2004年11月30日(火)

イカリング製作その1 − ガラスレンズを外す

皆さんは、今度のお正月休みに何か予定があるだろうか? 実家に帰省する人、海外旅行に出かける人、ホテルでのんびりする人など、いろんな方がいると思うが、何も予定がない!という人は、イカリングにチャレンジしてみてはどうだろうか?

そんな訳で(どんな訳で?)、お正月休み直前企画としてイカリング製作記を紹介しよう。

実は、昔「イカリングへの道 − 試作第1号 その1」「イカリングへの道 − 試作第1号 その2」「新型イカリング − イカリング Ver.2.0?」としてイカリングを製作しようとしていたが、途中でストップしていた。その後、ご存じのように「庭師@さんのイカリング装着レポート」で、庭師@さんがイカリングを取り付けた様子を紹介してきた。

冒頭からこんな事を言うのもなんだが、DDはあまりイカリングが格好いいと思っていないので、もうひとつイカリング製作のモチベーションが上がらなかったのだ。ヘッドライトのレンズを外すのもなんだか難しそうだし・・・。

しかし、最近、boven7(「ぼーべんじーべん」と読む)さんのサイト(Blue May Wind)で、boven7さんが石油ファンヒーターを使って、ヘッドライトのレンズを外したという記事を読んだ。興味本位でやってみたら、意外と簡単にレンズ外すことができたのだ。これなら、ヒートガンも要らないし誰でもできそうなので、イカリング製作を紹介することにした。本音を言うと、レンズを外してみたのはいいが、その後の処置に困ったので、とりあえずイカリングでも作ってみようかと・・・(笑)。

そんな低いモチベーションながら(笑)、とりあえずイカリング製作記をスタートしよう。

まず、最初に、石油ファンヒーターによるレンズ外し方法の考案者であるboven7さんをはじめ、関西E34イカリングの先駆者のkidsさん、以前にレポートをいただいた庭師@さん、日本E34イカリング界の先駆者の岩野師匠、シールドビームにイカリングを入れた先駆者のぐいた〜らさん、他、多数のイカリングな方に感謝する。


ガラスレンズの外し方

はじめに、ここで紹介する石油ファンヒーターによるガラスレンズの外し方は、boven7さんの考案であることを断っておく。

まずは、なんとかして中古のヘッドライト一式を手に入れる。できれば、2セットぐらいあった方が安心だろう。ヘッドライトは、たまにYahooオークションでも出ているし、オークションで部品取り車を扱っている業者を見つけて、片っ端から中古のヘッドライトがあるかどうかを聞いてみるのも手だろう。できれば、フレームごと手に入れておくといい。

手に入れた中古ヘッドライトは、大抵、酷く汚れているので、中性洗剤でしっかり洗ってから、写真1のように分解して天日で乾燥させる。


写真1 天日で乾燥中

まずは、ハイビームのガラスレンズの取り外しから・・・。ハイビームは、そのままではガラスレンズを外しにくいので、ガラスレンズの外側の金属に切れ目を入れて、外側に折り返しておく。

写真2は、金鋸により外側の金属に切れ目を入れているところである。


写真2 切れ目を入れているところ

1.5cm間隔ぐらいで切れ目を入れればいいだろう。また、金鋸はHSS鋼のものがいい。全周にわたって切れ目を入れたところを写真3に示す。


写真3 全周にわたって切れ目を入れたところ

そして、切れ目を入れた金属を写真4のように外側に折り返す。


写真4 外側に折り返しているところ

使う工具は、車載工具のプライヤーがいい。なお、ここで無理をするとガラスを割ってしまうことがあるので、注意が必要だ。また、どうしても折り返せない部分は、無理に折り返さず、そのまま残しておいてもいい。全周を折り返したところを写真5に示す。


写真5 全周を折り返したところ

写真5では、全周を折り返しているように見えるが、実は写真に写っていない部分の1/6周ぐらいは、うまく折り返せなかったので、そのまま残している(笑)。こんなところで無理してガラスを割っては元も子もないし・・・。

さて、こうして準備が整ったら、石油ファンヒーターの出番である。

写真6のように、石油ファンヒーターの前に段ボール箱を置く。


写真6 石油ファンヒーターと段ボール箱

ここに、先ほどのハイビームを入れて、写真7のように加熱する。石油ファンヒーター自体が異常に高温にならないかどうか常にチェックしておいた方がいい。


写真7 石油ファンヒーターで加熱しているところ

ハイビームは相当熱くなるので、写真8のように3重に軍手をしておく。


写真8 3重に軍手をしているところ

20分ほど加熱したら、ハイビームを取り出して、レンズと反射板の間にマイナスドライバーを差し込んで、気合い一発(?)でレンズを外す。写真9にレンズが外れたところを示す。


写真9 外れたレンズ

写真9の赤矢印は、レンズを外すときに使ったマイナスドライバーである。さすがに、レンズを外す瞬間はカメラに収められなかった(笑)。

あまり、力を入れすぎるとレンズが割れてしまうことがあるので、注意が必要だ。無理だと判断したら、再度段ボール箱に戻して加熱し直せばいい。

さて、今度はロービームのレンズを外す番である。

ロービームもハイビームと同様に、10分ほど石油ファンヒーターで加熱する。そして、写真10のように、レンズと外周のプラスチックの間にあるシーリング剤を丹念に掻き出していく。DDは100円均一ショップで買った精密ドライバーセットの一番小さいマイナスドライバーを使って掻き出した。


写真10 シーリング剤を掻き出しているところ

何度も加熱し直して、丁寧にシーリング剤を掻き出しておく。そして、ほとんど掻き出し終わったら、さらに20分ほど加熱した後、写真11のようにヘッドライト上部にマイナスドライバーを差し込み、グイッっと持ち上げると写真12のようにレンズを外すことができる。


写真11 ヘッドライト上部にマイナスドライバーを差し込んでいるところ


写真12 レンズを外しているところ

加熱が十分なら、比較的簡単にレンズが外れるはずである。逆にいうと、外れないようなら加熱が足りないので、さらに加熱すればいい。

ちなみに、ドライバーを差し込むときに無理をして奥まで差し込むと、中のプラスチックの反射板が割れてしまうことがあるので、注意が必要だ。まぁ、割れちゃったらエポキシ系接着剤ぐらいでくっつければいいのだが(笑)。

レンズが外れたら中の反射板も簡単に外れる筈である。レンズやヘッドライト筐体が熱いうちに、写真13のようにマイナスドライバーを使ってシーリング剤をできるだけ削ぎ落としておく。


写真13 シーリング剤を削ぎ落としているところ

写真14ぐらい削ぎ落としておけばいいだろう。


写真14 シーリング剤を削ぎ落としたところ

これで、写真15のように、ハイビームとロービームのレンズが外れたことになる。


写真15 レンズが外れたハイビームとロービーム

なお、今回はハイビームのレンズの外側に切れ目を入れて折り返してからレンズを外したのだが、切れ目を入れなくても外れる場合もあるようだ。DDはレンズを割るのが怖かったので、切れ目を入れていた。

警告

本ページで紹介した石油ファンヒーター方式は、間違った石油ファンヒーターの使い方である。この方法により石油ファンヒーターが壊れたり、火事になったりしてもDDは一切の責を負わない。

さて、次回は「イカリング製作その2 − スモークタイプにしてみよう」を紹介する。反射板に黒い色を塗ってスモークタイプのヘッドライトにするのだ。本音を言うと、DDはイカリングよりこれがしたかったのだ(笑)。

「スモークタイプレンズはいいから、早くイカリング製作を紹介しろ!」という意見は無視して、無理矢理スモークタイプレンズを紹介する(笑)。



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