2010年9月5日(日)

E39 TRANS FAILSAFE PROGとインヒビタスイッチ修理 − NOTAさんより

今回は、E39にお乗りのNOTAさんより、インヒビタスイッチ(ポジションセンサ)修理のレポートをいただいたので紹介しよう。


私のE39は平成15年式・走行62,000キロの530iです。

昨年の冬から始動直後に"TRANS FAILSAFE PROG"が表示され、時々パーキングの位置にてエンジンスタートするとエラーが出ました。調べてみますと、エラーの原因には、オルターネタの電圧降下やミッションのトラブル等、いろいろあるようです。1つの原因として、インヒビタスイッチ(BMWで言うシフトの「ポジションセンサ」)が原因ではないかと推測しました。しかし、トランスミッションとTRANS FAILSAFE PROGに関する記事が少なく試行錯誤しておりました。

4年前のサービスフリーウェイ保証切れ寸前に故障したオルタネータは既に交換してあるし、バッテリーも規定電圧があります。このエラーが出ると、セレクターポジションランプが消えてしまい、3速発進になってしまいます。

この症状は、昨年の8月に青森の旅行先で発症しました。ニュートラルでエンジンスタートしたところ問題なくスタートできたり、何回かエンジンをかけ直したりすると、正常に作動します。一度正常に始動してしまえば、全く症状は現れません。停止する時に、シフトレバーをPの位置に持っていくと、再び表示されることがあります。冬場に多く発生していました。どうもPの位置と関係がありそうな気配です。そのため、インヒビタスイッチ(ポジションセンサ)が原因と確信しました。

そこで、かかりつけのオートモーティブで相談しました。ディーラーでインヒビタスイッチの単価を聞くと33千円とか・・・。工賃を含めると4万円位になりそう・・・・。

そこで、車をジャッキアップし、物を確認、分解をしてみることになりました。オートモーティブの社長は、使えなくて元々・・・・、と分解を挙行。

まず、物を確認。インヒビタスイッチ(シフトのポジションセンサ)は、下からの覗いたときに、助手席の下のシフトレバーの下にあります。これはシフトレバーとワイヤーで直結してあります。もちろん、ジャッキアップしないと確認できません。


(これは修理後の写真です)

インヒビタスイッチは扇形のアルミとプラスチックで、車体から外すにはボックスかメガネレンチ12と13mmを使います。確か、軸のナットと固定のナットのサイズが違ったと思います。


(脱着後の写真)

ケーブルが付いていますが、コネクタで接続されていますので回しながらコネクタを外すことができます。外した本体の写真です。

車体からインヒビタスイッチを外しますと、本体のアルミとプラスチックが7本のアルミリベットで固定しています。中を見るには、殻はずしをしなくてはなりません。

そこで、アルミリベットを4mmのドリルで揉んでリベットをとります。

リベットの開いている方(かしめてある方)を揉みますので比較的簡単に取り外すことができます。

プラスチックの面を上にしてふたを開けると、半ロータリースイッチとアルミべースに分かれます。ここが問題です。

プラスチックの殻側の接点とロータリーの接点がうまく接触していないのでしょう。ロータリーの接点が沈んでいるようなので、幾分引き起こしてやります。

引き起こしすぎないようにしてください。プラスチックの殻側は、接点を磨いてやります。汚れてなければOKです。

接点にグリース(車用で、問題ないとのこと)をぬってやり、ロータリースイッチを組み付けます。そのとき、パッキンの外側の溝に(プラスチック側)コーキング材(今回はシリコーンシーラント使用)でモールドしておけば防水になるでしょう。

次にリベットの入っていた穴にボルトを入れてプラスチックの殻とアルミのベースを固定します。ホームセンターでステンレスのボルトとナット(4mm径で長さ15mm)を7本用意しました。このとき、ナットは、アルミ側に取り付けます。

信号線のコネクタには、接点復活剤を吹いておきましょう。最後に、分解と同じ要領で組み付けます。

完成後は、パーキングでシフトレバーを揺さぶってもエラーはでなくなりましたし、イグニッションON時もエラーはでなくなりました。33千円+工賃かかるところが、ビス+ナットの300円で完治いたしました。アドバイスと、修理にご協力いただいた我が主治医のオートモーティブの社長に感謝です。

参考になりましたでしょうか? この作業でずっと悩まされていたエラーが改善しました。冬場は金属の収縮により発生する度合いが高いようです。参考になれば幸いです。


E39でTRANS FAILSAFE PROGエラーの出る人は、ミッション自体だけでなくポジションセンサも疑ってみる必要がありそうだ。

末尾ではあるが、貴重なレポートをいただいたNOTAさんに感謝する。



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