2004年9月30日(木)

ドアロックアクチュエータの交換 − kuniさんより

先日、このサイトのゲストブックに、kuniさんから書き込みがあった。どうやら、ドアロックアクチュエータが壊れたので、交換したらしい。

でも、その過程で、ドアが開かなくなるというトラブルもあったようだ。おもしろおかしく書き込まれていたので、思わず笑ってしまった。折角だから、その部分を以下に紹介する。

【やっちまった】

本日、内張りを剥がしてみました。

ロックノブは単純にロッドが直接ロック機構に繋がっており、固着するような原因が見あたらなかったので、アクチュエータの脱着に挑戦してみました。

最初はアクチュエータの場所が良く解らず、ロック機構全体を固定しているトルクスを抜いて全体を引きずりだそうとしたのですが、ドア内部のガラスレールに干渉して無理っぽかったので、アクチュエータのみを外しました。

直接目視できる場所ではなく、手も入れづらい場所なのですが、上方に引っ張ったら外れました。外すとロックノブが動くようになったのでアクチュエーターの固着が原因のようでした。

アクチュエーターの稼動部を手で操作すると集中ドアロックが反応するので、完全に壊れている訳ではないようですが、相変わらずキーレスでロックしても反応無しでした。

ここでお昼になったので、部屋に持ち込んでアクチュエータを分解し、モーターの端子に直接12Vを入れるとロック方向、アンロック方向ともに動作しました。しかし、アクチュエータのコネクタピンに12Vを供給しても反応がありません。アクチュエータ内部のリレーか何かの不具合かも知れません。で、修理はあきらめて嫁と買い物に行くためにアクチュエータを戻しました。

ここで大失敗。

時間があまりなかったので、アクチュエータを付けて、内張りを戻して、エンジン掛けて買い物にGOしたのですが、駐車場に着いてドアハンドルを引いてもドアが開かない!

リンケージの付け忘れ?かと思ったのですがドアハンドルを引くと何故かロックノブが上下します(笑)。

ドアハンドルのリンケージの取り回しが変になってます。とりあえず助手席側から降りて外からドアハンドルを引いてみました。

「あ、開かない!!」(滝汗)

運転席の開かないE34が出来上がりです。

さて、どうしよう。
(長文失礼しました)

そんな顛末をレポートにしていただいたので、紹介しよう。


ドアロックアクチュエータの交換

初期症状はキーレスでロックすると「バシャ」 「ズシャ」となってロック出来ない。再度ロックするとOK。1ヵ月後に再発、今回は再度ロックしても運転席だけはロックが掛からない状態に!

アクチュエータの作動を確認するために内張りを外すことに(外し方はDDさんのメンテ記録に詳細があるので割愛します)。

アクチュエータの位置は写真1の緑線のあたりです。サービスホールから手を入れて、アクチュエータ後端のコネクタ部を上方に持ち上げるようにすると外せます。


写真1 アクチュエータの位置

アクチュエータは写真2のような形状です。E34でも前期?(91/07まで)とは形状が違ってます。


写真2 ドアロックアクチュエータ

この写真の中心部にある白い部分が可動部です。可動部を手でスライドさせると集中ドアロックが反応しますが、ドアを閉めてキーレスを操作してもこのアクチュエータは動く気配がありません。

ということで、アクチュエータの部品入手までどうにもならないのでアクチュエータを元に戻します(ここで大失敗があった訳です)。

で、入手した中古部品は写真3、4の部品です。ヤフオクを探したのですが、前期型(ガンロックモータータイプ)しか見つけられなかってので、解体パーツ屋さんから入手しました(5漱石)。


写真3 アクチュエータ(1)


写真4 アクチュエータ(2)

パーツナンバーが違ってますがまったく同じ部品です。ちなみに、この部品はE36から外してもらいました。E34の部品取車の中心は圧倒的に88〜91年が多かったのですが、この部品はE36と共通なのでE36の95年車から外していただきました。

あとは、この部品を元通りに取り付ければOKですね。あ!ここで、内張りを戻す前には必ず動作確認してくださいね(笑)

これで、キーレスによるロック、アンロックは復活いたしました。最初にアクチュエータを探して、ロックユニット自体を外してみたのですが、キーシリンダーのリンケージが元に戻せなくなってしまい、現在は鍵による施錠、開錠ができません。キーレスがあれば不要なのでこのままとします(見て見ないふり?)。

 

番外編

実は、最初に内張りを戻したときに、ドアハンドルのリンケージがおかしくなって、ドアが開かなくなりました。もちろん、外からも中からも開きません。運転席の開かないE34ができ上がりです(苦笑)。

えー、これが「開かないドア」です(笑)

写真1などからサービスホールの位置を予測して「内張り開腹手術」を行います。

世のE34オーナーの多くの方が内張りの「浮き」に悩んでおられるというのに、後期E34では接着方法の改善があったのかまったく「浮き」がないので非常に惜しいですが、「バリ、バリ」と剥がします(強力に接着されていて綺麗にはがすことができませんでした)。

ドア側に接着剤と共に「心材」が残ってしまってます。切開位置を決めていよいよ開腹です。

作業は大型カッターを突き刺すように使うと、「あっ」という間に終了です。ノコギリのような道具よりカッターのほうが作業性は遥かに良いです。内張りの裏にはコネクターケーブルとかもあるのでカッターの刃は1.5cm程度で作業を進めました。

スポンジ部分は上側以外の三辺のみ切り、向こう側へ。

開口部より手を入れて、手探りでアクチュエーターを外します。ドアハンドルにつながっている赤いケーブルを引くと! 開きますた!

この写真の開口部がさっきの写真より広く見えるのは目の錯覚ではなくて、アクチュエータを外すのに力が入らなかったので切り広げたためです。

ドアが開いたので、内張りを外して補修作業を行いました。内張り裏側から見た状態です。

切り取った部分を「蓋」のようにしてはめ込みます。

切り取る時にノコギリではなく、カッターを使っているので隙間無くピッタリとはまります。当然接着しておきます。黒い部分は、残っていた心材と接着剤を根気よくはがしたのでベース材の色になってます。

はがしておいた表皮部分を接着します。

心材が痩せてしまったので表面にシワがよってます。

車両への装着状態です。

心なしかシワが減ったような減ってないような?ですがオーナーさん以外はわからない部分なのでこれで良し!とします。

えー、今回は本編より番外編のほうが大変でした!

教 訓
 作業はあわてず慎重に!
 良くわからないのに、外さない!
 内張りを つける前には 動作を確認!

アクチュエーターの交換は、場所やロックユニットへの差込み位置などがわかっていれば、30分程度の作業かもしれません。

私はこの作業にトータルで3日程度かかってしまいましたが、5漱石で直った
と思い込むようにしてます。


これを読んで、ドアのリンケージをいじるときは注意しようと思った(マジで)。特に「良くわからないのに、外さない!」は名言である。

末尾ではあるが、こんな面白い有用なレポートをいただいたkuniさんに感謝する。



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