2014年3月15日(土)

天井の貼り替え 第1章 − siegrさんより

今回はsiegrさんより、天井の貼り替えレポートの第1章をいただいたので紹介しよう。 皆さんの愛車の天井は大丈夫だろうか?


【はじめに】

天井の張替えをしたのでリポートをする。同時に黒への色変えを行ったのでその作業も同時に報告する。

【結論】

思いのほか簡単な作業であったが、ミスと思える部分やもう一度やれば上手にやれる部分もあった。天井の生地とベースの間にスポンジが挟まれているが、これが劣化して生地の剥がれを生じている。また、この劣化スポンジが嫌な臭いを発していることは意外に知られていない。私の34では、タバコ臭のような臭いがなかなか消えなかったが、天井貼り替え後はほとんど気にならない程度に改善された。黒の天井とピラーの内張りは好みの分かれるところであるが、私的には成功と言える。

【作業と内容】

天井が剥がれているのは現車を購入した時に知っていたが、補修を考えつつ 「綺麗にやらないと車が台無しになるな・・・」 と二の足を踏んだまま10年が過ぎていた。光陰矢のごとしである。

福井の廃車業者さんで、E34 540の天井を見つけて購入・交換したが、一ヶ月くらいで剥がれてひどく落胆したのも二の足の原因になっていた。しかし、放置していても事態は悪化するのみで改善される訳ではない。そんなある日に発見した内装業者さんのHPが私のやる気を刺激してくれた。

有限会社 カスタマイジング (東北運輸局認証工場) 〒984-0002 宮城県仙台市若林区卸町
東3丁目3-31 TEL:022-390-9201 FAX:022-390-9202 mail:pws@ps-lahaina.co.jp

復興中の宮城県の業者さんであることも刺激の要因であるが、我々のようなDIY派に惜しげもなく情報を公開し、資材もリーズナブルに販売しており好感を持てた URL http://www.custo.jp/

まず、オリジナルの生地を引っぺがす。何の苦労も無いが、劣化スポンジが臭いを発するのと、粉状になってポロポロ落ちるので、作業はできるだけ屋外で風の無い日を選んで行いたい。横に燃えるゴミ袋の大を用意しておくのは家族の為にもお約束である。

劣化スポンジを剥がす。一般的には固めのブラシを使って・・・と言われているが、私の場合はナイフでこそぐ様にしたほうが効率的であった、百均で売っている食器のナイフ (ナイフとフォークのナイフ)でも良いかと思われる。私は側にお古の掃除機 (紙パックの車用) を置いて速攻で吸いながら作業を行った。ベースの綺麗な白い面が出てくるのでこれを確認しながら作業した。

前出の業者さんのアドバイスに従って、ベースに接着剤の捨て吹きを行う。気温の低い日(20度以下)は缶を暖めてやったほうが作業しやすい。この捨て吹きは、接着剤の膜を一枚作る目的なので、スプレー缶の4分の1程度を全面に吹けば十分。この後しっかり乾燥させることが重要なポイントで、この作業がしっかり出来ていれば今後の作業も楽になる。

接着剤はこれ・・・コニシボンドZ3 乾燥すると無臭、接着力も強力で値段も手ごろ(定価2,000円 業者さんでは1,500円 ホームセンターでも購入可能) 

捨て吹きは、貼り付ける生地の裏面にも行う。

購入した生地は、この(墨黒ブラック)真っ黒ではなく、若干のグレー味を含む。生地はニット系でよく伸びる。裏面には3mm厚のスポンジがラミネートされている。スポンジはベースの凹凸をある程度吸収する為にも必要で、業者さん曰く 「この生地の作業性は良好」 とのこと。オークション等にも生地の出品は見られたが、スポンジが5mmだったり、価格が割高だったり・・・。ちなみに私の購入価格は生地がメーター5,000円。幅は1.5mあるので、ピラーやサンルーフ、リアトレーなどの分も込みで3mを購入。接着剤はメーター当たり1本とのことで1,500円の3本・・・、計19,500円。これに送料が2,000円で21,500円の総額。

ベースの中央付近に接着剤をさっと吹いて5分〜10分間をおいたら、裁断と捨て吹き済みの生地を慎重に乗せる。まず、中央の位置決めを行う。くれぐれも中央のみにさっと吹く。この時に他の部分が絶対にひっつかないように、捨て吹きは完全に乾かしておくことが肝心。中央の接着が不十分なまま周りが接着されると、修正不能で完全やり直しで大事になる。また、このとき、捨て吹きが生きて十分な接着力を発揮する。

中央の接着がしっかりできたら、周りを少しづづ貼り進んで行く。アシストグリップなどの凹凸の大きい部分は、際の部分までの平板な部分を綺麗に貼っておくことが肝心。ここでシワが出来ていると修正は難しい。

Z3接着剤の威力も相当なもので、いったん貼ったらまず修正は出来ないと思って間違いない。スプレーの前にシュミレーションしておくと失敗を減らせると思う。大きく凹んだ部分はスプレー後の放置時間を十分において、一発で決める覚悟で貼る。ふちの部分からシワを伸ばしながら張り込むが、押さえる手に新しい軍手をはめて作業すると作業性が良い。貼るときのテンションから押さえ込んでも剥がれてきそうに思えるが、その心配は無用、ここでも捨て吹きが効果を発揮する。

サンルーフ部分はふちまで貼っておく。ここまでしっかり貼れたら裏返すが、下敷きは完全に綺麗なものを使用する。もし・・・、イフ・・・、ひょっとして・・・、表面に接着剤などひっついたら悲惨な結果になるであろう。

サンルーフ部分は、余分を切り抜いたらその生地をサンルーフのモーターカバーに使うので、その分の面積を確保して切り出す。サンルーフ部分のふちは結構高さがあるので、コーナー部分の貼り込みはそれなりに難しい。切り込みを入れてテンションを逃がしながら貼るが・・・、私の失敗はストレートの部分を引っ張りながら貼ってしまったこと。結果、引っ張った数だけの波打ちが残ってしまった。パッと見はどうということはないが、ストレートのラインを斜めにすかしてみるとやはり波打っている。割と規則正しく引っ張ったようで、波も規則的なことが救いと言えるかも知れない。

コーナー部分にはこの生地を使ってもかなりのテンションが残っているので、転ばぬ先のなんとやらで、強めの接着剤で押さえておいた。今考えると・・・、まずサンルーフ部分の余分を切り出す前に接着剤を吹いておく。これはベースの折り返し部分にも吹いておくこと。次に、10分程放置して余分を切り出し、ストレート部分を出来るだけ引っ張りを加えずに貼りこんでしまう。コーナー部分は最低限の切り込みを入れながら貼りこんで、必要があれば追加の接着剤で押さえ込む・・・。っという手順が正解のように思う。

なんだかんだで、このような結果になった。凹凸が見て取れると思うが、これらは最初にしっかり手で押さえただけで特に重石を載せたり挟み込んだりはしていない・・・。恐るべしZ3接着剤である。

まずは、ここまでで第一章とさせていただく。これはあくまでsiegrの都合であり、管理人さんが殊更に引っ張ろうとしている訳ではない・・・っと言っておこう。第二章 「爪が全部無いやん・・・」 に御期待あれ。


このレポートをよく読むと、貼る際のノウハウが非常に細かく書かれている。同様の作業やってみたいという人は、実際に上記の作業をシミュレーションしてみて、siegrさんの記述がどのようなノウハウなのかを一つ一つ確認しておくといいだろう。

末尾ではあるが、非常に有用なレポートをいただいたsiegrさんに感謝する。第2章に続く・・・。



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