2020年2月22日(土)

DD2号 エンジンオイル漏れ − ヘッドカバーガスケットの交換

先日、ヘッドカバー周辺からオイル漏れが見つかった DD2号だが、早めにヘッドカバーガスケットを交換しておきたいところだ。オイル漏れが見つかったのは、写真1、2のところだ。


写真1 オイル漏れの場所


写真2 オイル漏れの場所(拡大)

なんかうっすらとオイルが滲んでいる。もう10万km以上も走っていて一度もヘッドカバーガスケットを交換していないから仕方ないか・・・。まぁ、このあたりで気持ちよくガスケットを交換しておこう。E34のDD号では何度かやったことがある作業 なので、大丈夫だろう。

まずは、いつものようにエアコンフィルタボックスやトレイを外し、さらに、写真3のようにテンションロッドを外す。


写真3 テンションロッドを外しているところ

このあたりの手順は、このレポート を参照のこと。そしてヘッドの化粧カバーを外し、写真4のようにバキュームラインも外しておく。


写真4 バキュームラインを外したところ

さらに、写真5に示すイグニッションコイルをコネクタから外して抜く。


写真5 イグニッションコイルとコネクタ

写真6にイグニッションコイルを外したところを示す。


写真6 イグニッションコイルを外したところ

このヘッドカバーを外すためには、ヘッドの上にある3つの配線の束を外さなくてはいけない。う〜ん、これはちょっと面倒そうだが、やってみよう。まずは、イグニッションコイルへの配線を外すため、写真7の2か所のアースポイントにある8mmのナットを外す。


写真7 アースポイントのナットを外しているところ

そして、写真8のイグニッションコイルへの配線の固定クリップを外す。


写真8 イグニッションコイルへの配線の固定クリップ

これは、写真9の赤矢印のツメで固定されているので、それを外せばいい。


写真9 固定クリップのツメ

そして、写真10のVVTモーターのコネクタも外す。


写真10 VVTモーターのコネクタ

そして、配線を固定するクリップの下にある、写真11のタイラップを切る。


写真11 タイラップ

これで、写真12のようにイグニッションコイルの配線を外すことができる。


写真12 イグニッションコイルの配線を外したところ

さて、ついでだからVVTモーターも外しておこう。まずは、写真13のVVTモーターの下にあるアルミボルトをE8のソケットで外す。


写真13 VVTモーターの下のボルト

そして、写真14にある4つのネジを外せば、VVTモーターも外せる。


写真14 VVTモーターの固定ネジ

写真15に外したVVTモーターを示す。


写真15 外したVVTモーター

ここで、エンジン後方にある写真16のベントホースのコネクタも外しておこう。


写真16 ベントホースのコネクタ

このコネクタは、写真17のように赤矢印のところを押すと輪がつぶれて輪の左右に付いているツメが外れて抜けるようになっている。


写真17 コネクタの外し方

ついでにエンジンの後ろにある写真18のエアコンエアダクトを外しておく。


写真18 エアコンエアダクト

これは、写真19の赤矢印で示す5つのボルトを外した後、緑矢印で示すロックを90°回せば外せる。


写真19 エアダクトの固定

一番上のネジは、写真20のようにトルクスネジだ。


写真20 エアダクトの一番上の固定ネジ

右側の2本のボルトは写真21の位置にある。


写真21 エアダクトの車体右側の固定ボルト

一方、左側の固定ボルトはちょっと外すのが難しい。長いエクステンションとユニバーサルジョイントを駆使して、写真22のようにして外す。くれぐれも外したボルトをエンジンルーム内に落としてはいけない。


写真22 エアダクトの車体左側の固定ボルトの外し方

さて、今度はインジェクタとフューエルレールを外す。そのために、写真23のO2センサーのコネクタを外す。


写真23 O2センサーのコネクタ

そして、フューエルレールを固定している4本のボルトを外して、写真24のようにフューエルレールごとインジェクタを外す。


写真24 フューエルレールとインジェクタを外したところ

ここで、写真24の赤矢印のフューエルレールとフューエルラインを接続しているコネクタを外せれば、それに接続されているインジェクタへの配線が移動できるのだが、ここがどうしても外れない・・・、というか外し方がわからない・・・・。そのため、エンジンの上にある配線の束を移動させるためには、逆側の配線を外さないといけない。 ・・・と、書きながら気づいたのだが、6つのインジェクタをコネクタから外してしまえばいいのか。いまさら気づいても後の祭りだ・・・。

反対側の配線を外すため、写真25の配線ケースのクリップを外す。


写真25 配線ケースの固定クリップ

配線ケースを外せたら、写真26緑矢印のコネクタを外す。


写真26 配線ケースを外したところ

問題は、写真26の赤矢印の配線の先だ。この先のコネクタを外せばいいのだが、その先は電動クーラントポンプとサーモスタットだ。そこで、車の下に潜って、写真27のコネクタ類を外す。ただし、この配線はあとで元に戻さないといけないので、先端に紐を付けておき、引っ張って戻せるようにしておこう。


写真27 電動クーラントポンプとサーモスタット

写真26の赤矢印のところにあるもう一本の配線の先は、写真28の赤矢印のコネクタに接続されているので、これらも外す。


写真28 もう一本の配線の先

ここまで外せたら、ヘッドカバーの上にある配線の束が全部移動できるので、やっとヘッドカバーを外すことができる。ヘッドカバーを外すには、写真29に示す3本のボルトを外すとともに、ヘッドカバー周囲のトルクスボルトを外せばいい。


写真29 ヘッドカバーのボルト

こうしてヘッドカバーを外したところを写真30に示す。このときヘッドカバーのプラグホールにあるアルミの筒(プラグホールスリーブ)も外しておこう。TIS(整備書)には、このスリーブを交換するように指示されているが、まぁ変形していなければ再利用しても問題ないだろう。


写真30 ヘッドカバーを外したところ

E34と違って、E63はヘッドカバーを外すまでに随分手間がかかるなぁ・・・。それはさておき、ヘッドカバー側やヘッド側に古いガスケットがこびりついているので、それを剥がす。写真31に剥がしたガスケットを示す。


写真31 剥がしたガスケット

もう完全に硬化していて、曲げるとパキパキと簡単に折れてくる。さすがに10万キロも走るとダメだな。新しいガスケットを取り付ける前に、写真32のようにヘッド側やヘッドカバー側のガスケットが付く面をウェスで丁寧に拭いておく。


写真32 ウェスで拭いているところ

一か所だけ、ガスケットがこびりついているところがあり、そこは割りばしで剥がしたが、その他の部分は綺麗なものだった。ウェスで拭いているとき、写真33に示すように、3番シリンダーと4番シリンダーのプラグホールにオイルが漏れているのを見つけてしまった。


写真33 プラグホールのオイル漏れ

そういえば、このときにオイル漏れを見たが、すっかり忘れていた。DDは都合の悪いことは忘れるタチだ。いずれにしても、ヘッドカバーガスケットはそろそろ交換しないといけなかったようだ。3番と4番のプラグを外してみると、写真34のようにオイルが付いている。


写真34 オイルの付いたプラグ

幸い他のプラグホールへのオイル漏れはなかった。3番と4番のプラグホールから写真35のようにウェスでオイルを拭き取る。


写真35 オイルを拭き取っているところ

オイル拭き取り後のプラグホールを写真36に示す。


写真36 オイル拭き取り後のプラグホール

さて、やっと新しいガスケットが取り付けられる。今回、用意したヘッドカバーガスケット、VVTモーターのガスケット等を写真37に示す。これらはセットで2,754円(送料込み)であった。


写真37 新しいガスケット

これらを写真38のようにヘッドカバーに取り付ける。


写真38 ヘッドカバーに新しいガスケットを取り付けたところ

そして、ヘッドカバーを元に戻し、写真39のように周囲のボルトを締めていく。締め付けトルクは9Nmだ。ヘッドカバーには8.6±0.6Nmと記載されていたので、まぁ、こんなもんだろう。なお、締め付ける順番は指定されていないが、なんとなくトランスミッションのオイルパンのボルトを締め付ける順番 のように締めていった。


写真39 ボルトを締めているところ

そして、写真40のように外したプラグホールのスリーブを入れていく。


写真40 プラグホールのスリーブ

後は、外したところを順に元に戻せば作業完了だ。と簡単に書いているが、今回は外したところが多かったので、戻すのも一苦労だ。E34の時のイメージで気軽にヘッドカバーガスケットの交換を始めたが、意外と手間取った。

さて、作業後に少し試走してみたが、明らかなオイル漏れは見られなかった。しばらくはオイル漏れに注意しておこう。

現在の走行距離:  105,460km



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