2009年8月23日(日)

E39 フロントドアのデッドニング − 磯辺温泉さんより

今回はE39にお乗りの磯辺温泉さんより、フロントドアのデッドニングのレポートをいただいたので紹介しよう。オーディオ好きな人は必見だ。


みなさんこんにちは。E39乗りの磯辺温泉と申します。

前回のオーディオのインストールに引き続き、今回はフロントドアのデッドニングレポートです。

今回の作業にあたってネットでひとおおり検索したのですが、E39のデッドニング体験レポートは、ショップの事例を除き紹介されているケースが少ないようです。そこで、ギブ・アンド・テイク精神で皆様の参考になればと思い、レポートを提出します。あくまで初心者の体験レポートとして、細かい突っ込みはなしでお願いします。

インストールするスピーカーはエクリプスのタイムドメインシリーズ。SGX-TD512

さっそくですが、インナーパネルを取り外してみる。例の黒ボックスは撤去済みだが、これでは高音質は望めない。

国産車の場合だと、ビニールシートで覆われているが、この辺も社外ノイズ低減のためか、吸音スポンジ?みたいなもので覆われていた。とりあえずこの吸音スポンジ?みたいなものも外してみる。

異様にでかいサービスホールだ。これを見てあきらめる人も多いと思う。制振シートで塞ぐという手もありだが・・・・

取り敢えず加工が楽な9ミリ厚のMDFで作成することにした。さっそく型紙をあててMDFボードを切り出してみる。

MDFボードの取り付けはスピーカーの既存穴3箇所と、下部には、鉄板ビスといわれるもので挟み込む方式で固定した。一応、サビ対策として、グリスを塗布してある。

インナーパネルの小物入れは、このサービスホールに入り込む状態で収まっている。ここで、MDFに穴をあけるか、小物入れを加工するかの選択をしなくてはいけない。MDFへの加工は精度出しや強度、音質への影響が大きいので、小物入れを加工することにした。加工にはホットナイフがあると便利だ。秋葉原で2,000円ぐらいで購入できる。

このあとは、スピーカーの設置だ。ドーナッツ状のMDFを何度も切り出し、インナーパネルの室内側高さまで、重ね合わせる。最終的にドーナッツは4つ必要だった。スピーカーが固定されるドーナッツ板は、鬼目ナットを加工しMDF面にツライチとした。

インナーパネルと4枚目ドーナッツ板をぴったり嵌める必要がある。3枚目まではケガキ線に沿って重ねていくが、4枚目はインナーパネルを付けた状態で室内側より接着することにした。

インナーパネルの表皮仕上げ部分はあらかじめカッターで切り離しておき、プラスチック部分のみをインナーパネル裏側からサンダーで削り取った。削り取ったら表皮を戻しボンドで固定した。

もう一度、インナーパネルを剥がして、塗装、デッドニングの処理を行っていく。ここではaudioテクニカAT7500を利用した。

先ほど重ね合わせたドーナッツ板は、背圧がきれいに逃げるよう斜めに穴を整形する。

MDFボードは防水の為に塗装しておく。もともとインナーパネルは雨の通り道で、ここに溜まった水は下から抜けていくが、乾燥するまでにある程度の湿度を保つことになる。MDFボードは耐水性がないので注意が必要だ。

スピーカーケーブルの取り回しをどうするか、実は他の記事でも車内側への配線で課題となっていた。その記事を読んだだけで、たぶん無理・・・と私も簡単にあきらめた。

いろいろ考えたが、結局、欠点をあえて露出させる方式とした。

ここで気になるのが、損失を抑えるためになるべく端子を増やさないで直結することだ。このユニットは結線された、ネットワークが標準仕様だったので、ちょうどその位置にバナナプラグを装着してみた。極性を入れ替えたりするときは便利だ。SP→N/W→バナナP→ヘッドユニット(→がケーブル)

ドアが閉まったときは、ケーブルをわずかに引っ張るような仕組みを考えるが、今は課題としておく。MDFの外周は、ブチルゴムで埋めてみた。音だしをして、共振ポイントがないかチェックする。インナーパネルの間には吸音材も入れてみた。

最後にドアポケットの納まりを手直しして、ビニルレザーで仕上げた。

ビニルレザーは、そのままMDFボードに貼ると安っぽくなるので、吸音材の上に貼った。指先が触れると高級家具のようで質感も感じられるようになった。また底の部分についてはグレーの内装材を貼り付け仕上げてアクセントをつけてみた。

ノーマルの内装材を生かすなら13p位が限界ではないかと思う。小型スピーカーといえども、低域から広域までバランスよく音がでている。ボリュームを絞ってもすべての音域ではっきり聞こえるようになった。

作業日数はフルで5日以上かかった。このくそ暑い中、近所にはヘンタイ、いやオタクと呼ばれてもめげずにできた。

さほどコストはかからないが、労力に対する満足度は高い。みなさんも是非!やってみてください。


いかがだろうか? MDFボードは比較的加工がしやすく、近所のホームセンターで手軽に手にはいるので、興味のある方はデッドニングにチャレンジしてみてはどうだろう。夏休みの工作(?)感覚で取り組めるし、ご存じの通りデッドニングによる音質の向上はかなりのものである。

末尾ではあるが、面白いレポートをいただいた 磯辺温泉さんに感謝する。



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