2006年10月7日(土)

E39 エアコンコントロールパネルのメンテ − ミッチョさんより

今回は、ミッチョさんよりE39のエアコンコントロールパネルのメンテレポートをいただいたので紹介しよう。


E34のオートエアコンには、コントロールパネル内部に室内温度を測定する温度センサーがある。コントロールパネル後部には小型のブロアモーターがあり、スリット状の空気導入部分から室内気を温度センサーに導入している。

以前にこのブロアモータが故障したため、冬季にエンジン始動後はヒーターが効いていたが30分程で温風が出なくなるトラブルを経験した。コントロールパネル内部も冷えているうちはよいが、内部の温度上昇を温度センサーが拾ってしまい、室内の温度が高いと判断したために温風が出なくなったようだ。ブロアモーターを交換したところ症状が出なくなった。この修理の様子は「エアコンコントロールパネルの修理」でレポートしたとおりである。

E39はエンジンキーをACCにすると、エアコンコントロールパネル内部からモーターの回転音らしき音が聞こえる。E34同様、室内気導入のスリットもあるので、おそらく同じような仕組みであろう。このスリットに随分ほこりが溜まっているし(写真1)、モーターの回転音が少し気になるので、分解・掃除することにした。


写真1 内気取り入れ口にたまったほこり.

 

【コントロールパネルの取り外し】

コントロールパネルはコンソールにはめ込まれているだけなので、オーディオ・OBCを取り外して裏側から押し出すだけで外せる。

コントロールパネル下部のスイッチ類を抜き取って裏側に手を入れる方が簡単そうなので、今回は下側からアプローチした。

写真2〜5はその様子である。カップホルダーを外すと、スイッチ類が抜き取りやすくなる。


写真2 ASCとシートヒータースイッチを抜き取ったところ


写真0 裏側からコントロールパネルを押し出したところ


写真4 カプラーの様子


写真5 コントロールパネルの固定用金具

写真4でわかるようにコントロールパネルは4つのカプラー接続されている。

 

【コントロールパネルの分解】

ボディは写真6のような周囲の爪を8箇所外すことで分離できる。


写真6 コントロールパネルの分解

薄いプラスチックでできているので、割らないように慎重にロックを外していくと、写真7のように前後2つに分解できる。


写真7 フロントパネルを分離したところ

室内気取入れ口の後ろには、やはりブロアファンが見える。E34とは違って、基盤に直接取り付けられている。写真8・9のように、おびただしい量のほこりがたまっているのが分かる。


写真8 内部のブロアファン


写真9 室温センサーにたまったほこり

後部の基板は、写真10のように手前に引くだけで抜けてくる。


写真10 後部の基板

写真11は、ブロアファンを抜いたところだ。ファン自体にマグネットが仕組んでありDCモーターの一部分となっている。


写真11 ブロアモーター

ほこりをきれいにするだけなら、分解はここまでにしておくとよいだろう。パネル側の基板は分解しないほうがよさそうだが、内部が見たいという気持ちを抑えることはできない。で、分解したところが写真12〜15である。


写真12 フロントパネルを分解したところ


写真13 スイッチパネルの接点部品


写真14 ほこりのついた温度センサー


写真15 室内気取り入れ口のほこり

基板を外すと、写真13のようなスイッチの接点がポロポロと取れてしまうので、紛失や変形をさせないよう気をつけなければならない。元に戻す自信のない人は、分解しないほうがよいと思う。実際、組み立てるときには、この小さな接点のパーツの納まりに非常に気を使った。

すべての掃除が終わったら、慎重に元に戻していく。9年間9万km走行分のほこりは結構な量であった(写真16)。最後にすべてのスイッチが機能し、正常にACコントロールができることを確認して作業は終了である。清掃作業後は、ブロアモーターの音が少し静かになったような気がする。


写真16 溜まっていたほこり


このレポートを読むと、無性にエアコンコントロールパネルの掃除をしたくなってきた(笑)。E34の場合はE39に比べると簡単そうなので、オフ会のときにでもやってみよう。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただくミッチョさんに感謝する。



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