2025年11月29日(土)

DD3号(F25) フロントショックアブソーバーのチェック − その2

以前のレポートで、DD3号(F25)のフロントショックアブソーバーの劣化をチェックしようとして途中で断念したことを報告したが、アクスルキャリアのストラットをホールドする部分の隙間を広げるSSTを手に入れたので再挑戦だ。まずは、写真1のようにフロント側にウマをかけて、左前ホイールを外す。


写真1 ウマをかけて左前ホイールを外したところ

そして、最初に写真2〜4のケーブル類を外しておく。


写真2 ケーブルを外す場所(1)


写真3 ケーブルを外す場所(2)


写真4 ケーブルを外す場所(3)

そして、写真5のスタビリンクの上側を外す。


写真5 スタビリンクの上側

これを外すには、写真6の裏側のナットを外せばいい。そのまま外そうとすると中心のネジ部と供回りするので、中心のネジ部をトルクスで固定しながら18mmのソケットレンチで外す。ちなみに、ここの締め付けトルクは108Nmだ。


写真6 スタビリンク上側のナット

写真7にスタビリンクの上側を外したところを示す。


写真7 スタビリンク上側を外したところ

次は、写真8に示すストラット下部を固定しているボルトを外す。


写真8 ストラット下部を固定しているボルト

これを外すためには、写真9のナットを緩めればいい。ナットは対辺18mm、ボルトは対辺16mmだ。


写真9 ストラット下部を固定しているナット

ちなみに、この部分の締め付けトルクは60Nmだ。

さて、ここまで外せたら、次はストラットの上部にあるボルトを緩めるのだが、そのボルトにアクセスするために、エンジンフード内でいくつか外すものがある。まずは、写真10の赤矢印で示すインシュレータ類を外す。


写真10 外すインシュレータ

右側のインシュレータは発泡スチロールのような素材でできているので、丁寧に外そう。写真11に外したインシュレータを示す。


写真11 外したインシュレータ(1)

さらに、写真12インシュレータも外す。


写真12 外したインシュレータ(2)

そして、写真13のようにカウルパネルの端を指でつまんで持ち上げると、カウル端のパネルを外すことができる。


写真13 カウル端のパネルを外しているところ

パネルが外せたら、アウターユニットルームパーティションを外すために、写真14の赤矢印で示すネジとナットを外す。


写真14 アウターユニットルームパーティションを固定しているネジとナット

写真14の左のネジは8mmのソケットレンチで外す。右側のプラスチックのナットは、写真15のように10mmのソケットレンチで外す。


写真15 プラスチックナットを外しているところ

そして、アウターユニットルームパーティションの中を覗き込むと、写真16のところにトルクスネジが見える。


写真16 トルクスネジ

このトルクスネジをT-30のソケットレンチで外す。すると、写真17のアウターユニットルームパーティションを外すことができる。


写真17 外したアウターユニットルームパーティション

これでストラット上部を固定しているすべてのボルトにアクセスできるようになる。ストラット上部が外せるようになったら、ここで写真18のSSTの登場だ!


写真18 隙間を広げるSST

このSSTはストラットスプレッダーというらしく、購入した3種類の一つだ。価格は、3種類一緒で1,114円(送料込み)であった。このSSTは、写真19のように先端が楕円柱のようになっている。


写真19 SSTの先端

これの短径側をアクスルキャリアのストラットをホールドする部分の隙間に入れてから、写真20のように90度回転させれば、長径側が隙間を広げてくれるという代物だ。


写真20 SSTで隙間を広げたところ

写真21のようにストラットの下部とアクスルキャリアの間に潤滑スプレーを吹く。


写真21 潤滑スプレーを吹いているところ

そして、写真22のストラット上部を固定しているボルトを十分緩める。ここでは、赤矢印のボルトは緩めるだけで抜かない。


写真22 ストラット上部のボルト

赤矢印の3本は13mmのソケットレンチで、緑矢印のボルトはトルクスE14のソケットレンチで緩める。ちなみに、締め付けトルクは、赤のボルトが28Nm、緑のボルトが56Nmだ。これで準備が整ったので、写真23のようにアクスルキャリアに木片をあてがってハンマーでたたいてストラット下部をアクスルキャリアから外す。


写真23 ストラット下部を抜いているところ

何度か木片を叩くとストラットが抜けるはずだ。ストラットが抜けたら、ストラット上部のボルトを全部外して、ストラットを車外に取り出す。写真24に取り出したストラットを示す。


写真24 取り出したストラット

このストラットの上部を見ると、写真25のようにトップナットの部分に黒のゴムカバーがある。


写真25 ストラット上部

このゴムカバーを外すと写真26のようにトップナットが見える。


写真26 ストラットのトップナット

このトップナットを外せばショックアブソーバーを抜く出すことができるのだが、その前に写真27のようにしてスプリングコンプレッサーを使ってスプリングを縮める。


写真27 スプリングコンプレッサーをかけたところ

そして、写真28のようにインパクトドリルやラチェットレンチを使いながら、慎重にスプリングを縮めていく。


写真28 スプリングを縮めたところ

トップナットにテンションがかからないぐらいにスプリングを縮めたら、写真29のように中心を六角レンチで回らないように押さえながら、トップナットを緩める。


写真29 トップナットを緩めているところ

トップナットが外せたら、写真30のようにストラットを分解することができる。


写真30 ストラットを分解したところ

写真31のようにしてショックアブソーバーの軸を押して縮めてみると、少しだけ抵抗はあるが片手で楽に縮めることができる。


写真31 ショックアブソーバーを縮めているところ

縮めた後で手を放しても、元の長さに戻るのにかなり時間がかかる。う〜ん、やっぱりそれなりに劣化しているようだ。さらに、写真32のように、ロアスプリングパッドも劣化している。


写真32 ロアスプリングパッド

写真33に示すバンプラバーの表面も劣化してボロボロだ。


写真33 バンプラバー

ただ、写真34のサポートベアリング(アッパーマウント)とアッパースプリングパッドはまだ使えそうだ。


写真34 サポートベアリングとアッパースプリングパッド

ということは、フロント側は

を新しいものに交換すればいいようだ。近いうちに購入を考えてみよう。

ショックアブソーバー類のチェックが終わったら、分解したときと逆順で組み立てればいい。ただ、ストラットを組み立ててから写真35のようにジャッキを使ってストラット下部をアクスルキャリアに入れようとしたのだが、なかなか入らない。


写真35 ストラット下部を入れようとしているところ

そこで、タイロッドエンドを外してアクスルキャリアが比較的自由に動くようにしてみよう。タイロッドエンドのナットを緩め、写真36のようにタイロッドエンドプーラーをかけてプーラーのボルトを締めていく。


写真36 タイロッドエンドプーラーをかけたところ

すると、カキンという音とともにタイロッドエンドの勘合が外れる。写真37に外れたタイロッドエンドを示す。


写真37 外れたタイロッドエンド

ストラットを外した際にドライブシャフトが抜けているので、うまくドライブシャフトが奥まで入る位置を見つけながら、ブレーキディスクの下をジャッキで支えてストラット下部をアクスルキャリアに入れると、写真38のように難なくストラット下部が入るはずだ。


写真38 ストラット下部を入れたところ

あとは、外したものを元通りに戻せばいい。この作業では、ストラット下部をアクスルキャリアに入れるのが少しややこしいが、それ以外は難しくはない。



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