2019年9月14日(土)

DD2号  燃料ポンプの交換    − SKV製

DD2号のエアフロセンサーを交換してみたが、一向にエンジンの調子が復活しない。普通に走る分にはそんなに問題ないのだが、やはり気持ち悪い。エアフロセンサーでなけば、次に考えられるのは燃料系だな。そんなわけで、まずは燃料ポンプから交換してみることにした。ここが原因でなくても、DD2号は10万キロを超えているので、そろそろ交換しないといけない部品だ。

E63の燃料ポンプはE60と同様にリアシートの下にある。ただ、ドライブシャフトをタンクの真ん中に通すために、タンクの真ん中が浅くなったような左右二つの鞍型(くらがた)になっている。そのため、リアシートの下には二つのサービスホールが付いている。まずは、サービスホールにアクセスするため写真1のリアシートの座面を外そう。


写真1 リアシート

この赤矢印のところを上に引き上げるクリップが外れて、写真2のようにリアシートの座面を外すことができる。


写真2 リアシート座面を浮かせたところ

まずは、右側のシート下から。右側には燃料ポンプがあるので配線が来ている。この配線が作業の邪魔なので、写真3の赤矢印の配線留めを外す。


写真3 配線留め

配線留めは写真4のように内装剥がしで簡単に外れる。


写真4 配線留めを外しているところ

その後、薄いマットをめくると、写真5のようにサービスホールの蓋が見える。この蓋は4つの10mmのナットで固定されているので、それらを外す。蓋には薄いガスケットが付いているので、これも外しておく。


写真5 ナットを外しているところ

蓋を外すと、写真6のようにコネクタが見える。このコネクタは、写真6に示す赤矢印の方向にスライドさせてから引き抜く。結構固いがコネクタを十分にスライドさせてから慎重に引き抜こう。


写真6 コネクタの外し方

写真7にコネクタを外したところを示す。


写真7 コネクタを外したところ

このコネクタを外すと燃料ポンプが動かない。この状態でエンジンをかけるとすぐにエンジンが止まるが、これで燃料ホース内の圧力が抜ける。

さて、ここからは写真8に示す左側シート下の作業だ。


写真8 左側のシート下

右側と同じように、薄いマットを1枚捲ると写真9のようなサービスホールの蓋が見える。これも4つの10mmのナットで固定されているので、それらを外す。


写真9 左側のサービスホールの蓋を外しているところ

写真10に蓋を外したところを示す。


写真10 サービスホールの蓋を外したところ

燃料ホースがコネクタでつながっているのが見えるが、右側の燃料ポンプにより吸い出した燃料は、この左側のホースからエンジンに供給される。このコネクタを外すときには、写真11の赤矢印で示す左右両側のクリップを押し込んで上に抜けばいい。


写真11 コネクタの外し方

もし燃圧が残っていたら、コネクタを外した途端にガソリンが漏れてくるので、写真12のようにコネクタ周りにウェスを敷き詰めておいた方がいい。


写真12 ウェスを敷き詰めて抜いたコネクタ

コネクタが抜けたら、写真13のようにホースごと横においておこう。


写真13 抜けたコネクタ

このサービスホールには、写真13のようにリング状のスクリューキャップがあり、これを反時計回りに回せば外せる。しかし、これを回すためには専用工具が必要だ。もちろんDDは専用工具なんかを持ってるわけはないので、写真14に示す金属棒とゴムハンマーを使う。


写真14 金属棒とゴムハンマー

この金属棒は、フロントホイールを取り付けるときに使うガイドロッドだ。写真15のように、このガイドロッドをスクリューキャップ外周の出っ張りに当ててゴムハンマーでたたいて徐々に緩めていく。


写真15 スクリューキャップを緩めているところ

最初はなかなか回らないが、いろんな出っ張りを叩いていくと、少し回るところがあるはずだ。その部分を中心に何度も叩くと、徐々にスクリューキャップが回っていく。十分緩んだら、最後に手で回して写真16のようにスクリューキャップを外す。


写真16 スクリューキャップを外したところ

スクリューキャップを外したら、写真17のように燃料フィルターユニットを上に抜く。


写真17 燃料フィルターユニットを上に抜いているところ

ガソリンに注意しながらユニットをゆっくり引き抜こう。引き抜いたら、写真18に示すホースコネクタを外す。上下にクリップがあるので、それを押し込めば抜くことができる。


写真18 ホースコネクタ

このホースコネクタを抜くと、ユニット内に残っているガソリンが外に出てくる。出てくるガソリンは燃料タンクに戻しておこう。次に、写真19にあるボタンを押し込めば左右のタンクをつなぐホースのコネクタを外すことができる。


写真19 コネクタを外すボタン

コネクタは写真20の白い部分で、左側にスライドさせて抜く。


写真20 外すコネクタ

最後に写真21の赤矢印で示す配線のコネクタを外せばいい。


写真21 配線のコネクタ

写真22に示す配線とホースはタンクの中に戻すのだが、これらは右側の燃料ポンプユニットに接続されている。


写真22 配線とホース

すなわち、右側の燃料ポンプユニットを交換するときには、配線とホースも交換することになり、それらを左側の燃料タンクまで通してこないといけない。そこで、写真23のように紐で縛っておく。


写真23 紐で縛った配線とホース

さて、次は右側に戻っての作業だ。まずは、写真24のようにサービスホールのスクリューキャップを緩める。


写真24 右側のスクリューキャップを緩めているところ

写真25にスクリューキャップを外したところを示す。


写真25 スクリューキャップを外したところ

スクリューキャップが外れたら、燃料ポンプユニットを交換する。写真26に新しく購入した燃料ポンプを示す。これはSKV GERMANY製で、価格は14,471円であった(送料込み)。


写真26 新しい燃料ポンプユニット

燃料ポンプユニットをタンクから取り出すと、ユニットの中にガソリンが残ったままになる。そのガソリンは、写真27の矢印の部分から外に出すが、室内にこぼさないように大きめの容器を用意しておこう。


写真27 ガソリンを出すところ

燃料ポンプユニットを取り出す時は、写真28のように手袋を着けて慎重にゆっくり取り出すようにする。


写真28 燃料ポンプユニットを取り出しているところ

ユニットを取り出すと、写真29のようにユニットの中にガソリンが残っているのがわかる。


写真29 残っているガソリン

このガソリンは、写真30のように大きな容器に移してから燃料タンクに戻しておく。


写真30 ガソリンを容器に移しているところ

写真31に取り出した古い燃料ポンプユニットを示す。配線とホースの端には、左側の燃料フィルターユニットを外した時に結び付けた紐が付いている。


写真31 取り出した燃料ポンプユニット

そして、新しい燃料ポンプユニットの配線とホースにこの紐を結び直して、写真32のように右側のサービスホールから慎重に入れる。特に、油面を測るセンサーの浮きが入れにくいので注意しよう。


写真32 新しい燃料ポンプユニットを入れたところ

左側のサービスホールの紐を引っ張ると、写真33のように、燃料ポンプユニットの配線とホースが左側のサービスホールから出てくる。


写真33 サービスホールから出てきた配線とホース

これを元通りに燃料フィルターユニットに接続してから、燃料フィルターユニットをサービスホールに入れればいいのだが、その前に写真34に示すOリングを新品に交換しておこう。これは新しい燃料ポンプユニットに付属していたもので、左右のサービスホール用に一つずつあるはずだ。


写真34 サービスホールのOリング

Oリングを新しくしたら、写真35のように慎重に燃料フィルターユニットをタンクに入れていく。


写真35 燃料フィルターユニットを入れているところ

燃料フィルターユニットを入れるときには、写真36のように、ユニットの蓋の部分の出っ張りと外周のプラスチックリングの切り欠きが一致するように方向を調整してからスクリューキャップを取り付ける。燃料ホースのコネクタも元に戻しておこう。


写真36 ユニットの蓋の部分の出っ張り

一方、右側の燃料ポンプユニットも同様にしてタンクの中に入れて、、写真37のようにスクリューキャップを取り付ける。


写真37 右側のサービスホールのスクリューキャップを取り付けたところ

燃料ポンプユニットの蓋のところに写真38のコネクタを取り付ける。


写真38 燃料ポンプユニットのコネクタ

このコネクタを取り付けるときは、写真39のようにコネクタの黒い部分を一旦左にスライドさせておき、燃料ポンプユニットに差し込んでから、スライドを戻せばきちんと接続できる。


写真39 コネクタをスライドさせたところ

後はサービスホールの蓋とリアシート座面を元に戻せば交換作業完了だ。この作業はサービスホールのスクリューキャップさえ外せれば簡単だが、これに少々時間がかかってしまう。

なお、燃料ポンプ交換後に少し走ってみたが、残念ながら症状は改善されていなかった。う〜ん・・・。次はあれかな?



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