2015年9月23日(水)

DD2号 ホイールアライメント調整 − その1 レーザー水準器で

先日、車高調を入れたDD2号だが、車高を調整したためホイールアライメントを調整する必要がある。ホイールアライメント調整は、専用の機械にかけて調整してもらうと、おおよそ25,000円ほどかかるようだ。ちょっと高いなぁ・・・。

ホイールアライメントは、要するにホイールが車の中心面に対してどれぐらいの角度に傾いて付いているかを表しており、それを規定内に調整すればよい。E63の場合は、フロント側はトー角と若干のキャンバー角が調整可能である。同様にリア側もキャンバーとトーが調整可能なようだ。なお、E63の整備書を見てみると、それぞれ規定値は以下のようになっている。

フロント  キャンバー  -12' ± 20' 
トー 0°10' ± 10'
リア キャンバー -2°± 20'
トー 0°18' ± 10'

問題はこの角度をどのように測定するかということだ。インターネット上の情報をいろいろ調べてみると、自分でアライメントを測定・調整をしている人がいる。糸を使って角度を測定するのがオーソドックスな方法のようだが、かなり面倒そうだ。一方、レーザー墨出し器を使っている人もいる。これは簡単そうだが、そもそもレーザー墨出し器が高価である。でも、インターネットオークションサイトを見てみると、中古品なら比較的安く手に入れることができそうだ。

というわけで、オークションでポチッと手に入れたレーザー墨出し器を写真1に示す。メーカーはタジマのものだ。


写真1 レーザー墨出し器

送料込みで6,070円だった。まぁまぁの値段かな? このレーザー墨出し器は、水平線、垂直線のレーザーを照射することができる優れものだ。

ホイールアライメントは車を水平面に置いて測定することが鉄則だが、DD家の駐車場は水平ではない。そこで、まずレーザー墨出し器を使って駐車場の傾きを測定し、それを補正するようにブロックを置いてその上に車のタイヤを置くことで水平面を作ることにする。細かい調整は雑誌や新聞紙等をブロックとタイヤの間に挟めばいいだろう。

まずは、写真2、写真3のように車を置く予定の一番高いと思われる場所にレーザー墨出し器を置く。


写真2 レーザー墨出し器を置いたところ(拡大)


写真3 レーザー墨出し器を置いたところ(全体)

このレーザー墨出し器からは水平面のレーザーが照射されるので、4つのタイヤが置かれる想定位置の地面とレーザー水平面との距離を写真4のようにして測る。


写真4 レーザー水平面と地面との距離を測っているところ

DD家の駐車場は、後輪に比べ前輪が7cmほど下がっており、さらに右輪は左輪に比べて1cmほど下がっていることがわかった。そこで、写真5のように12cm厚のブロック4つと8cm厚のブロック2つを用意した。近所のホームセンターで、計751円であった(税込)。


写真5 用意したブロック

写真6のように、後輪は12cmのブロックの上に、前輪は12cmのブロックの上に8cmのブロックを積んで、その上に乗せた。


写真6 ブロックの上にDD2号を乗せたところ

これでおおよそ車が水平になったわけだが、ホイールアライメントを測定するためには、4輪を正確に水平面に置かなくてはならない。そのため、裏面がシール状になっている紙を使って写真7のような小さなメジャー状の紙を作った。


写真7 小さなメジャー

これを写真8のように各タイヤの内側の下に貼り付ける。


写真8 タイヤの内側の下に貼り付けたところ

そして、写真9のように車の後ろ側の地面にレーザー墨出し器を置く。


写真9 車の後ろにレーザー墨出し器を置いたところ

すると、各タイヤの内側に水平面のレーザーが当たることになるので、写真10のようにしてその位置を測ると、各タイヤの上下関係がわかる。


写真10 タイヤの高さを測っているところ

写真10では、レーザー光が見やすいように白い紙を置いているが、写真に撮ると良く見えないなぁ・・・。

ここで計測した各タイヤの上下関係を基にして、写真11、写真12のように新聞紙や雑誌を積んで各タイヤの高さを調整し、すべてのタイヤが同じ水平面上に置かれるようにする。


写真11 新聞紙で高さを調整しているところ(右前タイヤ)


写真12 新聞紙で高さを調整しているところ(左後タイヤ)

これで各タイヤが水平面上におかれたことになる。アライメント測定の準備は整った。測定で用意したのは、長さ2mで断面が「コ」の字型アルミの棒2本だ。近所のホームセンターで540円/本で買ってきた。その棒の中心を車の中心に一致するようにして、写真13のように前バンパーの上に養生テープで貼り付ける。


写真13 アルミ棒をフロントバンパーに貼り付けたところ

同様にして、写真14のようにリアバンパーにも貼り付けた。


写真14 アルミ棒をリアバンパーに貼り付けたところ

さて、ここで再びレーザー墨出し器の出番だ。レーザー墨出し器はレーザーの鉛直線も出せるので、写真15のように前後のアルミ棒の同じ位置を鉛直線が通るようにレーザー墨出し器の位置と照射角度を調整する。


写真15 レーザー墨出し器の調整

これで車両の中心面と平行なレーザー面がタイヤのすぐ外側にできたことになる。そして、写真16のようにして、ホイールの中心、上、下、前、後の部分とレーザー面との距離を測定する。


写真16 ホイールの各部分とレーザー面との距離の測定

これを左右について実施し、4輪すべてのホイールの各部分とレーザー面との距離を計測する。計測結果を図1に示す。


図1 計測結果

図1には計測結果からキャンバーやトーを計算した結果も示している。ただし、フロントは左右のホイールのトーの合計値を右前輪に示している。フロントはハンドルを曲げると左右のホイールが曲がるため、その合計値で評価する必要があるからだ。また、計算したキャンバーやトーが基準値に入っておらず調整が必要なものを赤字で示している。

これを見ると、フロント、リア共にキャンバーが基準に入っておらず、トーは基準に入っている。そこで、まずはフロントのキャンバーを調整する。フロントのキャンバーはほとんど調整することができないが、写真17のようにフロントストラットの上の3つのナットを緩めて、写真18のように少しストラットを外側にずらしてやれば、キャンバーがポジティブ側に修正できる。


写真17 ナットを緩めているところ


写真18 ストラットを外側にずらしたところ

計算では、右側が3.5mm、左側が7mmほどずらせばキャンバーは基準内に入ることになる。

一方、リア側のキャンバーは、写真19のナットを一旦緩めてから5Nmで軽く締め付け、反対側の偏心ボルトを回せば調整できるらしい。


写真19 リアキャンバーの調整のナット

計算では、左右とも4mmほど動かせばいいようだが、このナットが緩まない。規定トルクは165Nmなので、かなり固く締まっているようだ。今回は、タイヤを12cmのブロックの上に置いただけなので、あまり高く持ち上げておらず、そのため有効な工具も入らない。この部分の調整は別の機会にしよう。

それともう一つ気になることがある。左側のフロントホイールの中心とレーザー面との距離は129.0mm、左側のリアホイールの中心とレーザー面との距離は112.5mmである。その差は16.5mmだ。この差が生まれる原因は、前後のタイヤトレッドの差である。E63はフロントトレッド幅が1560mm、リアトレッド幅が1595mmだ。そのため、前後で35mmの差があることになる。左右の片側にすると17.5mmの差だ。1mmほどの誤差はあるが、適切に計測できていそうだ。

一方、右側のフロントホイールの中心とレーザー面との距離は125.0mm、右側のリアホイールの中心とレーザー面との距離は120.0mmである。その差は5.0mmだ。どうして? ここも17.5mmの差ができるはずではないのか? う〜ん・・・・?

その2に続く。



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