2004年12月17日(金)  2005年1月19日(水)追記

2日で完成! イカリングの装着方法 − 1日目

先日、苦労してスモークランプ+CCFL管イカリングを完成させたのだが、その作業過程でイカリング装着だけなら比較的簡単にできることがわかった。

そこで、「2日で完成! イカリングの装着方法」と題して、2回にわたってその作業方法を紹介しよう。

まずは、1日目の作業から・・・。


作業概要

1日目は、ハイビーム、ロービームのガラスレンズを外し、その中にCCFL管を組み込んで、再びガラスレンズを接着する。


用意するもの

・ハイビーム2個

できれば、ガラス面の傷が少ないもの。あと2個ぐらい予備があった方がいいかもしれない。

・ロービーム2個

できれば、リフレクタの反射板が熱で浮いていないもの、ガラス面の傷が少ないもの、全面の反射板に曇りが少ないもの。あと2個ぐらい予備があった方がいいかもしれない。
ハイビームやロービームはYahooオークションを見ていれば、中古品が出品されている。

・ポジションランプソケット

普通は中古のロービームを買うと付いてくることが多い。

・CCFL管4個(できれば5個)、および駆動用インバータ(コンバータ)2個

外径が118mm、細さは2.5mm程度のもの。
http://members.at.infoseek.co.jp/hide0201/index.htmから購入することができる。DDはここから購入した。大阪の豊中にある業者さんで、初期不良等のクレームも受け付けてもらえるので、安心して購入できるだろう。

なお、CCFL管は通常価格9,800円のところだが、「DDのHPを見た」と言うと8,600円(税込み、送料別)にしてもらえるよう、無理にお願いした。CCFL管を5本にする場合は10,500円である。別途CCFL管を注文する場合は3,000円/本だ(2005年2月末まで。あるいは、在庫がなくなるまで。在庫数はメールで問い合わせて欲しい)2005/1/19

また、ここはHIDのバーナーも扱っているようで、8000KのH1バーナーが2本セットで13,000円(税込み、送料別)らしい(とりあえず、2005年2月末日まで)。DDは昨年末に18,000円で購入したのに・・・(泣)。もちろん、バラストも安く提供して頂けるようだ。
詳しくは上記Webページから問い合わせてみて欲しい。

・シリコンシーラント(コーキング材)

透明のもの。ホームセンターで300円程度で購入可能。

・コーキングガン

これもホームセンターで購入可能。200円程度。DDは100円均一ショップで購入した。

・熱収縮チューブ

3〜3.5mm径で透明のもの。ホームセンター等で購入可能。

・石油ファンヒーター

家で使っているものでいい。

・工具類

金鋸(HSS鋼)、ラジオペンチ、ニッパー、ドライバー、100円均一ショップで売っている精密ドライバー、プライヤー(車載工具のもの)、軍手3双、燃料用アルコール(薬局で300円ぐらいで購入可能)、電動ドリル、ハンダごてとハンダ


作業

1.ハイビームのガラスレンズを外す。

まずは、写真1の赤矢印に示す部分を車載工具のプライヤーを使って折り返す。そして、折り返したところに付いているコーキング材を精密ドライバーでこそげ落としておく。


写真1 折り返す部分

次に、写真2のように、石油ファンヒーターの前に段ボール箱を置き、その中にハイビームを入れて20〜30分ほど加熱する。


写真2 ハイビームを加熱しているところ

石油ファンヒーターの設定温度は一番上まで上げておき、室内が熱くならないように窓も開けておいた方がいいだろう。加熱中は、石油ファンヒーターの本体が異常に発熱していないかどうかをチェックしておく。

ハイビームは相当熱くなるので、以降の作業では写真3のように軍手を三枚重ねにしておく。


写真3 3枚重ねの軍手

十分に加熱したら段ボール箱から取り出す。先ほど折り曲げた金属の部分にマイナスドライバーを当て、しっかりとハイビーム本体を持って、金属とガラスの間からマイナスドライバーを押し込むようにして、ガラスレンズを外す。写真4にガラスレンズを外したところを示す。


写真4 ガラスレンズを外したところ

結構、強くドライバーを押し込まないとガラスレンズは外れないが、あまり強く押し込みすぎるとガラスを割ってしまうので注意が必要だ。ガラスレンズが外れないときは、加熱が足りないので、再び段ボール箱に戻して加熱する。

どうしても、ガラスレンズが外れないときは「イカリング製作その1 − ガラスレンズを外す」のようにして、ハイビームの周囲に切れ込みを入れ、金属部分を折り返してから再挑戦すればいい。

ガラスレンズが外れたら、マイナスドライバーやラジオペンチでなるべくコーキング材を落としておく。あまり無理をするとガラスレンズが欠けるので、無理のない範囲でコーキング材を落とせばいい。

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、ガラスを外す前にハイビームを十分加熱しておくことである。そのためには、十分長い時間、石油ファンヒーターの前で暖める。また、窓を開けて室内の温度を下げておくと、石油ファンヒーターの火力が弱まらない。どうしても外れないときは、ハイビームの周りに切れ込みを入れて、金属部分を折り返す。折り返す際に無理をするとガラスが欠けるので、折り返せない部分はそのままにしておいてもいい。

2.ロービームのガラスレンズを外す

まず、ロービームに付いている3本のネジを外してリフレクターを外しておく。

ハイビームと同様にロービームを10分ほど石油ファンヒーターで加熱する。

そして、写真5のように、レンズとプラスチック筐体の隙間に入っているコーキング材を精密ドライバーの一番小さいマイナスドライバーで掻き出す。


写真5 コーキング材を掻き出しているところ

ある程度、掻き出したら、そのロービームを再び段ボール箱に戻し、もう片方のロービームを取り出して、同じようにコーキング材を掻き出す。これを何度か繰り返すと、ガラスレンズをプラスチック筐体の隙間のコーキング材が取れる。ロービームの上の部分(ポジションランプに近い部分)は、一部プラスチックがない部分があるので、ここのコーキング材も掻き出しておく。

コーキング材を全て掻き出したら、再び段ボール箱で20分ほど加熱する。

十分に加熱したら段ボール箱から取り出し、写真6のようにロービームの上の部分にマイナスドライバーを当てて、マイナスドライバーを少し強めに上に持ち上げるようにしてガラスレンズを外す。


写真6 マイナスドライバーでガラスレンズを外す

この時、マイナスドライバーをガラスレンズの中に押し入れてしまうと、中の反射板が割れてしまうので、あくまでドライバーを上に上げるようにする。すると、写真7のようにガラスレンズが外れるはずである。


写真7 ガラスレンズを外したところ

ガラスレンズが外れないときは、コーキング材の掻き出しが足りなかったか、加熱が足りない。

うまくガラスレンズが外れたら、写真8のようにマイナスドライバーを使ってコーキング材をできるだけ掻き出しておく。写真8では反射板を外しているが、これは無理に外す必要はない。冷めてくるとコーキング材が固くなってくるので、途中で何度か段ボール箱に入れて加熱しながら作業する。


写真8 コーキング材を掻き出しているところ

ガラスレンズも同様にしてコーキング材をできるだけ取っておく。

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、完全に隙間のコーキング材を掻き出しておくことと、ガラスレンズを外す前に十分加熱しておくことである。また、ガラスレンズを外す際にマイナスドライバーを奥へ突っ込むと反射板が割れてしまうので注意が必要だ。割れてしまった場合には、エポキシ系接着剤で元に戻す。

3.ハイビームとロービームの清掃

中古品のハイビームとロービームは結構汚れているので、アルコールで丁寧に拭いておく。ただ、ハイビーム、ロービームともに反射板は傷つきやすいので、やわらかい布にアルコールを含ませて、そっと拭くようにする。ガラスレンズは思いっきり擦っても大丈夫だ(笑)。

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、ロービームのリフレクタも分解してレンズや反射板をアルコールで拭くことである。反射板は強く擦ると剥げてくるので、そっと撫でるぐらいがいいだろう。

4.CCFL管を加工する

購入したCCFL管には、写真9のようにプラスチックの部品が付いている。ロービームに入れる2本は、このプラスチックを完全に取り去る。


写真9 CCFL管

このプラスチック部品を取り外す作業が一番難しい。CCFL管は直径2.5mmのガラスでできた蛍光灯のようなものだ。少しでも無理な力をかけると簡単に割れてしまう。

写真10のようにして、CCFL管を割らないように、ニッパーで慎重にプラスチック部品を砕いていく。はじめに、CCFL管の両端を繋いでいる棒の部分を切った方が作業しやすいだろう。ただし、ここをニッパーで切るときは、CCFL管に無理な力がかかりやすいので、細心の注意を払いながら慎重に作業する。


写真10 ニッパーでプラスチック部品を外しているところ

うまくプラスチック部品を外せたら、写真11のようになるはずである。


写真11 プラスチック部品を外したところ

CCFL管と配線の接続部分はハンダ付けされている。これを絶縁処理するために、写真12のように熱収縮チューブをかぶせ、ライター等で軽く炙ってチューブを密着させる。


写真12 熱収縮チューブを付けたところ

写真12では、黒い熱収縮チューブを使っているが、透明のチューブの方がいいだろう。

一方、ハイビームに取り付けるCCFL管は、プラスチック部品を完全に取り去る必要はなく、写真10のように出っ張ったところだけをニッパーで切り落とせばよい。こちらは、CCFL管に無理な力がかからないので、簡単だ。

うまく出っ張りの部分を切り落としたら、写真13のようになるはずである。


写真13 プラスチックの出っ張りを切り落としたところ

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、できるだけ切れ味のいいニッパーを使って、少しずつ慎重に作業することである。CCFL管を割ってしまうことを想定して、CCFL管を5本買っておいた方がいいだろう。くれぐれも、100円均一ショップで売っているようなニッパーは使わない方がいい。

5.CCFL管をロービームに取り付ける

ロービームのポジションランプのソケットのところからCCFL管の配線を外に出す。そして、写真14のようにポジションランプソケットのをビニールテープで塞いでおく。


写真14 ビニールテープで穴を塞ぐ

そして、写真15にように、前面側からポジションランプソケットの穴にシリコンシーラントを注入する。


写真15 シリコンシーラントを注入する

これでポジションランプソケットの穴は塞がったことになる。写真15では反射板が黒いが、本当は銀色である(笑)。

次に、写真16のようにシリコンシーラントをCCFL管の裏側に塗ってロービームの反射板の上に接着する。


写真16 シリコンシーラントを塗っているところ

シリコンシーラントを塗る前に、キチンと取り付け場所を決めておいたほうがいいだろう。

うまく接着できれば、写真17のようになる。


写真17 CCFL管を取り付けたところ

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、CCFL管をキチンと反射板の中心になるように貼り付けることである。少しでもずれていると格好悪い。シリコンシーラントの先は、少し細い目(直径2〜3mm)に切った方が作業しやすいだろう。

6.CCFL管をハイビームに取り付ける

次に、CCFL管をハイビームに取り付けるのだが、その前にハイビームの反射板に配線を通す穴を2箇所開けておく。一度、CCFL管をハイビームに仮付けしてみて、おおよその穴の位置をマーキングしておけばいい。まぁ、適当な位置でいいんだけど(笑)。穴の大きさは3mm程度である。写真18にハイビームに穴を開けているところを示す。


写真18 ハイビームに穴を開けているところ

電動ドリルの刃先は、金属に穴を開けることができるHSS鋼のようなものを使う。開けた穴にはバリが付いているので、6mm程度のドリルの刃先でバリを取っておく。写真19にハイビームに開けた穴を示す。


写真19 ハイビームに開けた穴

写真では反射板が黒いが、実際には銀色である。間違っても、反射板は黒く塗ってはいけない(苦笑)。

また、ハイビームの端の金属を折り返したところは、もとに戻しておく。この時、何度もガラスレンズを当てて、ピッタリガラスレンズに合うように金属部分を戻す。

そして、ロービームの場合と同じように、CCFL管の裏にシリコンシーラントを塗って、反射板に接着する。シリコンシーラントを塗る前に、仮付けしてみて、CCFL管のどの位置が反射板に当たるかを確かめた上で、シリコンシーラントを塗ればいい。

うまくCCFL管が接着できれば、写真20のようになるはずである。


写真20 CCFL管をハイビームに接着したところ

なお、配線を通した穴もシリコンシーラントを塗って防水処理をしておく。小さなマイナスドライバー等をヘラ代わりにすれば、簡単にシリコンシーラントを塗ることができるはずだ。写真21にシリコンシーラントを塗ったところを示す。


写真21 シリコンシーラントによる防水処理

【作業のポイント】
 ここでの作業のポイントは、ロービームの場合と同様に反射板の真ん中にCCFL管をキチンと貼り付けることである。そう難しいことではないはずだ。また、折り曲げた金属部分をキチンと元に戻しておかないと、飾りリングがうまく付かないので、何度もガラスレンズを当てて調整しておく。

7.ガラスレンズを取り付ける

こうしてCCFL管を取り付けたハイビームとロービームにガラスレンズを取り付ける。

まずは、ロービームからガラスレンズを取り付ける。この時点で、CCFL管を接着したシリコンシーラントが硬化している必要はない。

写真22のように、シリコンシーラントをロービームの枠のところに塗っていく。


写真22 シリコンシーラントを塗っているところ

ロービームの枠には溝があるので、少し多い目にシリコンシーラントを塗っていく。そして、写真23のように、ガラスレンズを取り付ければいい。


写真23 ロービームにガラスレンズを取り付けているところ

ガラスレンズには方向があるので、上下間違って取り付けることがないように注意する。

次は、ハイビームにガラスレンズを取り付ける。これはロービームの場合と同様に、シリコンシーラントを塗ってガラスレンズを接着すればよい。シリコンシーラントの量は、あまり多く付けすぎない方がいい。写真24にシリコンシーラントを塗っているところを示す。


写真24 シリコンシーラントをハイビームに塗る

そして、ガラスレンズをその上に置いて接着する。

【作業のポイント】
 シリコンシーラントを塗るときは、均一に塗るのが難しい。適当に塗った後、小さなマイナスドライバーをヘラ代わりにして、シリコンシーラントを均一に延ばせばいい。ガラスレンズを接着したときにはみ出したところは、ティッシュペーパー等で拭き取っておく。

8.コンバータの電源線をポジションランプソケットに接続する

まず、写真25のようにポジションランプソケットを金鋸で切断する。


写真25 金鋸でポジションランプソケットを切断しているところ

切断すると言っても、中に金属の棒が入っているため、その周囲のみを切断する。

すると、写真26のようにスポッと抜けて、中の金属が出てくるはずだ。


写真26 切断したポジションランプソケット

これをニッパー等で写真27のように加工する。


写真27 加工したポジションランプソケット

金属部分が二つあるが、これらにコンバータの2本の電源線をハンダ付けして接続する。コンバータの電源線は、黒がマイナス側、黒/白がプラス側である。コネクタの角のある方がマイナス側なので黒線を接続する。写真28にハンダ付けしたポジションランプソケットを示す。


写真28 ハンダ付けしたポジションランプソケット

そして、最後に写真29のようにシリコンシーラントで防水処理をする。


写真29 シリコンシーラントで防水処理をしたところ

【作業のポイント】
 ハンダ付けするときには、まず金属部分をハンダごてで十分暖める(10秒程度)。そして、ハンダごてを金属部分に付けたまま、配線を金属部分に当て、そこにハンダを流し込む。金属部分が十分暖まっていれば、綺麗にハンダが流れるはずである。ハンダ付けの経験が少ない人は、二人で作業した方がいいだろう。ただし、火傷にはくれぐれも注意してほしい。


1日目の作業はこれで終了である。これらの作業で難しいのは、ガラスレンズを外すことと、CCFL管に付いているプラスチック部品を外すことである。この2つの作業は焦らずじっくりとしたほうがいい。

まぁ、ここまでできれば、イカリング装着の8割の作業は終わったようなものだ。二日目の作業は「2日で完成! イカリングの装着方法 − 2日目」で紹介しよう。



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