2008年4月15日(火)

ATストレーナの交換 − medama1goさんより

メンテレポートの常連、DIYメンテのプロ(?)のmedama1goさんより、ATストレーナの交換レポートをいただいたので紹介しよう。


先日、某所で最高速チャレンジをやってから、どうもミッションの様子がおかしく感じるようになりました。

症状としては、

等が主な所です。

多分この状態でディーラーへ行くと、「ミッション載せ換え。50万コース。」って事になると思うのですが、何とかならないものかと調べてみると、この時期のZFミッションの不調は、ATFストレーナーの詰まりに拠る不調が大半、との情報が。

ならばやってみる価値はあるんじゃないか?と思い、挑戦することに。

先ずは車体をジャッキアップして馬掛け。

下へ潜ったままの作業になりますので、ある程度の高さを確保しておかないと、非常に辛い作業になります。

コレがZF 4HP-22ミッションのオイルパンにあるドレンボルト。

ちょうどオイルパン真ん中付近にヘソのように付いています。

このドレンボルトをヘックスレンチ(サイズは失念しました^^;)で外し、廃油受けへATFを落とします。

エンジンオイルの場合はドレンから、直接廃油処理箱等へ落としてもいいのですが、ATFは一応抜けたを管理するために、一度このようなパンへ落とします。特にレベルゲージのないATミッションでの交換は、計量必須です。

コレが抜けたATF

実は、この作業の10日ほど前に、一度ATFのみの交換をしているのですが、既にこの色。廃油受けの中もメタリック塗料のような金属粉がキラキラ光っています。

2Lのペットボトルを切った計量ボトルで測って、ざっと3.1L。ただ、この後もATFはポタポタと漏れてきますので、実際にはもっと沢山のATFが抜けたことになります。

ある程度落ち着いたところで、ドレンボルトの穴にペーパータオルなどで栓をして、レベルゲージの配管を外します。

コレが、滅茶苦茶硬く締めてあり、久しぶりにセットハンマーのお世話になりました。

配管を外したら、いよいよオイルパンを外します。周囲に6本あるボルトを10mmのレンチで外していきます。

てっきりオイルパンにフランジがつけてあり、そこへボルトが通してあるものだと思っていたら、なんと固定用のブラケットにボルトを通して、そのブラケットでパンを固定する構造でした。

こちらが外したオイルパン。

なんともすごい色になっています。上についているパッキンはゴム製なのですが、硬化してカチカチ。捨てようと曲げると、パキパキと音を立てて折れます。

真ん中辺りにあるのがドレン、その左側、縦に並んだイソギンチャクのような物体が、鉄粉捕獲用のマグネットです。拡大するとこんな様子。

なんともパンクな感じですね。思わず笑ってしまいました。

オイルパンを外した後は、垂れてくるATFと戦いながら、ストレーナーを外します。コレはAT本体にT27のトルクスで固定されていますので、あらかじめ用意しておいてください。

外したストレーナーがこちら。

左が旧いので、右が新品。旧いストレーナーの中にキラキラ光る鉄粉が見えるでしょうか?

ちなみに、吸い口を下にするとポタポタとATFが垂れてくるのに、上下を逆にすると垂れてきませんでした。 って事はそれだけ詰まっていたって事!?

大量のパーツクリーナーと洗剤にお湯を使い、オイルパンを洗浄。

何とか見れるようになりました。

再び下へ潜り、ストレーナーとオイルパンを取り付けます。

このとき、オイルパンの固定用ブラケットはつける場所で形状が違います。左右の真ん中辺りを固定するブラケットはどうやら同じもののようですので、ココを先にに固定すると、後が楽です。

取り付けた後はレベルゲージの配管を固定。本来は全て締め付けトルクが決まっていますので、トルク管理して締め付けるべきなのでしょうけど、私の持っているトルクレンチでは、最小値以下になってしまうため、テルクレンチで締め付け。(^^;

後は規定量まで新油を注入して終了です。

規定量が、マニュアルでは3.2Lになっているのですが、今回注入した量は、3.4L。コレでも温間時でレベルゲージの真ん中付近です。

ATFは下抜きでも全量交換は無理って言うのが定説ですが、だとするとこの交換量は一体なんでしょうね? よくわかりません。(^^;

 

さて、交換後のインプレですが...

シフトショックは以前よりはマシになったものの、やはり残っています。停止時の音についても、いくらかマシにはなりましたが、まだ完治というほどではないようです。

一方で、4速に入らなかった症状と、低速でのガクガクですが、こちらは見事に解消。盛大な滑りもなくなりました。まぁ、やらないよりはマシレベルですね。もっと状況が良いときであれば、完治したかもしれません。

本当はバルブボディの中も洗浄したかったのですが、さすがにそこまで外す勇気がなく、今回はココまででした。フラッシングを兼ねて、あと数回ATFを交換することで、バルブボディや、油路に溜まったスラッジ等が流れて復活してくれればと思っています。

今回発注したのはこちら。

Automatic Transmission Service Kit, 525i With M20 Engine, 1989-92, 535i 1989-92 Brand: Elring Klinger
P/N 09-2043-003-M30   $13.25

いつものペリカンパーツからの輸入です。

今回は自作の寝板が大活躍しましたが、コレがなかったらもっとしんどかったと思います。

あ〜、疲れた!


一部の症状は改善したみたいだが、残念ながら完治ではないようだ。

末尾ではあるが、いつも詳しいレポートをいただくmedama1goさんに感謝する。



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