2020年10月17日(土)

E63 オイルフィルタケース・熱交換器のガスケット交換 − N52エンジン持病のオイル漏れ

DD2号を購入した時に、オイルフィルタケースや熱交換器のところからオイル漏れがあり、認定中古車保証を使ってガスケットを交換してもらったことは報告した。SさんのE63も同じところからオイル漏れしており、漏れを止めるためにガスケットを交換したので報告する。オイルが漏れているのは写真1の場所だ。


写真1 オイル漏れの場所

ここをよく見ると、写真2のようにエンジンオイルが滲んでいる。


写真2 オイルの滲み

この部分のオイル漏れはN52エンジンの持病らしい。まずは、熱交換器から外していこう。その前に、写真3のように熱交換器のカバーを外す。これは手前に引っ張れば外すことができる。DD2号には付いてなかったが・・・。


写真3 熱交換器のカバー

ちなみに、熱交換器を外すと冷却水が漏れてくる。今回は冷却水も交換する時期なので、冷却水を事前に抜いておいた。さらに、熱交換器やオイルフィルタケースを外すとエンジンオイルも多少漏れてくるので、漏れた冷却水やオイルがベルトにかからないように、写真4のようにタオル等で養生しておく。


写真4 タオルで養生したところ

オイルフィルタケースに入っているエンジンオイルをオイルパンに落とすため、写真5のようにオイルフィルタケールの蓋を緩めて開ける。


写真5 オイルフィルタケースの蓋を開けたところ

これでしばらく待つとオイルフィルタケース内のオイルがオイルパンに落ちるはずだ。その後、熱交換器を外すために、写真6の2本のボルトを外す。これはトルクスのE12サイズで、ディープソケットでないと外れないので事前に準備しておこう。ちなみに、締め付けトルクは16Nmだ。


写真6 2本のトルクスボルト

さらに、写真7のE12トルクスボルトも外す。


写真7 E12トルクスボルト

すると、写真8のように熱交換器を手前に外すことができる。


写真8 熱交換器を外したところ

この赤矢印で示したものがガスケットなので、これを交換する。写真9に新旧ガスケットの比較を示す。ガスケットのP/Nはこのレポートを参照のこと。


写真9 新旧ガスケットの比較(上:旧、下:新)

古いガスケットはかなり硬化しているが、新しいガスケットには十分な弾力がある。さて、次にオイルフィルタケースを外すために、写真10の赤矢印と緑矢印で示す計3本のE10のトルクスボルトを外す。ここの締め付けトルクも16Nmだ。


写真10 オイルフィルタケースの固定ボルト

右の緑矢印のE10トルクスボルトは、エアインテークの下にあるので、ユニバーサルジョイントとエクステンションバーを使ってなんとかして外す。真ん中の赤矢印のE10トルクスボルトは簡単に外せる。左の赤矢印のボルトの外し方については後述する。これらのボルトを外す前に、写真11のようにケース内に残っているエンジンオイルをなるべく抜き取っておく。


写真11 エンジンオイルを抜き取ったところ

ボルトを外す前に写真12のコネクタも外しておこう。このコネクタは、ロックワイヤを上に引っ張り上げてロックを外した状態で引っ張ると簡単に外すことができる。


写真12 コネクタを外したところ

写真10の左側のE10トルクスボルトは、そのままではソケットレンチを使うスペースがない。そこで、写真13の緑矢印の2本のボルトを外し、冷却水ホースを外すことで、赤矢印で示すE10トルクスボルトを緩めるためのスペースを作る。


写真13 冷却水ホースの固定ボルト

冷却水ホースを外すと、写真14のように赤矢印で示すボルトを緩めるスペースができている。


写真14 冷却水ホースを外したところ

3本のE10トルクスボルトを外せば、写真15のようにオイルフィルタケースを外すことができる。


写真15 オイルフィルタケースを外したところ

オイルフィルタケースとエンジン本体の間には、写真16に示すようにガスケットがある。


写真16 オイルフィルタケースのガスケット

写真17に新旧ガスケットの比較を示す。


写真17 新旧ガスケットの比較(左:新、右:旧)

あとはガスケットを交換し、ガスケットが当たる面を綺麗に拭いてから逆順に組み立てればいい。最後に、冷却水を入れれば作業完了だ。なお、オイル漏れが止まっているかどうかをチェックするために、オイルが漏れていた所はパーツクリーナーとウェスを使って綺麗にしておいた方がいいだろう。



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