2004年9月25日(土)   2004年10月3日(日)追記   2004年10月20日(水)間違い訂正

レインセンサー「天下雨滴」 − 取り付け編

DDはワイパーが嫌いである。だから、「ガラス撥水剤 − 比較テスト」のように、ガラス撥水剤にはちょっとうるさい。いつもフロントガラスには撥水剤を塗っている。

おまけに、雨が降ってもいつも手動でワイパーを一回一回動かしている。なるべくワイパーを使いたくないのだ。

そんなとき、レインセンサー「天下雨滴」の話を聞いた。これは、フロントガラスにかかる雨の量に反応して、間欠ワイパーの間欠間隔が変化するらしい。要するに、フロントガラスに雨がある一定量以上かかると、その都度ワイパーが動作するようだ。ワイパー嫌いのDDには、丁度いいアイテムかもしれない。でも、「天下雨滴」というネーミングはいただけない・・・(笑)。

そんなわけで、早速「天下雨滴」を取り付けてみることにした。別に、最近、面白いネタに困っているわけではない(嘘)。

ちなみに、天下雨滴はキャンペーン中で、税・送料込み14,500円で購入した。


誰でもできる「天下雨滴」の取り付け方

久しぶりに大層なサブタイトルを付けてしまった(笑)。

注文して送られてきたものは写真1の通りである。これに取り付け&取り扱い説明書が付属する。


写真1 送られてきたもの

一番左のライターは、大きさの比較のために置いたものである。ライターの右隣にあるものが、フロントガラスに貼り付けるレインセンサーである。その横の黒い箱が天下雨滴の本体で、その右隣が本体と車両とを接続する配線である。その上にあるビニール袋に入っているものは、センサーをフロントガラスに貼り付けるときに用いるガラス密着ジェルだ。

ちなみに、センサーの裏側は写真2のようになっている。


写真2 センサーの裏側

センサーの上部についているのは、配線カバーであり、フロントガラスへ貼り付ける場所により適当な長さに切断する。センサーは横から見ると写真3のようである。思ったより小さい。


写真3 センサーを横から見たところ

天下雨滴の取り付け手順は、以下の通りである。

  1. センサーの位置決めと加工
  2. センサー配線の取りまわし
  3. センサーの貼り付け
  4. 本体配線の加工
  5. 本体の配線

今回は「誰でもできる『天下雨滴』の取り付け方」なんでサブタイトルを付けてしまったため、取り付け方を詳しく説明することにしよう。

 

1.センサーの位置決めと加工

付属の説明書には、写真4のようなセンサーの型紙がある。


写真4 センサーの型紙

これを指示通り、写真5のように切り取る。


写真5 型紙を切り取ったところ

そして、これをフロントガラスの外側からテープで貼り付けてセンサーの貼り付け位置を決める。

センサーはワイパーの拭き取り範囲内に貼り付けなければいけないが、BMW E34はフロントガラスの上端までワイパーが届くため、写真6のように、上部いっぱいの位置に取り付けることにする。


写真6 センサーの取り付け位置

写真6の矢印の位置に、前述の型紙をテープで貼り付ける。貼り付けたところを写真7に示す。


写真7 型紙を貼り付けたところ

ちょうど、フロントガラスの縁にある黒い部分に、センサーの上端があたるように型紙を貼り付けた。型紙を中から見ると、写真8のようになる。


写真8 型紙を中から見たところ

さて、センサーの位置が決まったら、次にセンサーに付いている配線カバーを適当な長さに切断しなければならない。今回は、フロントガラスの目一杯上部に取り付けるため、配線カバーは不要である。

配線カバーを切断するには、写真9のようなニッパーがあればよい。


写真9 配線カバーを切断するニッパー

まず、写真10のようにセンサーの蓋を開ける。


写真10 センサーの蓋を開けたところ

そして、写真11のように、蓋の方からニッパーで配線カバーを切断する。思い切って、配線カバーの根元から切断した。


写真11 蓋の配線カバーを切断しているところ

写真12のように、あっさりと切断できるはずである。


写真12 蓋の配線カバーを切断したところ

同様にして、写真13のようにセンサー本体側の配線カバーも切断する。


写真13 センサー本体側の配線カバーを切断したところ

このまま蓋をすると、蓋がうまく固定されないので、写真14のような両面テープで蓋と本体を接着しておく。


写真14 両面テープ

写真15のようにして、センサー本体の両横に両面テープを貼る。この両面テープは後で剥がすことができるように、あまり強力なものでないほうがいいだろう。


写真15 センサー本体の両横に両面テープを貼ったところ

蓋をセンサー本体を貼り付ければ、写真16のように配線カバーの切断は完了である。


写真16 センサーの配線カバーを切断したところ

 

2. センサー配線の取りまわし

センサーをフロントガラスに貼り付ける前に、センサー配線の取りまわし場所を確保しておく。

センサーの配線は、天井からAピラーを伝って、ダッシュボードの下まで這わせていく。

まずは、写真17のように、運転席側のウェザーストリップを手で剥がす。


写真17 ウェザーストリップを手で剥がしているところ

次に、写真18のようにして、Aピラーの内装を剥がす。これは内装剥がしで丁寧に剥がせばよい。


写真18 Aピラーの内装を剥がしているところ

Aピラーの内装には、写真19のように3箇所にツメが付いており、ここに内装剥がしを入れて、丁寧に持ち上げればAピラーは簡単に外すことができる。


写真19 Aピラーの裏側にあるツメ

次に、天井にセンサー配線が通る隙間を確保する。これには写真20のように、サンバイザーの4本のネジを外せばいい。


写真20 サンバイザーの4本のネジ

このネジの頭は、トルクスのT-20のサイズである。写真21のようにして、順番に外していく。


写真21 サンバイザーのネジを外しているところ

サンバイザーには、写真22に示すように、車両側から配線が接続されているので、赤矢印のところにあるコネクタを外せば、サンバイザーを外すことができる。


写真22 サンバイザーに付いている配線のコネクタ

4本のトルクスネジを外せば、写真23のように天井に隙間ができるはずである。


写真23 天井の隙間

ちなみに、トルクスT-20のドライバーは写真24のようなものである。先端が差し替え式になっているものを見つければ、比較的安く購入できるだろう。


写真24 トルクスドライバー

 

3.センサーの貼り付け

さて、センサー配線の取りまわし場所が確保できたところで、次にセンサーをフロントガラスに貼り付ける。

まず、用意するのは、写真25のようなアルコールである。


写真25 アルコール

これは、近所の薬局に行けば300円ほどで手にはいるだろう。脱脂等に便利なので、一つ買っておいても損はないはずだ。

このアルコールをティッシュにしみこませ、写真26のようにセンサー貼り付け位置のフロントガラス裏側を丁寧に拭く。


写真26 アルコールでフロントガラスを拭いているところ

貼り付ける準備ができたら、付属のジェルをセンサーのプリズム部分に塗ってセンサーを貼り付ける。ただし、このジェルを塗るのが難しい。

説明書には、写真27のように、ガラスに貼り付けたときにちょうどプリズムの部分にジェルがうまく広がるように付けなければならない。おまけにはみ出してもいけない。どれぐらい付けたらいいんだろう?


写真27 ジェルの付け方

考えても仕方ないので、とりあえず付けてみよう。写真28のように、細いマイナスドライバーをヘラ代わりにして、センサーのプリズム部分にジェルを塗る。


写真28 センサーのプリズム部分にジェルを塗っているところ

量がよくわからないので、写真29のように薄く均一に塗り広げた。これなら、ちょうどいい量だろう。


写真29 ジェルを塗り広げたところ

そして、写真29の白い部分の両面テープの紙を剥がし、先ほどアルコールで拭いたセンサー取り付け位置にセンサーを貼り付ける。貼り付けたところを写真30に示す。


写真30 センサーを貼り付けたところ

これを外から見ると、写真31のようになっている。


写真31 センサーを外から見たところ

うまい具合にジェルがプリズムとフロントガラスの間に均一に入っており、ほとんどはみ出ていない。やはり、センサーのプリズムにジェルを均一に薄く塗り広げたのがよかったようだ。

後は、先ほど確保したセンサー配線の場所に沿って、配線を取りまわせばよい。

まず、写真32にように天井の上を通す。


写真32 センサー配線を天井の上に通しているところ

次に、写真33のようにして、Aピラーに配線を這わせる。念のため、赤矢印の3箇所で配線を固定した。


写真33 センサー配線をAピラーに這わせているところ

そして、写真34のようにダッシュボードの横を這わせる。


写真34 センサー配線をダッシュボード横に這わせているところ

運転席の右下には、写真35のようにカード入れが付いている。これは赤矢印の4箇所のネジを取ると外すことができる。


写真35 カード入れを外すネジ

カード入れがない車は、ダッシュボードの下のパネルを外せばよい。

カード入れを外したところを写真36に示す。


写真36 カード入れを外したところ

中に配線が入っているのがわかるだろうか。ここに天下雨滴の本体を取り付けるとともに、配線の接続もする。

センサーの配線は、写真37のようにダッシュボード横の隙間から入れればよい。


写真37 センサーの配線を入れているところ

 

4. 本体配線の加工

さて、次は本体の配線を車両側の配線に接続するのだが、その前に配線を加工しておく。

天下雨滴は、いろんな車に取り付けられるように考えて作られているため、いろいろな取り付け方がある。BMW E34には写真38の配線で取り付けるのが簡単である。


写真38 天下雨滴本体と車両との配線

説明書の回路図をよく見ると、説明書の間欠ワイパー信号はプラス制御だが、BMW E34はマイナス制御である。すなわち、BMW E34ではワイパーレバーを間欠モードにすると、信号線が12Vに接続されるのではなく、アースに接続されるようになっている。

しかし、天下雨滴は車両側の間欠ワイパー信号がプラス制御かマイナス制御かを自動的に判断しているようなので、プラス制御かマイナス制御かを考えなくてもいいようだ。なかなか良くできた製品である(感心!)。

それはさておき、本体の配線を加工する。

まず、写真39のように、不要な線(青と紫)を切断して熱収縮チューブで絶縁処理しておく。


写真39 青と紫を切断したところ

熱収縮チューブはホームセンターでも売っているが、ないばあいにはビニールテープを巻いておけばいい。

次に、写真40のように、茶と緑を適当な長さに切断する。


写真40 茶と緑を適当な長さに切断したところ

そして、この両方の線を一つに纏めて、写真41のようにギボシ端子を圧着する。


写真41 茶と緑を纏めてギボシ端子を付けているところ

そして、余った茶色の線にギボシ端子を接続して、先ほどのギボシ端子と接続する。接続したところを写真42に示す。


写真42 茶/緑と茶をギボシ端子で接続したところ

この加工は、ギボシ端子を使わず、割り込みコネクタを使った方が簡単かもしれない。しかし、割り込みコネクタを使う場合には、接触不良に注意しておくこと。

次は、写真43のように、黄線と先ほどの茶線にそれぞれギボシ端子のメスとオスを圧着する。


写真43 黄線と茶線にギボシ端子を圧着したところ

これで、本体配線の加工は完了である。

 

5. 本体の配線

ここまでくれば、あとは本体を配線するだけである。

先ほど外したカード入れの中から、コネクタを3つ見つける。写真44にコネクタ1とコネクタ2の位置を、写真45にコネクタ3の位置を示す。


写真44 コネクタ1とコネクタ2の位置

コネクタ1は黒いコネクタで、ソケットに刺さっている。これはワイパーレバーの配線である。2列で比較的小さなコネクタだ。

コネクタ2は白いコネクタで、これもソケットに刺さっている。これは、ウィンカーレバーの配線である。2列で比較的大きなコネクタだ。


写真45 コネクタ3の位置

コネクタ3は黒いコネクタで、どこにも刺さっていない。右側の少し奥まったところにあり、配線バンドで他の配線に固定されている。黒いコネクタで比較的小さい。少し太い赤/黄線(赤い線に細い黄色のストライプが2本入っている色の線)があるのが目印だ。配線バンドをニッパーで切断すると、写真46のようにコネクタ3が出てくるはずだ。


写真46 コネクタ3

コネクタが見つかれば配線は簡単である。

まずは、白いコネクタ(コネクタ2)を外し、コネクタの緑/黄色線に天下雨滴のオレンジの線を割り込ませる。DDはギボシ端子を使っているが、割り込みコネクタでも良い。

次に、同じく白いコネクタの茶線に天下雨滴の黒い線を割り込ませる。

この2本を接続したところを写真47に示す。


写真47 茶線・黒線を接続したところ

そして、コネクタ1を外して、写真48のように黒/青線を切断する。


写真48 黒/青線を切断したところ

この線に、それぞれ天下雨滴の茶線と黄線を接続する。接続したところを写真49に示す。


写真49 茶線と黄線を接続したところ

最後に、写真50のようにして、コネクタ3の赤/黄線に天下雨滴の赤線を割り込ませる。


写真50 赤線を接続したところ

接続には割り込みコネクタを使ってもいい。ただし、車両側の赤/黄線は常時12V電源なので、配線前にはバッテリーのマイナス端子を外しておいた方がいいだろう。間違えて金属部分にでも触れたら、ショートして火花が出ることもある。

これで、基本的な配線は完了だ。コネクタ1とコネクタ2は、もとのソケットに戻しておこう。

なお、念のため接続方法を表1に纏めておく。

表1 天下雨滴の配線方法

天下雨滴の配線色 車両側のコネクタ 車両側の配線の色

備考

コネクタ3 赤/黄 割り込み接続
橙(オレンジ) コネクタ2 緑/黄 割り込み接続
コネクタ2 割り込み接続
コネクタ1 黒/青 コネクタと逆側の接続
コネクタ1 黒/青 コネクタ側に接続
天下雨滴の茶線と接続
接続せず
接続せず

 

残るは、センサーの配線と車両に取り付けた配線を天下雨滴の本体に接続すればいい。

天下雨滴の本体の蓋を開けて、写真51のように二つのコネクタを接続する。


写真51 二つのコネクタを接続したところ

そして、写真52のように両方の配線を基板上の配線バンドで留める。


写真52 両方の配線を配線バンドで留めたところ

この状態で蓋をする。写真53のように、あまった配線は配線バンドで纏めておく。


写真53 蓋をしたところ

あとは、写真54のように、これをカード入れのところに入れる。


写真54 本体をダッシュボードの中に入れたところ

うまい具合に、ちょうどいい感じで収まったので、両面テープで固定していない。

これで、外したAピラーの内装やサンバイザー等を元に戻せば完成である。

ちなみに、今回使用した工具を写真55に示しておこう。


写真55 今回使用した工具類

左から、内装剥がし(マイナスドライバーの先にガムテープを巻いたもので代用可能)、トルクスドライバー(BMW E34の場合に必要)、プラスドライバー(ダッシュボード等を外すのに必要)、電工ペンチ(割り込みコネクタを使う場合は不要)、ラジオペンチ(配線接続に使用)、ニッパー(センサーの配線カバー切断や配線の切断にしよう)である。

なお、ギボシ端子を圧着するための電工ペンチは、その先が写真56のようになっているので、購入する場合には注意が必要だ。


写真56 ギボシ圧着用の電工ペンチの先


今回は、誰でもできるように取り付け方を丁寧に説明したが、少し車をいじったことのある人なら、取り付けに1時間もかからないであろう。

 

なお、フロントガラスに貼り付けたセンサーの大きさが気になる人がいるかもしれないので、その写真を示しておこう。

写真57は、運転席から見たセンサーである。


写真57 運転席から見たセンサー

矢印で示さないとわからないぐらいだ。ルームミラーに隠れて、まったく外界視野の妨げにならない。

写真58に外から見たところを示す。


写真58 センサーを外から見たところ

よく見るとセンサーが付いているのがわかる程度である。

 

さて、天下雨滴を取り付けてみたところで、雨の中を走ってみたいところだが、残念ながら雨が降っていない。こんなときは、疑似降水で動作確認試験だ!

写真59に疑似降水の様子を示す。


写真59 疑似降水の様子

えっ? ただの如雨露(じょうろ)じゃないかって? これはNASAが開発した立派な疑似降水装置である(嘘)。

こうやってセンサーの部分に水をかけると、写真60のようにワイパーが動く。


写真60 ワイパーが動いているところ

水をかけるとワイパーが動く。かけないと動かない。でも、かけると動く・・・・。おもしれ〜〜。何度も繰り返してしまった(笑)。

 

ちなみに、天下雨滴のセンサー部分は、エンジンを切っている間、白いLEDが点滅するようになっている。よく見てみると、その点滅パターンも変化するようである。夜に見ると、あたかもセキュリティが働いているかのように見える。白く点滅するのは、ちょっと格好いい(笑)。

天下雨滴は、おそらくLEDを使った光学センサ方式だと思うが、走行中にLEDが光るのは問題かもしれないと思い、メーカーに問い合わせてみた。すると、すぐに「国土交通省に違法でないことを確認済みです」との返答をいただいた。車検も問題ないようで安心した。

 

なお、天下雨滴を雨天時に使用したインプレッションについては、「レインセンサー『天下雨滴』 − 使用した感想」で報告する。


2004年10月3日(日) 追記

上記の取り付け方に関して、「天下雨滴」のメーカー「コアテックシステム」の方より、以下のような指摘をいただいたので、掲載しておく。

天下雨滴の本体基板にコネクタを差し込むときに関する注意である。

(注意1):コネクターを接続する場合、「センサーコネクター」→「電源・駆動コネクター」の順序で接続する。

(注意2):コネクターを接続する前にワイパースイッチは必ずオフにしておく。

(注意3):コネクターを接続する時には、センサー部に水をかけてはいけない(通常かけませんが、雨中ではしない)。また、センサー部に直射日光が当たらない場所で行う。

(注意4):コネクターを接続し終えたときにセンサー部の赤色LEDが消灯していれば正常です。点滅または点灯している場合は、センサー部の取付け方(密着ジェル)が悪いと思われます。

DDは、たまたま上記の注意をクリアしていたが、これから取り付ける人は注意されたい。

わざわざ、メールで注意点を教えていただいたコアテックシステムの方に感謝する。


2004年10月20日(水) 間違い訂正

たにやんさんより、写真49に間違いがあることが指摘された。この間違いにより、たにやんさんや他の方々に迷惑をおかけした。

謹んでお詫び申し上げますとともに、ご指摘いただいたたにやんさんに感謝します。
(写真は訂正してあります)



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