2009年3月30日(月)

パワステホース交換 − medama1goさんより

今回はメンテレポート常連のmedama1goさんより、パワステホース交換のレポートをいただいたので紹介しよう。


E34のお約束と言えば、各種液体の漏れですが(苦笑)、中でもエンジンオイルとパワステオイルの漏れは定番中の定番ではないでしょうか。

かく言う我が車両もご多分に漏れず(いや、漏れる物は漏れてんですが(^^ゞ)、パワステフルードにエンジンオイル、多分ATFも若干漏れていまして、さぁ、一体どこから手をつけるべきかと言うところなのですが、とりあえず手軽に手をつけられそうなパワステからやってみました。

漏れている場所はここ。

リザーバータンクからパワステポンプへの供給ラインが油でえらいことになっています。

カシメの所なんかはこの通り。

フルードが溜まっています(笑)。

あまりに汚れが酷いので、まずは掃除から。油の溜まっているところへ洗剤を吹き付けます。

浸かっているのは、どこの家庭にもある万能強力洗剤、マジックリンです(爆)。

たっぷりと吹き付けておいてから作業の段取り。工具や部品を用意しておきます。

その後、お湯で勢い良く流せば綺麗さっぱり。

掃除が終わったら、いよいよタンク内のフルードを抜きます。ホースをタンクへ突っ込んでサイフォンの原理で抜くのが簡単です。最初の吸出しは度胸一発で口で吸います(爆)。

リザーバーからは約100mlほどのフルードが抜けました。

今度は邪魔になるオルタネーターのダクトを撤去。ぽっかり開いた口には、油、水、ゴミなどが入らないように、ウエスを詰めておきましょう。

次に、ホースの中間をバイスグリップなどで締め込み、潰します。コレはホース内のオイルが出てくるのを防ぐため。

次に、タンク下のクランプを目一杯緩めて下へずらしておきます。ずらしても、型の付いたホースは絶対に抜けませんから大丈夫。

次にポンプにホースを固定しているバンジョーボルト(何でバンジョーなんでしょうね?)を22mmのレンチで外し、ホースを外します。

ここには、オイルラインを挟む形でワッシャーが2枚付いていますので気をつけてくださいね。あとで写真を出します。1枚しか無い場合は、どこかその辺に落ちているか、ポンプに貼り付いています。

ボルトを外したら、タンク下の差込みを抜くのですが、コレが大変。あまりに固いので、カッターで切開して外したほどです。

ホースを撤去したら、タンクの下へ受け容器をあてがいます。

そうしたらここでエンジンを始動。配管内のフルードをタンクへ戻し、ホースを外したところから容器へ落とします。

抜けた頃合を見計らって、エンジン停止、容器を外します。今回は全部で300ml弱が抜けました。

しっかし汚いなぁ、このフルード(自爆)

お約束の新旧比較です。

当然、上が旧で下が新。

目立つ劣化は無いように見られますが、ホースバンドの付近は完全に硬化している様子です。

こちらのクランプとバンジョーボルトは再使用しますので、パーツクリーナーで清掃します。

これが上で書いた2枚のワッシャー(ガスケットリング)。こんな風にフィッティングを挟む形で付いています。

で、これは銅製のワッシャーで、締めこむと型が付くため、再使用不可。これをばらしてから気づいたので、困ったことになりました。

仕方が無いので、外したワッシャーの両面を砥石で研磨して、再使用(爆)。

よいこのみんなはまねしないでね!

パーツクリーナーで取り付け部を掃除したら、今度は新品ホースを取り付け。ポンプ部のバンジョーボルトでホースが回る程度に仮止めします。

仮止めしたら、リザーバー側を半ば力技で差込み、クランプで固定。下のバンジョーボルトも規定トルクで締め付けます。

頭が22mmなら35Nm。締めすぎに注意してくださいね。上下とも締め終わったら、ATFをタンクへ投入します。勢いよく入れすぎて溢れない様に気をつけてくださいね(爆)。

満タンにして、エンジンを始動。あっという間に泡だらけになって液面が下がります。

本来なら、ジャッキアップしてエア抜きですが、今回は、駐車場でゆっくりと前後に動きながら左右目一杯にハンドルを切り、エア抜き。

異音が無くなり、手ごたえがスムーズになったらリザーバーの液量を点検。少なければ補充します。最後にもう一度、作業した周辺を洗浄して終了。

今回の購入部品です。

P/S HOSE 32-41-1-133-637-M20 $31.00

例によってペリカンパーツからの輸入です。

2時間ほどもあれば十分にできる内容です。ただ、M50エンジンや右ハンドルの場合は、パワステポンプ周辺に余裕が少ないようですので、少々状況的には厳しいかもしれません。

肝心の漏れは止まったか?と言うと、どうやらタンクへのリターンホースも漏れているようで、こちらも換えなくてはいけないようです。

まぁそれでも、漏れ箇所が半分になっただけでも良しとしましょう(爆)。
 


最初の「E34のお約束と言えば、各種液体の漏れですが」の部分が妙に納得してしまう。「オイルが漏れているのは、オイルが入っている証拠!」と言い切れるようになれば、E34上級者だろう(笑)。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただくmedama1goさんに感謝する。



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