2021年10月2日(土)

DD2号 ソフトクローズドア取り付け − その7

左右両側のドアのソフトクローズユニットを取り付けたのはいいのだが、右側の運転席側のユニットは、左ハンドル用の右ドア(すなわち、助手席側)のユニットを取り付けたため、物理的な鍵をキーシリンダーに入れて回しても解錠できない。普段はコンフォートアクセスのため、FOB(キーレス)をポケットに入れたままドアハンドルを握ると解錠されるのだが、例えばバッテリーが上がってしまった場合には解錠する術がなくなってしまう。バッテリー上がりは将来的に必ず起こるものと思っていいし、それ以外にもCAS等が故障した場合やリモコンキーのプログラムが何らかの拍子に変わってしまったような場合にも解錠できなくなる。それはあまりにもリスクが高いので、早めになんとかしておきたいところだ。

必要なのは、右ハンドル車用の右前ドアのソフトクローズドアユニットである。もちろん、E63用が望ましいが、ebay等で調べてみると新品は5万円以上する。以前に取り付けたようにF07用でもいいのだが、そもそも右ハンドル車のF07用のユニットがない。あっても、かなり高価だ。う〜ん・・・・。

いろいろ調べてみると、右ハンドル車のF10用のユニットなら、2万円強で購入できることがわかった。左ハンドル車のF07用のユニットが左右で2万円程度であることを考えると、ほぼ倍の価格だ。おまけに、F10用はドアロックアクチュエータとモーターの接続ワイヤが非常に短く、DD2号に付きそうにない。しかし、現状ではバッテリー上がりで解錠できなくなること、また、F10用のユニットといまDD2号に付けているユニットをニコイチにするとワイヤの長さの問題は解決しそうなことを考えて、ポチッと逝ってしまった。価格は21,496円(送料込み)であった。

さて、しばらくしてF10用のソフトクローズドアユニットが届いたので、取り付けてみよう。っていうか、コレ、本当に取り付けられるのか?

取付方法の詳細については、このレポートに譲り、ここではその概要を報告する。まずは、写真1のように運転席のガラスの高さを350mmに調整する。


写真1 窓ガラスの高さ調整

その後バッテリーのマイナス端子を外しておく。そして、写真2のように運転席ドアを開け、ドアの内張りを外す。


写真2 ドアを開けたところ

写真3に内張りを外したドアを示す。


写真3 内張りを外したドア

さらに、写真4のようにインシュレータを外す。


写真4 インシュレータを外したところ

そして、写真4の赤矢印で示したインナーストリップも外してから、ガラスも外しておく。その後、ソフトクローズドアユニットを交換するために、写真5のように後ろ側の窓ガラスレールを移動させる。


写真5 後ろ側の窓ガラスレールを移動させたところ

ソフトクローズドアユニットのドアロックアクチュエータを外すと、運転席側には写真6のようなリンクが付いている。このリンクは、物理的な鍵で解錠するときに、キーシリンダに鍵を入れて回すと同じようにリンクも回るようになっている。


写真6 キーシリンダーとのリンク

いまのところ、キーシリンダーに鍵を入れて回しても、写真6のリンクが回るだけで解除しない。とりあえず、DD2号に付いているソフトクローズドアユニットを外そう。DD2号から取り出したソフトクローズドドアユニット(左ハンドル車のF07用)、新しく購入したソフトクローズドアユニット(右ハンドル車のF10用)、およびDD2号に最初に付いていたドアロックアクチュエータ(E63用)の比較を写真7に示す。


写真7 上から、DD2号から取り出したもの、新しく購入したもの、最初から付いていたもの

キーシリンダーからのリンクが接続される所は、それぞれ写真8のようになっている。


写真8 左から、最初から付いていたもの(E63用)、新しく購入したもの(右ハンドル車のF10用)、DD2号から取り出したもの(左ハンドル車のF07用)

写真8の赤矢印で示した部分が異なる。最初から付いていたドアロックアクチュエータの赤矢印のところを見てみると、写真9のように何かの部品が付いている。


写真9 最初から付いていたドアロックアクチュエータ

この部品は写真10のように外すことができる。


写真10 部品を外したところ

どうやらこの部品は、E63のドアハンドルのキーシリンダーのリンクの位置に合わせて作ってあり、キーシリンダーに鍵を入れて回したときにその回転がリンクに伝わり、この部品を通してドアロックアクチュエータに伝わって施錠・解錠されるようになっているようだ。だから、この部品を移植しておけばいいことになる。

さて、前述のように、F10用とF07用では写真11のようにモータから延びるワイヤの長さが違う。


写真11 上:F07用ソフトクローズドアユニット(左ハンドル用)、下:F10用ソフトクローズドアユニット(右ハンドル用)

ワイヤはモータの方に接続されており、ドアロックアクチュエータ側は写真12のところから外すことができそうだ。


写真12 ドアロックアクチュエータ側

この赤矢印で示したところを開けると、写真13のようにワイヤの接続部分が見える。


写真13 ワイヤの接続部分

このようにして、F10用とF07用の両方のソフトクローズドアユニットのワイヤを外す。写真14にF10用のソフトクローズドアユニットのワイヤを外したところ、写真15にF07用のソフトクローズドアユニットのワイヤを外したところを示す。


写真14 F10用のソフトクローズドアユニットのワイヤを外したところ


写真15 F07用のソフトクローズドアユニットのワイヤを外したところ

このうち使うのは、F07用のドアロックアクチュエータとF10用のモータ(+ワイヤ)だ。ただ、写真16に示すように、F07用のドアロックアクチュエータからモータへの配線は、F10用のものに比べて短い。


写真16 上:F10用、下:F07用

そこで、写真17のように両方の配線を切断し、入れ替える。


写真17 配線を切断しているところ

この配線は写真18のように3本あり、入れ替えてハンダ付けしておく。


写真18 配線を入れ替えたところ

F07用のドアロックアクチュエータにF10用のモータのワイヤを接続し、入れ替えた配線のコネクタも接続する。さらに、写真10で外した部品を写真19のように取り付ける。


写真19 部品を取り付けたところ

これで、写真20のように、右ハンドル車用のソフトクローズドアユニットのできあがりだ。


写真20 ニコイチで作成した右ハンドル車用のソフトクローズドアユニット

これを車体に取り付けるときには、写真21の赤矢印で示したように、キーシリンダーのリンクの部分もうまく接続しておかないといけない。


写真21 キーシリンダーからのリンク部分の接続

あとは、他の外した部品等を元に戻せば交換完了だ。交換後の右ドアを写真22に示す。


写真23 ソフトクローズドアユニットを入れ替えた右ドア

これでバッテリーが上がっても物理的な鍵をキーシリンダーに入れて回すことで解錠することができるようになった。ひと安心だ。ちなみに、右側のソフトクローズは動画1のように動作する。


動画1 右側のソフトクローズドアの動作例(2.7MB)

さて、ソフトクローズドアを取り付けてみた感想だが、正直なところ「なくてもいいかな?」という感じだ(笑)。今までもドアの開閉が不便だったわけでもないし、特に半ドア等もなかった。まぁ、究極の自己満足だろう・・・。



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