2012年11月23日(金)

ファイナルステージの修理 − コンデンサ交換

いつもB級グルメツアーでお世話になっているジャークSさんのお車のファイナルステージが壊れたとの連絡があり、とりあえずDDが手元に持っているファイナルステージを送ることになった。写真1に手持ちのファイナルステージを示す。


写真1 ファイナルステージ

このファイナルステージ(通称、カタナ)が壊れるとエアコンのブロアファンが正常に動作しなくなる。一般的な壊れ方は、中間風量にダイヤルを設定しても風が出てこないというものだ。この故障の原因は、ファイナルステージ内部にあるコンデンサの破損の場合が多い。ブロアファンを中間風量に設定していると、ファイナルステージの放熱板が非常に熱くなる。風が放熱板に当たって熱が逃げている状態のときはいいのだが、マイクロフィルタが詰まって風量が落ちてしまうと放熱板が熱くなり、近くにあるコンデンサが熱で壊れてしまうようだ。だから、この破損したコンデンサを交換すると、ファイナルステージの不良が直ることが多い。ちなみに、最大風量に設定した時は放熱板に付いているFETに電流が流れないような設計になっているため発熱も起こらない。すなわち、ファイナルステージを長持ちさせたい人は、

ことに心がけよう。

さて、このファイナルステージをジャークSさんに送る前に、念のためコンデンサが交換されているかどうかを見ておこう。まずは、写真2の位置にあるネジを外す。


写真2 ファイナルステージのネジ

次にファイナルステージを裏返して、写真3の赤矢印にある4つの小さなネジを外す。


写真3 ファイナルステージの小さなネジ

すると、黒いプラスチックのカバーが外れて、写真4のように基板を見ることができる。交換するのは、写真に赤矢印で示した3つのコンデンサだ。


写真4 交換するコンデンサ

このコンデンサは、メタライズドポリエステルフィルムコンデンサ(シーメンスMKT積層コンデンサともいう)の0.47μFのものである。ピン間隔は5mmのものがいい。DDは手元にいくつか余分があるので、必要な方は連絡してほしい。

交換するためには、写真5のようにコンデンサを接続しているハンダをハンダ吸い取り器で吸い取ってからコンデンサを外し、その後、新しいコンデンサを取り付ければいい。


写真5 ハンダを吸い取っているところ

この時、ハンダごては60W程度のものがあった方が作業しやすいだろう。写真7に新しいコンデンサと取り外したコンデンサの比較を示す。


写真6 コンデンサ(左:新、右:旧)

古いコンデンサが外れたら、そこに新しいコンデンサをハンダ付けする。コンデンサの端子間隔が5mmのものなら、ピッタリと取り付けることができる。写真7にコンデンサを交換した基板を示す。


写真7 コンデンサを交換した基板

最後に黒いプラスチックカバーを取り付ければ交換作業終了だ。ハンダ付けに慣れた人ならコンデンサさえ用意できれば簡単だろう。



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