2022年8月6日(土)

DD2号 セキュリティの誤作動 − 原因の探索

最近、DD2号のセキュリティが誤作動することがある。車を降りてリモコンでロックした後、何も起きていないのにアラーム音が鳴り響くのだ。いわゆるFalse Alarmというヤツである。このFalse Alarmが起きるときと起きないときがあるのでいろいろ試してみると、どうやらリモコンのロックキーを長押ししてドアミラーを畳んだ後、十数秒するとアラーム音が鳴るようだ。単にリモコンのロックキーを短く押してロックしただけでは、アラーム音は鳴らない。どうして?

E63のセキュリティアラームは、DWAというユニットが制御しているので、まずは車両にPCを接続してそこにエラーがないかどうかを調べてみることにした。いつものようにINPAを接続し、図1のようにユニット選択画面で「Alarm System E63/E64」を選択する。


図1 ユニット選択画面

そして、DWAユニットのエラーメモリの中を見ると、図2のようにエラーが記憶されていた。


図2 エラーの内容

エラーの内容は、「9D00 Fault in DWABUS」というものだ。何それ? とりあえず、TISでE63のセキュリティアラームの回路を調べてみると、おおよそ図3のようになっていることがわかった。


図3 Alarm System回路の概要

それぞれの番号に対応するユニットは表1の通りである。

表1 Alarm System関連ユニット

図3を見ると、SINE(DWA)はK-CANに接続されており、ロック中に左右のドア、トランク、ボンネット等を監視しているようだ。その他に、別のDWA専用のSub-busがあり、それはMicrowave sensorに接続されているようだ。DWAに記録されていた「9D00 Fault in DWABUS」というエラーは、このSub-busが関係しているのかもしれない。

図3によると、Sub-busは1本のバスラインで、4つのMicrowave sensorに接続されている。これらのMicrowave sensorがどこにあるかというと、図4の場所にあるようだ。


図4 Microwave sensorの位置

フロント側はドアの内張りの中、リア側はBピラーの内張りの中あたりにありそうだ。これらのMicrowave sensorが不良なのか、Sub-busが不良なのか、コネクタの接触不良なのか・・・、いくつか原因が考えられそうだ。近いうちに、フロントドアの内張りを外してMicrowave sensorを確認しよう。



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