2015年3月7日(土)

E36 ヘッドカバーガスケットの交換 − medama1goさんより

今回は、E36のヘッドカバーガスケットの交換レポートをいただいたので紹介しよう。そういえば、M44エンジンの八°カバーガスケット交換レポートって、いままでなかったなぁ。


E34ならびにE36な皆様、medama1goです。

今回、「オイル漏れ撲滅作戦」の第1弾として、ヘッドカバーのガスケット交換をしてみることにしました。

E34のM50エンジンに関しては諸先輩方のレポートがあります。M44も同じDOHCヘッドとは言え、こっちは2気筒少ない4気筒って事で、ある程度は参考にしながら、またある程度は試行錯誤(!)でやってみます。

まずは「BMW」と書いてあるプラグカバーを外します。

ロゴの両端にあるボタンにマイナスドライバー、またはコインドライバーを挿して、90度左へ捻ります。ネジではないので要注意。

外したら、プラグコードを引き抜きます。

この左側にある青い部品は、プラグコードが引き抜き難い時に、丸穴部分にホイールをつけるときに使用するあの棒を挿して、四角い部分でプラグコードの頭を引っ掛け引き抜くためのSST。

抜いたところがこちら。

2番と3番がなにやら湿っぽいですね。しかも2番のプラグホールとプラグコード先端付近には茶色いものが...

実は、先月の半ばにプラグを交換しているのですが、そのときの画像がこちら。

わかりますか? 根元までオイルまみれです(苦笑)。1番も先端にオイルが付着していますね。このオイルを取るのがかなり面倒でした。それから1ヶ月とは言え、結構なペースで漏れているようです。

現状のプラグホールはというと...

DDさんのレポート でよく見る風景です(笑)。なんにしてもよろしくはないので、とっとと直してしまいましょう。

次は、この邪魔なプラグコードを外します。このM44エンジンはデスビ式とダイレクトイグニッション式の折衷みたいな構造で、DMEから気筒ごとに点火信号が出て、それぞれの気筒用の点火コイルに信号が入るのですが、そのコイルからプラグコードを通ってプラグへつながっています。

で、このプラグコード、写真の矢印のところ2ヶ所でヘッドカバーに固定されていますので、これを緩めて遮熱板ごと外します。

上の写真、右側上方に見える黒い塊が点火コイル。この下に4本のプラグコードが刺さっていますので、これを引っ張って抜きます。

抜きます...

抜きま...

 

 

抜けないので点火コイルごと外しちゃいました(爆)。

あ、プラグコードは外す前に取り回しだけはしっかり覚えておきましょう。カバーがつかなくなったり、収まりがつかなくなります。

ここいらで、一度染み出しているオイルをお湯で洗い流します。

周囲のごみのエンジンへの落下を防ぐ意味でも、簡単でいいので洗っておきましょう。

いよいよヘッドカバーを開けます。10mmのボルトを外していくだけなのですが...。ほとんどのボルトは問題ないのですが、一番奥のインテーク側のボルトだけは、BMW特有の傾けられ、重量配分の為に目一杯置くに積み込まれた配置のおかげで、ユニバーサルを使う、もしくは上にある配線ダクトやエアコンの吸気口などを外す必要があります。

ここにきて、プラグのついていたところにある、黒いプラスチック部品も外さないといけないことが判明。どうやって外したものかしばらく悩んだのですが、わかってみれば簡単。

黒い部品の外周4箇所にある出っ張りが、ヘッドカバーにある窪みにはまっているだけでした。ですので、ドライバーなどでちょっとこじって外します。

全てのボルトが外れたら、いよいよカバーを外しにかかります。何もなければ、グイッと持ち上げれば外れるはずですが、そこはそれ。さすがに8万キロも超えてくるとそう簡単には外れません。そこでゴムハンマーで、3発4発、ショックを与えます。

スッと持ち上げるとこの通り。

アイヤ〜〜〜〜! 真っ黒ねぇ〜〜〜!!

購入した時に覗いたオイルフィラー内から、想像はしてましたけどね(笑)。実際に見ると、改めて ┐(´д`)┌ ヤレヤレ って感じです。

これ、カムキャップからプラグホール付近なんですが、スラッジがこびりついている様子がわかりますか?

プラグホールもこんな感じ。

本来ならば、部品を外してO/Hするのでしょうけど、今回はそこまでの予算も時間も無し。 またの機会にしましょう。

って事で、ヘッド側はこのまま縁の部分とプラグホール周りだけパーツクリーナーで清掃、脱脂することに。

こちらはヘッドカバー裏側。

こちらもコテコテです(笑)。 こんなに酷いのははじめて見ました。前のオーナーさんはどんな管理をしていたんでしょうか? 一応記録簿には正規ディーラーの記録がずっと並んでいるんですけどね...

カバーについているボルトには、M50と同じくパッキンがついています。このパッキン、結構固い上に、ボルト側にも抜け止めの出っ張りがあって、なかなか抜けない&入らない。抜く方はどうせ捨ててしまうので、潔くハサミでカットすることに。

問題は嵌める方。しばらく悩んだ結果、ドライヤーで暖めてみることにしました。ドライヤーで少し熱くなるまで加熱して、さめないうちにソケットで打ち込みます。

使っているのは下側が1/2角ドライブの22mm。角ドライブ側を上にしています。上から押し込んでいるのは14mmのロングソケット。これで体重を掛けても安定して簡単に押し込めます。

ここで残念な事態が発覚。ボルトのパッキンが1個注文漏れしていました。仕方が無いのでこれは一番上側の手前、一番漏れにくそうで交換の簡単な所で使いまわしましょう(笑)。

カバー側も簡単にお湯で洗い流し、カバーにある溝に新しいガスケットをはめていきます。

ところが、これが取り付けるときに取れてしまうので、何かいい方法を考えたほうがよいかもしれません。

ヘッド側は、脱脂した合わせ面に液体ガスケットを塗布。

誰か簡単できれいな塗り方を教えてください(爆)。マニュアルには全体に塗布との指示はありませんが、カムシャフト後方の半円型の切り欠き部の角には塗布するように指示があります。 あとは、タイミングカバーとの合わせ目も段差になり漏れやすいので、塗布しておいたほうがよいかもしれません。

使用した液体ガスケットは「ハイロマー」なるメーカーの「ユニバーサルブルー」というタイプ。同メーカーのエアログレードなる液ガスは、ロールスロイス御用達らしいのですが、だからどうなのよ?って感じです。スリーボンドのベンガラ色の液ガスもあるのですが、ボンネットを開けて目に付くところにはちょっと使いたくなかったので、こいつにしてみました。

合わせ目はこんな感じ。

ちょっと浮いているような感じがしないでもないですねぇ...。まぁまた漏れたら、そのとき考えます(爆

最後に、内側から外側へ順番にボルトを締めて完了。

はみ出した液ガスがみっともないです(笑)。

今回の使用パーツです。

Parts Number

Price

Number of items

Total

Item Name

11-12-1-721-879-M17 

 $0.75

14

$10.50 

Valve Cover Bolt Seal 

09-0906-876-M17 

 $22.00

1 

 $22.00 

Valve Cover Gasket Set

両方ともペリカン から購入。

ついでにボッシュの4極プラグに変えて、始動性もばっちり。今度はステアリング周りかな?


M50エンジンと基本的には同じだが、微妙に違うところが難しそうだ。まぁ、一度交換してみれば、次からは要領が分かっているので簡単にできるだろう。

末尾ではあるが、今回も詳しいレポートをいただいたmedama1goさんに感謝する。



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