2013年8月5日(月)

超簡単!LEDイカリング − けろよんさんより

今回は久しぶりにご登場の けろよんさんより、面白いレポートが届いたので紹介しよう。


このレポートはLEDテープを使った超簡単エンジェルリング(通称、イカリング)の製作メモである。

 

1)はじめに

最近街中でイカリングの車とすれ違うたびに、旧型車の私は「かっこいいなぁ〜」と指をくわえて眺めていた。これまで、イカリングへのモディファイとしては、ヘッドランプレンズの中にLEDチップを実装した特注の円形基盤を入れる方法、レンズの中にCCFL管を円形に入れる方法、レンズのガラス前面に導光チューブやLEDチップのチューブを接着する方法などで、先達たちにより実現されていた。

ただ、レンズの中に発光部を入れるタイプでは、レンズをガラス面とランプボディを割る必要があり、手間や故障した時のことを考えると根性のない私には手を出せなかった。一方、レンズガラス前面に発光チューブを接着する方法は故障時には比較的容易に修理可能ではあるが、飛び石や高圧洗車機を使うことを考えるとなかなか踏み切れないでいた。

そんな折、 LEDテープを用いた簡便な方法で実装した例を某所で拝見し、これなら私にもできそうと思って真似させていただくことにした。以下、作業のポイントをメモとして記す。

 

2)側面発光型LEDテープ

LEDテープの外観を写真1、2に示す。側面発光型LEDテープとは、1cm間隔で微小LEDチップがテープ状のシート基板に表面実装されているもので、チップ部分がかまぼこ状の透明な樹脂で防水カバーされている。側面発光とは、このテープの側面方向(写真2の上方向)に光が出射されるというもので、後述するようにランプボディの周囲に巻いた時に前方に光が出射されるので都合がいい。


写真1 LEDテープの外観(真ん中で切断後のもの)


写真2 LEDテープの外観(拡大図)

今回購入したものは、3チップごと(写真2で金属端子間の×印のことろ、3cm刻み)に切断できるもので、発光色はホワイト、厚さ2mm、幅5mm、ベースが白基板で防水のものを選んだ。通販で調べたところ、これが最も薄くて幅が狭いものであった。黒基板もあるが、LEDチップが白いため白基板の方がチップが目立たないことと、白基板の方がうまく光が拡散して連続して見えるように思えたので白を選択した。LEDテープの両端にリード線が付けられており、90cmのものを真ん中で切ると2本(2灯分)が確保できる。4灯分として90cmを2本購入した(1本1900円程度)。

裏面に両面テープ付きで、DC+12Vにつなぐだけで発光するので超お手軽である。発光を確認するときには、かなり明るいので目に注意する方がよいだろう。チップ側面をよく見ると薄い黄色をしている側が発光方向で、このテープの場合、+極側(赤リード線)であった。写真3は室内で発光させてかなり露出を絞って撮影したもので、写真上方向が発光方向である。LEDテープは基本的にはフレキシブルな電子基板なので折れ曲げないように注意深く扱う方がいいだろう。


写真3 発光中のLEDテープ(画面上方向が発光方向)

 

3)ホルダーリングの準備

イカリングはヘッドランプの周囲のステンの飾りリング(ホルダーリング)の外周に接着する。ランプとグリルとの間隔が狭いため、バンパー、キドニーグリル、ランプ周りのグリルを取り外した方が楽である。これらを取り外す手順は、DDさんの記事 を参照いただきたい。

次に、ホルダーリングを取り外してきれいに洗っておく。ホルダーリングは前方向に引っ張れば簡単に外れるはずである。この時、ホルダーリングの断面が鋭利なので手を切らないようにご注意を!(経験者談) ちなみに、リングの回転方向の向きは最下部に水抜き穴が来るようになっている。


写真4 バンパー、グリルを取り外した状態

 

4)LEDテープをホルダーリングに接着

まず、イカリングをどういう形状にするかを決める必要がある。私はオーソドックスに丸く1周回すことにしたが、一部分だけにすることでイカリングの表情を変えることができる。某氏の「怒リング」だけでなく、「笑リング」というのも楽しいかもしれない。LEDテープは必要な長さにニッパで切断した。

次に、ホルダーリングを脱脂し、水抜き穴を目印にLEDテープのリード線が水抜き穴の反対側(取り付けた時の上部)に来るようにして、 LEDテープを張っていく。この時、LEDの発光方向を確認することを忘れてはいけない。5mm幅のLEDテープだとホルダーリングのRの始まるギリギリのところでちょうどいいはずである。LEDテープの両端は端子が外に出ており、ここから水が入ると故障するらしく、2液性のボンド(30分硬化型)で端部固定を兼ねて防水処理を施した(写真5)。


写真5 ホルダーリングに接着したLEDテープ(端部防水処理済)

これを4個のホルダーリングすべてについて実施する。完全に硬化してから、ホルダーリングをランプに装着する(写真6)。


写真6 ランプにホルダーリングを装着した状態

グリルを装着するときにはLEDテープとの間隔がギリギリであるので慎重に元に戻す(写真7)。


写真7 グリルを元に戻した状態

イカリングの配線は左右各々のポジションランプの電源から取った。茶色線が−(マイナス)である。車検の時のことを考え、車両側配線にギボシ端子を付け、ノーマルのポジションランプかイカリングのどちらか一方を接続するようにした。完成後の点灯の様子を写真8〜10に示す。


写真8 イカリングの見え方(昼間、ポジションのみ)


写真9 イカリングの見え方(昼間、ポジションのみ、拡大図)


写真10 イカリングの見え方(薄暮、Lo点灯)

少し青みが強いが予想以上の明るさである。今風の車みたいでちょっとうれしい。

参考までに保安基準を確認してみたら、イカリングが属すると思われる「車幅灯」は、個数は2個または4個で、色は白色ですべて同色、左右対称にする必要があるようだ。したがって、ノーマルポジション球と一緒に点灯させると6灯とカウントされる可能性があるし、4つのイカリングのうちの1つが切れると左右非対称となって違反になるので注意が必要である。

 

所感

簡単な作業と思っていたが、同じものをいくつも作るのに少々手間が掛かった。また、配線を取り出すため、ランプ裏の狭いところでのはんだ付け作業も難儀であった。耐久性が少し心配だが、ランプの側面なので飛び石直撃の危険性は少なくなるだろうし、壊れても配線ができていれば大した手間ではないだろう。(ということにしておく)

最後になったが、有益な助言とサポートをいただいた牛(GYUU)ちゃんをはじめ、作業をお手伝いいただいたアルタァさん、ぽんちゃん、Mゴローさんに感謝する。今回もやはり「先達はあらまほしきことなり 」である。


このLEDテープを使ったイカリングは、先日のオフ会で牛ちゃん号にも付いていたものだ。これって、ライトリングを取り外すような治具があれば、グリルを外さなくても取り付けできるんじゃないかと思ってしまう。それなら一層お手軽だ。だれかチャレンジしてレポートしてくれないかなぁ・・・。

末尾ではあるが、面白いレポートをいただいた けろよんさんに感謝する。



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