2021年12月18日(土)

トランクアーム配線の修理 − medama1goさんより

またまた、E34乗りのmedama1goさんより、メンテレポートをいただいた。今回はトランクアームの配線修理だ。


E34な皆様、間もなく年の瀬ですが風邪などお召しになっておられませんでしょうか? medama1goです。

さて、ずいぶん前からなんですが、ブレーキライトの警告が出るようになってきました。それも1灯だけ切れてるってヤツ(苦笑。で、警告が出るたびに家内に後ろに回ってもらったり、ブレーキ踏んでもらったりしてみるんですが、これが出ない。で、また忘れたころに「ポーン」と来るんですね。

一応電球も変えてみたんですが、効果なし。まぁそんなこんなで、とある機会にトランクアームのところの配線をチェックしたら、「あっ」ってなことで、関係あるかどうかはさておき、見てしまったものはしょうがないので直すことにしました。まずはどんな具合って、こんな具合です。

無事なのもいますが、だいぶヤバいのがいますね(苦笑。ただ、断線までは至っていないのが不幸中の幸いでしょうか? さて、どうやって直そうか思案していたところ、近所のドン・キホーテにうってつけのアイテムが置いてあるのを発見。それがこちら

みんな大好きエーモンから発売されている、「圧着接続端子」。普通の圧着端子と何が違うかと言えば、単につなぐだけの能しかないってことですね。まぁ中を見れば一目瞭然。

これ、業界では「バトコン」とか「バットコン」又は「Bスリーブ」と呼ばれる部品です。多分、英語の名称が「Butt Connector」なんでしょうね。バットコネクターでバットコン。まぁそんなところなんでしょう。お尻同士つなぐからバットコネクタ?(苦笑

それは置いといて、中に入っていたこのコネクタ、よく見るとJISマークと一緒にJSTの刻印入り。しかも1.25との刻印も。このJSTってのも電気工事回りではおなじみのメーカー。お知り合いに電気工事やその類の業者さんがおいででしたら、「1.25のバットコン(Bスリーブ)ちょーだい」って言うと、格安で入手できるかと思います。ネットの電材屋さんとかでも扱っていますが、入数100個とかなので、共同購入すると良いでしょう。それに内径が3.5mmの熱収縮チューブをイイ感じの長さに切ったものが、同数セットで梱包されています。

では作業に入りましょう。こちらの記事をスマホでチラ見しながら... まずはトランクアームからカバーを外します。

そうしたら、トランク内で仰向けに寝転がって巻いてあるテープをほどいていきます。

この時に、先に適当な所にあらかじめビニールテープを巻いておいて、ほどけ止めをしておくとよいでしょう。そうしたら、傷んでいる配線と無事な配線を分けて、無事な配線の方を束ねておきましょう。被覆が破れている配線を破れている個所でカットします。

同梱のチューブを通して先端を6mmほど剥きます。圧着するコネクタの真ん中あたりに窪みがありますので、目安としてはその窪みに芯線の先端が当たって止まるくらいの長さを剥きます。剥いたらコネクタに差し込んで圧着。

今度は反対側の線も同様に剥いて同じコネクタの反対側の穴へ差し込んで圧着。軽く引っ張って抜けないことを確認したら、チューブをスライドしてコネクタの上にかぶせます。

傷んだ配線をすべて加工したら、ポケットトーチなどでチューブをあぶり収縮させます。

ギボシと違ってつけたり外したりはできませんが、その分スリムに仕上がります。

あとは上からハーネステープで巻いてまとめれば出来上がり。

ですが、ここでふと考えました。なんで全部同じところで切れるんだろ?

トランクに頭を突っ込んでケーブル部分を注視しながら、トランクの蓋を上げたり下げたり。個々の前後は固定されているのに、この部分だけはフリーになっているため、どうしても曲げ応力がここに集中してしまうような感じに見えます。

ならば補強をしてやればいいのか? やってみましょう(爆

そんなたいそうなことじゃないです。スパイラルチューブを巻いてみました。

これで多少は、ケーブルにかかるストレスが減らされるのではないかと思います。あとは元通りにカバー等を戻して終わり。

あ、スパイラルを巻く場合は、このカバーのエンド部分、若干ラッパ状になった部分から少し内に入ったあたりまでで止めておかないとカバーが付かないかもしれません。全部同じ場所でつないだので、スパイラルを巻くと接続部分がモッコリして若干目立ちますね。テープだけで仕上げるならば、そんなに目立たないはずです。

で、肝心のブレーキライトのエラーは... まだそんなに走っていないので、わかりません(爆

なお、上記のバットコンには、今回使用した無絶縁の物と絶縁スリーブに入っており、スリーブの上から圧着する絶縁タイプとがあります。絶縁タイプの方が手間が無いように思いますが、仕上がり外径が若干太いのと本式には専用の圧着工具が必要になりますので、お手元にそれ用の工具が無い場合はお勧めしません。合わない工具で無理に圧着すると外側の絶縁スリーブが破れてしまいます。お気を付けください。ちなみに今回使用したセットに入っているものはJSTから出ているB1.25という型番の物のようです。


DDが修理したときには、1本ずつ代替の配線に取り換えてハンダ付けしていたので、かなり無理な体制で時間がかかったが、バットコンを使えば簡単に接続できそうだ。スパイラルチューブはダイソー等でも売っているので、これも付けておくといいだろう。末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただくmedama1goさんに感謝する。



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