2024年12月14日(土)

DD3号(F25)  ATF量の調整 − ISTAを使って

前回のレポートのようにDD3号のATFを交換したが、そのときはATF量を正確には調整していなかった。今回はATF量を調整してみた。まずは、写真1のように車体前後にウマをかけ車体を水平に持ち上げる。


写真1 水平に持ち上げたところ

下に潜りこむと、写真2のようにATオイルパンの下にアンダーカバーがあるので、これを外す。


写真2 アンダーカバー

アンダーカバーを外すと写真3のようにATのオイルパンが見える。


写真3 ATオイルパン

オイル量の調整は写真4のフィラープラグの穴から行う。


写真4 フィラープラグ

ATF量調整時にはこのフィラープラグの穴からATFが溢れてくるので、写真5のように下にオイル受けを置いておく。


写真5 オイル受け

さて、準備ができたら早速ATF量を調整しよう。DD3号(F25)のオイル調整はISTA(Integrated Service Technical Application)を使えば簡単にできるようなので、写真6のように車体のODB IIポートにPCを接続する。


写真6 PCを接続したところ

PCを接続したらエンジンをかけてから図1のようにISTAを立ち上げる。


図1 ISTAの起動画面

ISTAを立ち上げたら図2のように車両情報を読み取る。


図2 車両情報を読み取っているところ

しばらくすると、図3のように車体番号が表示される。


図3 車体番号の表示

車体番号を選んで「接続の確立」を押すと、図4のように詳細な車両情報が表示される。


図4 車両情報の読み取り中

さらにしばらく待つと、図5のようにDD3号(F25)のモジュール構成のチャート図が表示される


図5 モジュール構成図

その後、図6のように、メニューの中から「車両処理」「サービス機能」を選択し、左側の一覧の中から「トランスミッション コントロール ユニット 8HP」の下の「トランスミッションオイル」を選択すると、右画面に「トランスミッション コントロール ユニット:オイルレベル調整」が表示されるので、それを選択して「表示」ボタンをクリックする。


図6 オイルレベル調整

すると、図7のようにオイルレベル調整の実施条件が表示される。


図7 実施条件

「進む」をクリックすると、図8のようにオイルレベル調整の理由が問われる。


図8 オイルレベル調整の理由

ここで「部品交換(オイルパンが取り外された)またはコンバーター交換後の新規充填」を選択して「進む」をクリックする。すると、図9のように最初の手順が表示される。


図9 最初の手順

すでに車体はウマをかけているので、パーキングブレーキを解除して「進む」をクリックすると、図10のように次の手順が表示される。


図10 次の手順

この手順はすでに実施しているので、そのまま「進む」ボタンを押す。すると図11のDSC解除の指示が表示される。


図11 DSC解除指示

DD3号(F25)のDSC解除ボタンは、写真7のところにあるので、これを押す。


写真7 DSC解除ボタン

このボタンを押すとDSCが解除され、写真8のように解除表示が点灯する。


写真8 DSC解除表示

DSCを解除したら、図11の「OK」ボタンをクリックしてから「進む」ボタンをクリックすると、図12のようにATFをAT内に吸い上げるための手順が表示される。


図12 ATF吸い上げの手順

図12の通りATのセレクターレバーを操作してから「進む」ボタンをクリックすると、図13のようにトルクコンバータへのATFの注入手順が表示される。


図13 トルクコンバータへの注入

アクセルぺダルを踏んでエンジン回転数を2000rpmに30秒維持してから「進む」をクリックすると、図14のように現在のATF温度が表示される。


図14 ATF温度の表示

しばらくエンジンをアイドリングのままにしておくと徐々にATF温度が上がって30℃になる。すると自動的に図15のようにフィラープラグを外す指示が表示される。


図15 フィラープラグを外す指示

ここで写真9のようにフィラープラグを外す。


写真9 フィラープラグを外したところ

フィラープラグを外してから「進む」ボタンをクリックすると、図16のように再び現在のATF温度が表示される。


図16 ATF温度の表示

再びしばらくアイドリングさせておくと、図17のようにATF温度が徐々に上がっていく。


図17 ATF温度39℃

ATF温度が40℃になると、図18のようにATFがフィラープラグから漏れているかどうかの問い合わせ画面が表示される。


図18 ATFの漏れの問い合わせ

ここでフィラープラグの穴を見てみると、写真10のようにわずかにATFが溢れてきている。


写真10 溢れているATF

図18の画面で「はい」をクリックすると、図19のように60秒待つような指示が表示される。


図19 60秒間の待機

60秒経ったら図20のようにフィラープラグを閉める指示の画面が表示される。


図20 フィラープラグを閉める指示

この画面が表示されたら、写真11のようにフィラープラグを閉める。締め付けトルクは35Nmである。


写真11 フィラープラグを締めたところ

最後にエンジンを止め、パーツクリーナーで付着したATF等を洗い流してアンダーカバーを取り付ければ作業完了だ。これでATF量がピッタリ調整されたことになる。



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