2024年12月7日(土)
DD3号(F25) ATF交換 − オイルパンも
DD3号(F25)はもう10万キロほど走っているが、どうもATFを交換したことはないようだ。メーカーによるとDD3号(F25)のATFは交換不要らしいが、やはり油脂類は劣化するので交換しておきたい。調べてみると、DD3号(F25)のATF交換方法は、基本的にDD2号(E63)のATF交換方法と同じらしい。それなら、ちょっとやってみるか! まずは、写真1のように車両全体をウマで持ち上げて水平にする。
写真1 水平に持ち上げたところ車の下に潜ると、ちょうどATオイルパンのところにアンダーカバーがあるので、写真2の赤矢印のネジを外してアンダーカバーを外す。
写真2 アンダーカバーの固定ネジアンダーカバーを外すとATのオイルパンが見える。写真3にアンダーカバーを外したところを示す。
写真3 アンダーカバーを外したところATFを入れ替えるときには、ATFの分量を正確に測るために車体を水平にしておかなくてはいけない。ここで写真4のようにオイルパンに水準器を当て、車体が水平になっているかどうかを確認しておく。
写真4 水平の確認ATFを交換するためにはATFを抜かないといけないが、その前にATFを補充するためのフィラーボルトが外れるかどうかを確認しておこう。これが緩まないとATFを抜いた後に新しいATFを入れられないからだ。フィラーボルトは写真5の位置にある。
写真5 フィラーボルトの位置フィラーボルトは35Nmで締まっているため、写真6のように8mmの短いヘックスビットを使って緩めてみる。
写真6 フィラーボルトを緩めているところフィラーボルトが緩むことを確認したら、写真7のようにオイルパンの下にオイル受けをおいて10mmの六角レンチでプラスチックのドレインボルトを外す。
写真7 ドレインボルトを外しているところドレインボルトが外れたら写真8のように古いATFが抜けてくる。
写真8 古いATFを抜いているところ今回は新しい化学合成油のATFとして写真9のENEOS X PRIME AT FLUIDのペール缶(20リットル)を用意した。価格は13,800円(送料込み)である。これは、安い割には高温時の粘度をそれなりに保ちつつ低温時の粘度が低いコスパの高そうなATFだ。ちなみに「ENEOS X AT FLUID」という「PRIME」が名前に入っていないものもあるが、それとは違うので購入するときに注意しておこう。
写真9 ENEOS X PRIME AT FLUIDのペール缶例によってこのペール缶にATFの廃油を入れたいため、2リットルのペットボトル9本とオイルジョッキに20リットルのATFを移し替えておく。そして、ATFをフィラープラグのところから入れる新兵器として、今回は写真10の手動ポンプを用意した。
写真10 手動ポンプこの手動ポンプはシャンプーボトルに付いているポンプのようなものだが、写真10の通り押すときのストロークが長い。そのため、1回押したときに多くのオイルを吸い上げることができる。価格は464円(送料込み)であった。このポンプのホースの先にこのときに使ったホースニップルを付けると、ちょうどホースニップルがフィラープラグの穴に引っかかってATFを注入しやすい。ちなみに、ポンプ下側の赤いホースは手持ちで耐油性のシリコンホースがあったので、それを付けて延長している。ちなみに、このポンプは2リットルのペットボトルに丁度取り付けられるようになっている。
さて、ATFを入れる準備ができたらオイルパンを交換しよう。ATのオイルパンは13本のT-40のトルクスボルトで固定されているので、写真11のようにそれを外していく。
写真11 オイルパンの取付ボルトを外しているところ全てのボルトを外したらオイルパンを外すことができる。写真12に外したオイルパンと新しく用意したオイルパンの比較を示す。例によって、外したオイルパンの磁石にはかなり多くの鉄粉が付いている。
写真12 オイルパンの新旧比較(上:旧、下:新)新しいオイルパンは中国からの個人輸入で、新しいフィラープラグと取付ボルト13本込みで3,544円(送料込み)であった(PN:24118612901)。純正部品が6万円、OEM部品でも2万円ほとすることを考えるとメッチャ安いけど、大丈夫か・・・?(笑)
新しいオイルパンを取り付けるときは、図1のようにボルトを締める順序が決まっている。
図1 ボルトを締める順序取り付け時に間違わないように、写真13のように図をオイルパンの底に貼っておき、この図を見ながらボルトを締めていく。
写真13 図を貼ったオイルパンちなみに、今回はアルミではなくスチールのボルトが付いてきたので、10Nmのトルクで締め付ける。写真14に新しいオイルパンを取り付けたところを示す。
写真14 新しいオイルパンを取り付けたところさて、これから新しいATFを入れていくのだが、まず写真15のように手動ポンプをATFの入った2リットルのペットボトルに取り付ける。
写真15 手動ポンプを取り付けたところそして、ポンプの先は、写真16のようにフィラープラグを外した穴に入れる。
写真16 ポンプの先そして、ポンプの頭を何度も押すとATFがAT内に入っていく。2リットルのATFを入れようとすると100回以上ポンプを押さないといけないが、2分ほどで2リットルのATFを入れることができる。これは意外と使えるな。
後は、このレポートと同様に何度もATFを入れてはドレインから抜くことを繰り返して、ATFの交換率を上げていく。ちなみに、ドレインからATFを抜いたときは3.5〜3.8リットルほど抜ける。オイルパンも外すと4.2リットルほど抜ける。また、DD3号(F25)のATはZFのGA8HP45Zで、ATF容量は8.5リットルである。だから、今回はおよそ94.4%ぐらいのATFが新しくなったことになる(1-4.3×4.9^4/8.5^5 = 0.944)。写真17にATF交換後のオイルパンを示す。
写真17 ATF交換後のオイルパン最後にフィラープラグを締めるときは購入したオイルパンに付いてきた新しいフィラープラグを使うようにしよう。その後、アンダーカバーを取り付けて、車をウマから降ろせば作業完了だ。写真18にATF交換後のDD3号を示す。
写真18 ATF交換後のDD3号まぁ、外観はなにも変わっていないが・・・。
なお、ATFの交換作業では、気を付けていても手や工具にATFが付着してしまう。手は洗剤で洗えばいいのだが、工具類はちょっと厄介だ。そこで工具等に付いたATFを落とすために、今回は写真19に示すカインズの水抜剤と空のスプレーボトルを用意した。
写真19 カインズの水抜剤と空のスプレーボトルこの水抜剤をスプレーボトルに入れ、ATFの付いた工具類に吹きかけてペーパータオル等で拭けば簡単にATFが落ちる。というのは、写真20に示すようにカインズの水抜剤の中身がイソプロピルアルコール(IPA)だからだ。
写真20 水抜剤の成分300mlのボトルが184円(税込み)で売っているので、ちょっとしたオイル落としや塗装時の脱脂に便利だ。
現在の走行距離: 104,223km
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。