2003年11月12日(水)

庭師@さんのイカリング装着レポート その3 − イカリングをレンズユニットへ挿入そして封印編

その2 − 反射板の加工・HI & LO編」に引き続き、「その3 − イカリングをレンズユニットへ挿入そして封印編」を紹介しよう。


<イカリングをレンズユニットへ挿入そして封印(いよいよ完成!)>

今回の<烏賊焼き>で最も重要なのは、素材である「イカ」の品質(Quality)です。この烏賊焼きが実現したのも、そんな素晴らしい「イカ」との出会いがあったからこそなのです。E39の黄ばんだイカリングには、今でも何の魅力も感じません。「白く・明るい!」そんな「なんちゃってイカリング produced by Mr. ZEN」があったからこその、この夏の<烏賊焼き>があったのだと思います。ぐいた〜ら氏のご紹介で、何とか2ヶ月間の納期でE30/E34専用の特注イカリングが完成し9月の上旬(私の夏休み直前)に届いたのでした。この場をお借りして、ZEN 氏に深く感謝申し上げます。

● イカリングの加工

まずは、届いたイカリング! 嬉しくてうれしくて、何度も9V の電池に繋いで点灯試験を行いました。このイカリングの構造と明るさの秘訣は「企業秘密」ということで御理解願います。

点灯した写真です。白く・明るい! そしてこの質感。見事な完成度ですね!!  ・・・上質の「イカ」です!

コレ、何だともいますか? 世界で一つの<イカリング・矯正ギブス>なんです!!!

こうやって、イカリングをレンズユニット内へ収まるように形成するギブスです。材料も、そのものズバリ骨折治療用の本当のギブス(アルフェンス・シーネ)です(笑)。外側はアルミ製で成形容易で、内側の保護スポンジは滑り止めおよび傷防止の機能を兼ね備えています。

<イカリング・矯正ギブス produced by Dr.Gardener>使用前・使用後の写真です。

とりあえず<烏賊焼き>の本番前に、イメージトレーニングです。練習用の Lo レンズユニット内に納めて点灯させてみました。(自己満足!)

さて、イカを点灯して自己満足している場合ではありません。イカリングを装着するための烏賊の加工も必要となります。イカリングの欠点は、本来のポジション球部分が光らないということです。これを克服したのが、岩野電気博士の<イクラちゃん>ですが、私はあくまでもイクラではなく烏賊に固執しました。せめて、昼間にレンズ内に黒い影が存在することだけは避けたい・・・その一新で考案したのが「照れ隠し!(named by Mr.ZEN)」です。黒い部分をシルバーでカバーしてレンズ内は点灯しない時でも普通であって欲しいとの願いを込めて。。。 そのために使用したのが○療用チューブ。いつもは赤い液体が流れるチューブです。

配線を背面から導いた部分の写真です。チューブは簡単にカッターで切れますし、イカリングの発光部分もスッポリ挿入されリング径の維持にも役立ちます。

配線を背面から導いて、シルバーに塗ってみました。やはりタッチペンでは化粧の厚塗りでダメですね! これは深く反省しています。スプレーで塗るべきでした。なぜなら、封印時にレンズと本体で挟まれて圧力がかかると塗料がレンズに押しつけられて小さな点状に密着し、あまり美しくない外観になりました。これは<照れ隠し>が柔らかいチューブということも一因です。

まずは Hi のイカリング装着の写真です。レンズをはめての予行演習の後、矯正ギブスごと本体にコーキング剤で接着します。これには透明の汎用コーキング剤を使用しました。

接着まで約24時間です。<イカリング・矯正ギブス>は接着のための力も安心して掛けられます。また接着剤でなくコーキング剤だと、数時間後でも位置の修正が可能です。

さて、これからが本番! Loの烏賊リングの位置合わせです。位置合わせをしつつ、反射板を少しづつ切り足してフィッティングを調整します。

何とか時間を掛けて、Lo 2個の位置合わせと反射板の最終加工が終了しました。あとは、練習用のレンズを被せての烏賊リングと反射板の固定です。写真はありませんが、反射板の破片(髭の下の部分・1/4円周形)を裏打ちとしてコーキング剤で固定しました。作業は、プロジェクター用レンズを外すと簡単に後方から出来ます。

● コーキング実験・封印準備

まずは、分解を失敗した Hi レンズユニットでコーキングの実験です。イカリングは同じ大きさのチューブでダミーを作ってやった方が良かったと後悔しています。

コーキング剤の量が、封印時の仕上がりの綺麗さに影響します。特に透明のコーキング剤以外を使用する場合には。

レンズが割れているので、コーキングの内部へのはみ出し具合もチェックしやすいのが利点です。 イカリングの本体との接着具合もチェックできます。

ジャジャ〜〜〜ン!!! コレ何だか分かりますか? ・・・即答できる方は、DDマニアとして表彰し、御本人より金一封を献上致します(笑)。そうです、忘れもしない2002年3月27日にDD氏が世界に向けて発表した、<イカリング配線用・防水ゴム栓>でございます。これをDD氏に懇願して、無料にて(但しこのイカレポを書くという約束で)今回の<烏賊焼き大作戦!>に使用すべく提供して頂いたのである。

早速、Lo のレンズユニットのポジションランプのソケット穴に挿入してみる。ピッタリだった。。(PROJECT X 風に!)

しかし、イカリングの配線は太い。よって、このゴム栓に大きな穴を開けなくてはならなくなった。DD氏に深く頭を下げつつ・・・ドリルで穴を大きく開けた。

イカリングの発光部分からの計4本の電線が、防水用・ゴム栓を通った。。

結構大きな穴が開いた。。

Lo レンズユニットにイカリングを収納し<防水用・ゴム栓>を装着して、コーキングするとこんな感じです。

さて、Hi の配線を本体から導き出します。まず、イカリング2個分の配線(4本)にジャストサイズのチューブを探します。どこを?って・・・私の場合は工房です(笑)。

チューブを本体に開いた穴を通すべく移動させます。つまり、本体の穴は、このチューブが通る最小サイズが理想的です。

本体の反射板を貫くとこんな感じです。配線の振動に対する反射板表面の保護にも役立つと考えています。

この状態で、配線とビニールチューブの境界部分も含めてコーキングします。

Hi レンズユニットにイカリングを収納し配線を穴から出してコーキング後の写真です。

使用したコーキング剤です。中段はホームセンターの廉価品。198円也! クリアで本体内のイカリング固定や配線の防水加工に多用しました。 上段はセメダイン社の高級品、600円程度。クリアがなかったのが、後々の後悔の元ですが・・・耐久性には換えられません!! 下段は、接着剤ですがハイレンズをこれで接着し直した経験をお聞きして購入しました。私的には、接着に時間がかかっても、レンズと本体は振動に強いコーキング剤(上段)を選びました。よって、今回は使用していません。

これが良いのかどうかは、諸兄の専門的なご意見を頂きたいと思います。ちなみに、装着後1ヶ月間の雨天走行後も Hi & Lo レンズ内共に水滴・曇りなどのクレーム状態は発生していません。あとは、耐久性だと思います。でも、これのクリアがあれば、それが良いと思います。

Hi と Lo の配線をギボシで連結、車体への装着時はそれぞれレンズユニットを交換してから、配線します。とりあえず、完成した状態で点灯したのでこんな写真が(笑)。

さて、レンズユニットが完成し配線終了後の記念写真。パシャッ!

<庭師@の感想>
やれやれ〜って感じです。しかし最終コーナーはなかなか神経を使います。折角焼いた烏賊が短時間で自分へのクレーム商品となっては悲しいからです。せめて、あと10年は大丈夫であって欲しいと祈りつつ、その完成度を期待している次第です。。 防水処理、そしてレンズの曇り、イカリングの故障・・・など無いように自分の技術というか執念に賭けるのみです。

・・・10年経てば、E34も殿堂入り、その頃<イカリング>なんて面白いものもあったなぁ〜と昔話をしていることでしょう。

<失敗談>
一方の Hi のコーキングが少しだけイカリングの方へはみ出してしまったのです。コーキング剤の量は大切です。クリアだと気にならないと思うのですが。。 また一つだけ教育的写真を撮影し忘れて、慌ててコーキング後のレンズを剥がして・・・コーキング剤が少しだけ反射板の表面(他方の Hi )に落ちました。この部分だけは除去後も曇った状態です。やはり、慌ててはいけませぬ。

<お詫び>
最終部分のコーキングの写真が(失敗までして撮影したのに・・・悲)、メディアから読みとれなくなりました。Lo の反射板とイカリングの固定(車の振動に耐える強度が要求されると考えています)とコーキング剤の充填・封印(百科事典の山積み風景)の写真をアップできなくて残念です。


以上、庭師@さんからのレポートであった。「その4 − イカリング装着!・落ち穂拾い・そして、さらなる煩悩編」に続く。



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