが売りに出されているのを見つけた。新品ではなく中古品だ。少し調べてみると、DD2号(630i)のフロントブレーキローターは324mmφ30mm厚なのに対し、645Ciのブレーキローターは直径が348mmφである。ちょっと大きい。そういえば、DD号のフロントにもE31用の大きいブレーキローターを入れていたなぁ・・・。

なんて考えているうちに、ついポチッと落札してしまった(笑)。届いたフロントブレーキセットを写真1に示す。


写真1 届いたフロントブレーキセット

キャリパーの刻印を見てみると、写真2のように直径が348mmのローター用であることがわかる。


写真2 キャリパーの刻印

届いたからには取り付けてみたくなるのが人情だ。取り付け作業ついでに、キャリパーのオーバーホールもしておこう。この交換作業手順は、DD号のフロントブレーキを交換したときとまったく同じなので、作業詳細はそのレポート に譲って、ここでは作業中のスナップショットだけ紹介する。

写真3はオーバーホール前のキャリパーだ。とりあえず、ブラシとパーツクリーナーを使って大まかに汚れを落とす。


写真3 届いたキャリパー

掃除するために、写真4のようにキャリパーのスライドピン(ガイドボルト)を外して分解する。このスライドピンはE34と異なり、上下で長さが違う。


写真4 キャリパーを分解したところ

簡単に掃除ができたら、写真5のように自転車の空気入れを使ってピストンを押し出す。


写真5 ピントンの押し出し

ピストンを押し出すとシリンダの中に入っていたブレーキフルードが出てくるので、下に新聞紙を厚めに敷いておこう。写真6にピストンを押し出したキャリパーを示す。


写真6 ピストンを押し出したキャリパー

このキャリパーを洗浄するため風呂場に持ち込み、写真7のようにお湯につけて洗剤で洗う。使った洗剤は「キレイキレイせいけつボディソープ わくわくレモン&オレンジの香り」だ。この洗剤は、イソプロピルメチルフェノール配合で高いデオドラント効果が得られる。また、柑橘系でいい香りがする。キャリパーのオーバーホールにはおススメだ。なお、洗浄中に古いピストンシール類も外しておこう。


写真7 キャリパーの洗浄

お湯に十分浸けておくとキャリパーが温まっているので、お湯から取り出した後、簡単に水分を拭き取るだけですぐに乾燥する。しかし、念には念を入れて写真8のようにシリンダー部分にはパーツクリーナーを吹きかけて、水分置換しておいた。ブレーキフルードは少しの水分でも吸収して劣化してしまうからだ。


写真8 パーツクリーナーで水分置換しているところ

キャリパーが完全に乾燥したら、新しいピストンシールを取り付ける。用意したものは、写真9のシリコングリス、写真10、11のピストンシールキットだ。


写真9 シリコングリス


写真10 ピストンシールキットの外箱


写真11 ピストンシールキットの中身

細いピストンシールは簡単にシリンダーに入れられるのだが、外側のブーツを取り付けるのに苦労した。このブーツはシリンダーの外側にかぶせて取り付けるのだが、写真12のようにどうしても赤矢印の部分に隙間ができてしまう。ここは、ハンマーで軽くブーツの外周を下向きに叩いてやると少しずつ入っていく。強く叩くとブーツが破れてしまうかもしれないので、要注意だ。


写真12 ブーツを取り付けるときに隙間

写真13はシールを取り付けたキャリパーだ。


写真13 シールを取り付けたキャリパー

このキャリパーにスライドピン(ガイドボルト)を取り付けるためのガイドブッシュを写真14に示す。


写真14 ガイドブッシュ(左:シールキットに入っていたもの、右:届いたキャリパーに付いていたもの)

左の2つがシールキットに入っていたもの、右の2つが届いたキャリパーに付いていたものである。片方は同じものだが、もう片方は長さが違う。仕方がないので、長い方は届いたキャリパーに付いていたものをそのまま使った。

同様に、写真15のようにスライドピン(ガイドボルト)も長さが違う。このスライドピンも洗剤で丹念に洗った。ちなみに、DDはスライドピンに「グリスを塗らない派」であったが、最近は宗旨替えして「クリスを塗る派」になっている。以前のTISやベントレーの整備マニュアルで「スライドピンにグリスを塗ってはいけない」となっていたのは、石油系のグリスをガイドピンに塗ると、それがゴム製のガイドブッシュを劣化させて膨張させてしまい、キャリパーがスムーズにスライドしなくなるためだ。その点、シリコン系のグリスであれば、ゴムへの攻撃性がないので潤滑のためにスライドピンに塗った方がいい。


写真15 洗浄したスライドピン

さて、キャリパーのオーバーホールが終わったらDD2号への取り付けだ。まずは、写真16のように、フロント側をジャッキアップする。


写真16 フロントをジャッキアップしたところ

ちなみに、DD2号(E63)はブレーキフルードのタンクが写真17の位置にある。これは、車両右側のエアコンフィルターの下である。アクセスしにくい(笑)。どうやら、E60等も同じ位置にあるらしい。


写真17 ブレーキフルードタンクの位置

ブレーキローターやキャリパーの交換作業は簡単だ。まずは、写真18のようにキャリパーを外す。ピストンを戻すときに、ブレーキフルードがタンクから溢れないように注意しておこう。


写真18 キャリパーを外したところ

次に、6mmのアレンボルトを外してローターを外す。そして、写真19のようにフレアナットレンチでキャリパーのオイルホースを外す。ナットを緩めたら、キャリパーをクルクル回すと、ホースが外れてくる。


写真19 キャリパーのホースを外しているところ

最後に、届いたローター、オーバーホールしたキャリパーを取り付けて、エア抜きすれば作業終了である。写真20に交換したフロントブレーキを示す。


写真20 交換したフロントブレーキ

多少ローターが大きくなっているものの、あまり違いは判らない。ブレーキの効き具合は、まだあまり試していないのでわからないが、まぁ悪くはなっていないだろう(笑)。いつか、リアブレーキも大きいモノに交換してみるか・・・。



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