2025年8月30日(土)
運転席ウィンドウレギュレータのギア交換 − medama1goさんより
今回は久しぶりにご登場のmedama1goさんより面白いレポートをいただいたので紹介しよう。
DDさま、E34な皆様、お久しぶりです。medama1goです。
先日、仕事中に家内からヘルプコールがありました。運転席の窓が5cmほど残して閉まらない、と。実はこれには心当たりがありまして、、、 昨年末(2024/12)に運転席のウインドウレギュレータのギアが破損し、これをJBウェルドで補修して使っていました。さてはそこがまた壊れたな、と。
そんな訳でまぁ、ほぼこれで間違いはないと思うのですが、ひとまず分解したところ予想的中。実はこの部品、困ったことが起きていまして、左フロント及び右リヤのウィンドウモーター(ギアボックス)なのですが、なんと「製造廃止」!
言うても30年も前の車ですから、いずれそうなるのは仕方ないのですが、社外品も無いんです。で、インターネットの海をヒントが無いかさんざん探して、何とか見つけました。出所不明のギア単品(笑)。とは言え、部品の供給がなくなった以上、何とかするしか無い訳でこれを取り寄せてみることにしました。
まずは内張を剥がしまして... はい、レギュレーターです。
この蓋を無理くりこじ開けて、中にあるプレートに適当なネジをぶち込みバイスグリップでつかみます。
これを引っ張って抜くのですが、ぶち壊す勢いで反動を付けながら引っ張らないと抜けてこないです。それでもそのうち抜けてきますので、頑張ってください(無責任)。
前述したとおり、この個体は一度過去に外しているので車載でやっていますが、降ろして単体でやった方が全然早いですし、結局は外して作業しましたので皆さんはズボラな真似はやめましょう。というか、外さないと無理です。
プレートが外れたところがこちら。
ギアの内側に黒いゴム製のダンパーが3個。これを介して駆動力がシャフトに伝わる仕組みでシャフトとギアは直接はつながっていません。ダンパーは入れてあるだけなので簡単に取れます。ダンパーが取れたらギアをつまんで引き抜けばギアが取れます。外れたプレートは多分曲がっていますので、ハンマーで叩いて修正しておきましょう。
取れたギアがこちら。
グレーの部分はとりあえずの凌ぎに再びJBウェルドを盛り付けたところ。おゆまる等で型を取って成型すればさしおり使えるようにはなりますが、やはり接着強度が低いようでドライバーで抉たら簡単にはがれてしまいました。
こちらが購入したギア。
入っていた箱に書いてあるメーカーのロゴはLST。いや、聞いたことないよ、こんなとこ。しかも箱には「FUEL TANK CAP」、なんでやねん(苦笑) 見た目はばっちり。おゆまるでとっていた型に合わせてみましたが、ピッチやその他寸法に明確な違いはありませんでした。
新旧比較。
まぁ同じ、、、に見えますね。(苦笑 これをばらした時の逆の手順でシリコングリスを付けて組んでいきます。プレートは嵌る向きがありますので、シャフトをフリーにしておかないと随分難儀することになります。
プレートを嵌めたらシャフトの勘合部付近にソケットの駒を当ててハンマーで叩きこみます。一応タガネ等でシャフト付近をつぶして抜け止めをしておくとよいでしょう。ただ、この修理方法、ばらし方、組み方からもわかるかと思いますが、何度も繰り返すとプレートとシャフトの勘合がバカになってきます。ですので、基本的には2度目は無いと思った方がよいかもしれません。
蓋をする前に車体に付けて動作確認。
特に異音も動作に渋いところもなく、動作確認完了。ゴミなどが入らないよう、ボンドで蓋を固定して完了。
今回はあまり時間をとっていなかったので、5分硬化型のボンドハイクイックを使用しました。車体から降ろして時間が取れるようなら、シリコンなどで復旧した方がきれいに仕上がるし、後にばらすときも簡単かと思います。
この機会にスライドピースも交換したので、より一層静かになりました。耐久性は未知数ですが、交換部品が無いものはこんな方法も一手かもしれません。
一点だけ注意事項。購入元はeBayで出品者はRST-AG 製造元? 運営?はOKZAM GmbH、一応ドイツの部品商みたいです。eBayの出品者評価は良いのですが、Googleでの評価はお世辞にも良いとは言い難く、ご利用される際は自己責任にてお願いいたします。
新品部品がどんどん手に入らなくなっているE34乗りの方には有用な情報だろう。いつも有用な情報をいただくmedama1goさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。