2011年2月19日(土)

E90 ルームミラー下セキュリティLEDの利用 − ミッチョさんより

E90に乗り換えておられたミッチョさんより、ルームミラー下のセキュリティLEDを利用したセキュリティランプ取り付けのレポートをいただいたので紹介しよう。


E90のルームミラー下にも、純正セキュリティシステム用のLEDが、初めから仕込まれている。(写真のミラーが分厚いのは、ETCユニット内臓のミラーだからである)

DDさん作のアンサーバックユニットによって、多くのE39オーナーの方がアンサーバックとともに、このLED点滅に成功している。すでに仕込んであるLEDを利用しない手はないので、自車の配線調査をしていみると、E39、E46と同じように、LEDには常時電源が入っている。配線されていない9番ピンをグランドに落とすと点灯することが分かった。「不明」の配線が2本あるが、自動防眩サイドミラー関連のと思われる。


ミラー下LED


10Pコネクタ


10Pコネクタ2

動作原理はE39と同じなので、DDさんのE39用アンサーバックシステムが使える。E90には標準でアンサーバック機能があるので、セキュリティLED機能だけを使うことにして、ユニットを送っていただいた。その際、ちょっとだけ点灯パターンにリクエストをしたところ、快く引き受けていただけた。


アンサーバックユニット


アンサーバックユニット内部

 

【取り付け】

1 ミラーへの配線

(1) ミラーベースのカバーを外す

カバーは左右2分割ではめ込んであるだけだ。左右に引っ張ることで外すことができる。


ミラーベースのカバーを取ったところ


ミラーベースカバー

ミラー前方の四角い箱は、レインセンサーである。

(2) 10Pコネクターへ端子を挿入する

同じサイズの端子を10Pコネクターの9番に挿入する。サイドのロックを起こし、端子の突起を押すとコンタクトピンを抜くことができる。手持ちの良く似た端子を若干加工して挿入した。試しにアースに接続すると、ちゃんと点灯した。


防眩ミラーコネクター


9番にコンタクトピンを入れたところ

(3) グローブボックスまで配線を引く

ミラーの10Pコネクターから天井、左Aピラーカバー内を経由してグローブボックスまで配線を引く。


配線の引き回し場所

Aピラーカバーは「AIRBAG」のカバーを外してトルクスねじを外すと、引っ張るだけで取り外すことができる。AIRBAGの展開を邪魔しない場所に配線を固定し、グローブボックス内まで配線する。


Aピラーカバーの外し方1


Aピラーカバーの外し方2


Aピラー内の配線

 

2 常時電源とアース配線

グローブボックスの奥にヒューズボックスがあるので、空きヒューズから常時電源を取ると簡単である。今回は2番ヒューズから常時電源を取得した。

エンジンスタートがプッシュスタート式のBMWは、キーを挿していなくても、ほとんどのヒューズに通電されている。ロックするか30分経過するとタイマーによって電気が遮断される回路が多数あるので、常時電源と間違えないように注意が必要である。ヒューズボックスの常時電源、イグニッション電源を調査したので、別にレポートをする予定である。

最近の車はアースも取りづらくなってきているが、画像の場所からアースが取れる。


電源とアース

 

3 ロック・アンロック線への配線

グローブボックス下のカバーを外すと、ロック・アンロック線が集まるジャンクションボックスにアクセスできる。


アンダーカバーの取り外し


ジャンクションボックス

ジャンクションボックス奥の配線の束を解くと目的のロック・アンロック線がある。

E87(1シリーズ)、E85(Z4)、E91,92,93(3シリーズ)、E83(X3)、E70(X5)はロックモーターが2個あり、ロック線も2本ある。ロック線白は車速信号などによるオートロック用の信号線で、ロック線黒はキーレスやキーによるドアロック用となっている。したがって白線に配線すると、車速によるオートロックでも点灯してしまうため、黒線に接続する。

次の画像は上記のことが分かる前だったので、ロック線を白線に接続している。後に同じところにある黒線に接続しなおした。青、白、黒線は4ドアなので4本ずつある。運転席とそれ以外のドアで、リモコンロックタイミングをずらす設定にする場合は、運転席ドアの配線に接続する必要があるが、そうでない場合はどの線に接続してもかまわない。

ちなみに、運転席ドアへの配線のコネクタ番号は次のとおりである。


ロック・アンロック線の接続


ドアロック配線図

 

4 本体の固定

ディップスイッチで点滅パターンが変更できるので、後からアクセスできるように、グローブボックス奥にある、ヒューズボックスのカバー裏に両面テープで固定した。最後に配線をまとめて取り付け完了である。

 

5 動作のようす

動作の様子を動画にまとめてみた。暗いため鮮明とはいえないが、動作の様子は良く分かると思う。

ロックすると3秒ほどLEDが点灯し、その後点滅動作に入る。アンロック時は5回高速点滅して消灯するよう、DDさんにプログラミングしてもらった。

 

6 最後に

このレポートは2005年式の前期型E90 320i 6MT で、コンフォートアクセス装備車である。年式や仕様によって、配線色などが違っている場合もあるので、作業する場合は自己責任でお願いした。 いつもながら、わがままなオーダーを、快く引き受けてくださったDDさんに感謝する。


今回はミッチョさんより装置製作のご依頼があったので、ちょっと作ってみた。と言っても、ハザード制御がない分だけ、E39用のものより簡単である。ロック、アンロック時のLED点灯もリクエスト通りにうまく点灯するようで安心した。

末尾ではあるが、いつも面白いレポートをいただいくミッチョさんに感謝する。



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