2017年1月28日(土)

ボールジョイントの外し方 − medama1goさんより

久しぶりにご登場のmedama1goさんより有用なレポートをいただいたので報告しよう。


E34な皆さま、medama1goです。 紆余曲折あって、ナンバーを切った我が535、昨年末に家内よりいい加減何とかしろと言われ、再登録に向けて準備中な訳ですが、予てよりブレーキ時にゴクッと音がして振動が伝わる、なんとなくふらつくなどの症状より、スラストアームのブッシュを疑っておりました。

さらに、タイヤを外して確認したところ、コントロールアームのブーツもグリスまみれになっていた為、この際なので、両アームとも交換することにしました。

コントロールアームは以前にboven7さんから譲っていただいた中古アーム、ブーツと中のグリスの交換でこれを使うことにします。交換に使ったブーツは大野ゴム工業の

ボールジョイントブーツ DC-2640

という型番の物。某オクで出ているブーツと同形状、さらにその購入元と思われるサイトに公表してあるサイズと同寸法なので、これでよいと思いますが、実測寸法よりも幾分小さめなので、もう1サイズ上の物の方が、取り付けは楽だと思います。

で、スラストアームはというとこちらは素直に某オクで購入。メーカーはT.G.Q、多分、台湾ゴールデンクォリティだと思います。

さて、物がそろったところで作業ですが、やはり難所はボールジョイントの分離でしょうか。みなさんなかなか苦労されているようで、 boven7さんもskymoverさんも苦労話が絶えません。そこで、私は以前GX81に乗っていた時に世話になった板金屋の大将直伝の方法でトライしてみることにしました。作業自体はマニュアルに準じたものです。

1.両アームの根元にある貫通ボルトを緩め、ナットを外す。
2.スタビリンクを片方だけ外す。
3.ストラットケース下部にあるボルト3本を外し、ステアリングアームとストラットを分離する。

ここまでは各ボルトが鬼のように固着していなければ、スムーズに行くはずです。

ストラットを分離すると、ステアリングアームに両アームのボールジョイント部を締結しているセルフロックナットが見えてきます。まずはこいつらをいったん外し、その後再び手で軽く回してボールジョイントにつけておきます。これはプーラーでネジを壊す事への保護と、嵌合が外れた場合の落下防止措置です。

で、プーラーをかけるのですが、私の場合写真の方向にかけます。

コントロールアーム:

スラストロッド:

この時、プーラーは目一杯締めこむ必要はありません。ほどほどにテンションが掛かればOKです。で、それぞれここをダブルハンマーで叩きます。

コントロールアーム:

スラストロッド:

この叩く位置がミソでして、嵌合部を横から叩くことで根切りのショックを与えて外します。とは言え、どの程度のものかわかりづらいかと思いますので、動画を撮ってみました。

https://youtu.be/a0cRXndzHtE

2回目の打撃、プーラーが横を向いた時点で、嵌合が外れています。事前に外していた訳ではありません。各アームとも2〜3回の打撃で分離しています。タイロッドエンドなど小さいジョイントだと、プーラーなしでハンマーのみで外せます。

ダブルハンマーにする理由ですが、奥まっていて叩きにくいというのが、その主な理由ではないでしょうか。普通に叩くと、関係ないところにまでダメージを与えそうですから。

コツは、打撃の方向は、外すアームに対して延長線上でハンマーを振る事。横方向を叩くと、力が逃げます。あと、ハンマーはなるべく大きなものを使うと楽です。私は当てハンマーが0.9kg、打撃ハンマーが1.8kgの石頭ハンマーで叩きました。

その他のコツは、ビビらないこと。とにかく力いっぱい、一気に叩くことです。うまく行けば、一撃で外れます。

ただし、この方法だと、ステアリングアームに若干の傷が残ります。こんな感じで。

矢印がなければわからない程度の傷ですが、気になる方はやめておいた方が良いかもしれません。

外れた後は、インパクトでズボラさせていただき、根元のブッシュを1G荷重で規定トルクで締め上げて交換は終了。

ステアリングもしっとりとした感触になり、ブレーキ時の異音や振動もなくなりオーナーさん大満足の結果となりました。

あとはナンバーを取るだけか(笑)。


こんなに簡単に外れるもんなんだ! 次回、ボールジョイントを外す時があったらやってみよう!

末尾ではあるが、有用なポートをいただいたmedama1goさんに感謝する。



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