2011年3月21日(月)

E90 Mスポーツステアリングへの交換 − ミッチョさんより

今回は、E90に乗り換えられたミッチョさんより、Mスポのステアリングへの交換レポートをいただいたので紹介しよう。車を乗り換えられてもD.I.Y.魂は健在だ。


愛車は「Mスポーツパッケージ」が設定される前の初期モデルで、スポーツサス、スポーツステアリング、17インチタイヤ、スポーツシートがセットされた「ダイナミックパッケージ」と呼ばれるモデルだ。

走行距離が7万kmを超え、ステアリングのレザーもくたびれてきたところに、新品同様のMスポーツステアリングが手に入ったので交換することにした。

 

【ステアリングの交換手順】

1 バッテリーのマイナス端子を外す

エアバッグの誤爆を防ぐためにも、バッテリのマイナス端子を外して数分放置する。今回、これを行わなかったために、後にあわてることになった。

2 エアバックを取り外す

エアバッグは下の写真に示す2箇所の爪で固定されている。


 エアバッグ裏側の様子

次の写真に示すステアリング背面のサービスホールに、細いマイナスドライバーを差し込んでロックを外すのだが、その次の写真に示す内部の仕組みを知らないと外せないと思われる。


エアバッグの取り外し


エアバッグ固定のしくみ

手探りで金属プレート背面のスプリングを内側に押してやると、エアバッグのロックが外れる。これを左右2箇所とも外すとエアバッグが取り外せる。

2個のコネクターには爪があって簡単には外れないようになっているが、破損させないようにドライバーなどで慎重にこじってやれば外すことができる。

3 ステアリングを外す

固定ボルトは16mmと、国産車にはあまり使われていないサイズだ。通常の工具セットにはないサイズだし、強めに締まっているので、16mmのソケットこまと長めのハンドルを用意する必要がある。

2個のコネクターを抜き、固定ボルトを抜き取ると、ステアリングが外せる。テーパー勘合ではないので、通常は簡単に抜ける。取り付けの際に角度がずれないように、ステアリングの角度をきちんと覚えておく。


ステアリングの固定部分


固定ボルトを外したところ

右が取り外したスポーツステアリング、左がMスポーツステアリングである。グリップが少しソフトで太く、10時10分の位置にこぶがある。エアバッグは共通なので流用ができる。標準ステアリングの場合はエアバッグも交換が必要だ。


ステアリングの比較

4 ステアリングを取り付ける

取り外した逆の手順でステアリングを取り付け、コネクターを接続してエアバッグをはめ込めば交換は完了である。交換後の様子を写真7に示す。新しいステアリングは気持ちがいい。グリップも一段と太くなって満足感アップである。


交換後の様子

 

 

【失敗談】

BMWはエアバッグを外した状態でエンジンキーをONにすると、エアバッグ警告灯が点灯してしまう。一度点灯させてしまうと、専用ツールでコンピュータのエラー履歴を消去してやらないと消すことができない。それは承知で作業していたのだが・・・。

作業の途中で、エアバッグを外してからステアリングロックを外すために、キーを挿したのが失敗であった。今まで所有していたE34やE39は機械式のイグニッションなので、キーを挿してステアリングロックを外しても通電はされない。ところが、E90はキーを挿しただけで通電状態となるため警告灯を点灯させてしまった。

すると写真8のような警告が出る。しかもiDriveには写真9のようなメッセージが、エンジンをかけるたびに盛大に表示され、毎回コントローラーを操作しないと消すことができない。正規ディーラーで警告を消してもらうと、通常は4,200円も請求される。


エアバック警告灯


iDriveの警告表示

リセットツールを持っていないので、行きつけの修理工場(愛知県春日井市の中部車検センター)にリセットをお願いした。

BMWとは無縁のような店名だが、ここの店長さんは元BMW正規ディーラーのメカニックだった方だ。私がE34に乗っていた頃に、近所のBMWディーラーでフロントマンをされていて、とてもお世話になった。ご自身も当時E34にお乗りで、現在はE39の540を所有されている。このサイトもよくご覧になっているそうだ。部品持ち込みもOKで、つい数日前、私のE90のクラッチオーバーホールもしていただいたばかりだ。スタッフにもBMW好きがいて、車両置き場には、整備待ちのE30、E39、Z3など多数のBMWが置いてあった。


お世話になった整備工場の車両置き場

 

【最後に】

やはりバッテリーマイナス端子を外して作業すべきであった。DIYでされる場合、事故が起きても一切の責任は負えないので、自己責任において作業してほしい。

それにしても、接続ツールを入手して「ダイアグノーシス」や「コーディング」について勉強したくなった。


ステアリングやシフトノブの交換は、それらが直接手に触れる部分なので、交換後の満足感は高い。お勧めのモディファイである。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただいくミッチョさんに感謝する。



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