2011年4月23日(土)

ウィンカーリレーの改造 − 可変抵抗を外付け

今回は、いつもBMW@KANSAIでお世話になっている といさんより、ウィンカーリレー改造の依頼があったので、その様子を報告する。

今回の改造は、ウィンカーリレーの点滅周期を可変にするものであり、これまでに岩野師匠をはじめとして、先輩方の改造方法が報告されている。

ウィンカーランプLED化のためのハザードリレー改造 − 岩野師匠より
ウィンカーリレーの改造 Part2 − 岩野師匠より
ウィンカーリレーの改造 − tobyさんより

DDが用意したウィンカーリレーは、写真1のようなものである。


写真1 ウィンカーリレー

このウィンカーリレーのP/Nは、61.36-1 388 546であり、残難ながらこれまでの改造例の中にはない。まぁ、なんとかなるか!

ウィンカーリレーは、端子側から写真2のように細いマイナスドライバー等で簡単に開けることができる。


写真2 ウィンカーリレーを開けているところ

このウィンカーリレーの中身は、写真3の通りである。


写真3 ウィンカーリレーの中身

リレーは二つ入っているようだ。プリント基板の裏側は写真4のようになっている。


写真4 プリント基板の裏側

やはり、これまでの改造報告にはない基板だが、使っているICはこれまでの改造例で見ていたものと同じであるため、同じように改造できそうだ。これまでの改造例では、U643BというICの4番ピンと5番ピンの間にある抵抗を可変抵抗と入れ替えることにより、点滅周波数を可変にしている。該当する抵抗は、写真4の赤矢印のものである。

岩野師匠はウィンカーリレーの筐体の中に可変抵抗を入れていたが、残念ながらこのウィンカーリレーには、うまく可変抵抗を入れるだけのスペースがない。仕方がないので、可変抵抗は外付けにすることにした。

というわけで、まずは、写真5のように可変抵抗を取り去り、その代わりに2本の配線をハンダ付けした。


写真5 2本の配線をハンダ付けしたところ

そして、ウィンカーリレーのカバーに小さな穴を開けて、写真6のように配線を外に出す。


写真6 配線を外に出したところ

この配線に可変抵抗を取り付ければいい。基板に付いていた抵抗は120kΩであったが、といさんの依頼では、

  1. ウィンカーに普通の電球を入れた状態で、点滅速度を少し速めにできること
  2. ウィンカーランプをLEDに変更しても、通常に点滅速度に調整できること

の2つの要求仕様があった。ウィンカーリレーの点滅速度は、この抵抗を2倍にすると速度が半分になる。また、ウィンカーランプをLEDにしたときには、U643Bが玉切れと判断して、ウィンカーの点滅速度が通常の2.2倍になるようになっている。

そこで、51kΩの固定抵抗に500kΩの多回転型ポテンションメータを直列に組み合わせて、写真7のような、51〜551kΩの範囲で調整できる可変抵抗を作成した。ちょっと調整範囲が広すぎるが、まぁ、いいか!(笑)


写真7 作成した抵抗

調整範囲が広いと通常の可変抵抗では調整が難しい。すなわち、少しダイヤルを回しただけで、大きく点滅速度がわかってしまう。そこで、ここでは多回転型のポテンションメータを使うことにした。

そして最後に、この抵抗を配線に接続し、エポキシ接着剤でウィンカーリレーの筐体に取り付ければ改造の完成である。写真8に改造したウィンカーリレーを示す。


写真8 改造したウィンカーリレー

あとは、このウィンカーリレーを車両に取り付ければいい。ウィンカーリレーは、写真9のようにボンネットの中にあるCCM(チェックコントロールモジュール)の隣にある。


写真9 ウィンカーリレーの位置

ウィンカーリレーを入れ替えるには、CCMを外した方が作業しやすい。動作確認のために、写真10のようにDD号に改造したウィンカーリレーに入れ替えてみたところ、ポテンションメータのネジを回転させることで、いい感じにウィンカーの点滅速度が調整できることを確認した。


写真10 改造したウィンカーリレーの動作確認

可変抵抗として多回転型のポテンションメータを使用したため、調整も簡単である。なお、ウィンカーランプをLEDに変更した状態では試していないが、たぶん大丈夫だろう(笑)。



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