2021年9月4日(土)

プラスチック部品の修理 その2 − medama1goさんより

前回 に引き続き、E34乗りのmedama1goさんより、プラスチック部品の修理のレポート第2弾をいただいたので紹介しよう。


続いて失礼、E34なみなさま、medama1goです。前回、プラ部品の補修についてレポートしましたが、、、

お分かりかと思いますが、、、実はあの方法は力のかかる場所には向きません。接着する場所と瞬間接着剤の硬さがあまりにも違うため、それなりに大きな力が掛かると瞬間接着剤がはがれてしまいます。

では、力のかかる部品はどうするか? 様々な方法がありますが、お手軽な方法で一つ試してみました。今回はこちら。

ECUやABSモジュールの部分にある配線のカバーですね。御覧の通り、割れています。

これも以前に瞬間接着剤で接着したのですが、前途の素材の違いか、はたまた排気系の真上になるために依る熱の所為か、カペカペになって剥がれてしまいました。これを今度は取れないように付けてみたいと思います。もちろん、安価に(爆

まずは表面のゴミや汚れをスクレーパーなどで掃除しておきます。

そんなにめちゃくちゃ奇麗にする必要は無いですが、まぁアルコールで表面を拭くくらいはしておいても良いかもしれません。

さて、いきなり本題ですが、登場するのはこれ。

少々ピンボケではありますが、半田吸い取り線です(爆) 最近、整備ツール販売店なんかで、樹脂部品の溶接ツールとか売っているんですけど、安くないんですよね(苦笑) 怪しい中華製の物なら3漱石程で出ているんですが、それしかできないものにお金を払うのももったいなくないですか!?<お前だけだ(-_-;)

あとはステンレスメッシュを埋め込む等の方法がありますが、買いに行くのが面倒くさい...(爆)で、どこのご家庭にもある半田吸い取り線にご登場願った次第であります。

またまたブレブレ写真で申し訳ありませんが、このようにはんだごてで母材へ溶かし込んでいきます。

まずは両端部を溶け込ませておいて、長さで切ってしまうと良いでしょう。吸い取り線の上からはんだごてで加熱していると、吸い取り線の網目から母材のプラスチックが染み出てきますので、そこそこ埋まるまではんだごてで押さえていきます。

どうしても端が浮いてしまうようならば、ドライバーなどで押さえてやるとうまく行きます。こんな感じで大体付いたら、同じような素材の端切れを同じくはんだごてで溶かして盛り付けていきます。

こんな感じ。本当は同じ材質が良いと思いますが、樹脂素材の判別は書いてない限り難しいので、いくつかの樹脂で試してみると良いでしょう。今回はたまたま手元にあったE36の内装部品から切り出して使ってみました。

青く見えるところは、一度プラスチックハンガーを溶かして使用してみた名残です。結果は溶け込みが甘く、爪でひっかいたら全部とれてしまったので、E36の部品でやり直した次第です。手前のクレーターみたいな跡は、他の樹脂で試した名残り。やはりBMW純正部品の樹脂が一番合うのかもしれません。

上手く行くとこうなります。

結構な力を加えて捻っていますが、割れた口が開く気配は全くありません。この時点ではまだ表面にクラックの跡が残っていますが、ここまで裏打ち補強がしてあれば、前回の瞬着補修も使えるようになります。

なお、この補修で使う吸い取り線ですが、新品である必要はありません。はんだがしみ込んだ吸い取り線でも十分使えますので、使用後の吸い取り線は缶などで保管して置くと良いかもしれません(爆

あとは、普通は接着できないと言われるPP(ポリプロピレン)素材にも使えます。細い銅線ですが編組となっており、引張りにはそれなりに耐えると思いますので、バンパーなどの補修にも有効かと思います。ただし、補強用の樹脂はPP必須かと思われますので、その点はご注意ください。一部の情報によりますと、PP樹脂は例のチューニングショップ「DAISO」で
「プラスチックハンガー」という商品名で売られているらしいですが、当方では未確認です(笑

それ以外の樹脂の場合なら、他の似たような金属メッシュでも代用可能だと思いますので、興味のある方はお試しくださいm(__)m


これはちょっと難しいかもしれない。不器用なDDがやるとプラスチックに穴を空けてしまいそうだ。でも、機会があれば一度チャレンジしてみたいところだ。末尾ではあるが、いつも有用なメンテレポートを送っていただくmedama1goさんに感謝する。



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