2009年3月24日(火)

ダイレクトウォッシャーの取り付け − あるぴな小僧さんより

今回は、メンテレポート常連の あるぴな小僧さんより、かなりマニアックなレポートをいただいたので紹介しよう。


【はじめに】

BMWのウインドウォッシャーノズルは2本出しのタイプであるが、ウォッシャー液がウインドにうまく広がっていない。そこで、小僧のアルピナはウォッシャーノズルを拡散タイプに変更している。これによりウィンドに満遍なくウォッシャー液がかかってる。

しかし、ウインドウォッシャーをした後、ボンネットの上にウォッシャー液の形がくっきりと残ってしまう。とくに晴れた日は最悪である。それを少しでも解消するために、ウォッシャー液の代わりにただの水を入れている。

でも、根本的に何とかならないものかとWebで検索していた。するとダイレクトウインドウォッシャーなるものがヒットした。これはワイパーアームにノズルを付けてそこからダイレクトにウォッシャー液を噴射するものである。

トラック関係や最近の車には標準装備になってきているもので、三菱デリカやランエボ乗りの間ではかなり前から当たり前のことらしい。

そこで小僧もダイレクトウォッシャー化するべく部品を調達した。

 

【部品の調達】

部品としてはウォッシャーノズル、ホース、ジョイント、逆止弁などである。右ハンドルであれば日本車用をそのまま転用すれば簡単であるが、左ハンドルの場合ノズルが逆向きになるためそのままの転用は難しい。でも、一つだけ方法がある。それはトラックなどで左右開きになるワイパーで、そのワイパーの左側の部品を使うのである。

で、色々調べると三菱ふそうのファイターが左右開きワイパーであることがわかり、その部品を購入した。全国の三菱ふそうの部販で購入可能である。たとえ部品番号がわからなくても、現物を確認しての購入もできる。

実は以前に右ハンドル用を改造できないかと買ってそのままになっていた。この手があったのかと目から鱗、棚からぼた餅(?)である。


三菱ふそうのファイターのウインドウォッシャー関係の部品図(全車両の代表品番表示)


三菱ふそうから購入した部品である。

部品図とは品番が違うので注文するときはこちらの品番で発注する。


その他に継ぎ手や逆止弁はオークションで入手した。

取り回しがわからないので余分に購入した。

計2350円の内、実際に使用したのは960円分である。

 

ウォッシャーノズルの形状


前側ノズル(2穴)


後側ノズル(1穴)


このようにワイパーアームにネジ止めで固定する様になっている。

いきなりアームにネジ穴を開けるのは怖いのでアームに挟めるように金具を作ってみた。


作った金具。


金具にノズルを取り付け。


ワイパーアームに挟んでネジで固定する。

 

【取り付け】

現状のボンネットについているウォッシャーノズルからホースを外すため、ボンネット裏のインシュレーターを外す。


ボンネット裏のインシュレーター


26個のピンで止まっている。

先にも書いたように、ウォッシャーノズルを拡散タイプに変更しているのでチューブの繋ぎが変わっている。このBMWではウォッシャーノズルに2本のホースがつながっている。1本はウォッシャー液用、もう1本はリムーバー液用である。リムーバー液は使っていないので外して栓をしている。

ちなみに、拡散ノズルの取り付けには、純正ノズルをカットして台座として利用する。これは拡散ノズルがボンネットの穴より小さいためである。


拡散ノズル


ノーマルのウォッシャーノズル(ヒーターつき)

ウォッシャー液側のホースを引き抜いてボンネットから取り外す。ホース先の二股部分から先は外しておく。


ボンネットの蝶番部分

ノーマルのウォッシャーノズルはノズル内部に逆止弁が内蔵してあるが、拡散ノズルは無いので別に逆止弁をつけていた。


劣化によりバラバラになった逆止弁(逆止弁は購入済みのため問題なし)

ウォッシャーホースをウインド側に持ってくるに当たり1箇所穴を開けなければならないが、よく観察するとちょうどいいところに打ち抜けるところがあった。


コントロールユニットボックスとフロントサスアッパー固定部との間


何のための穴なのだろう?


ここにホースを通す。

ホースの取り回しが終わったのでワイパー部の作業に入る。


エアコン外気導入グリル(ワイパー部カバー)を外す。


助手席ワイパーの取り外し。


運転席ワイパーの取り外し。


ワイパー下部分にホースを通す。


少し短いので先に外した二股部分のホース使いをストレートジョイントで延長。ウインドの中間位置ぐらいでT型逆止弁をセット。


これから左右のワイパーにホースを繋ぐ。

ワイパー側の部品をセットする。

実際にワイパーを動かしてホースの取り回しを決定する。

位置が決まったら穴を開けてジョイントを取り付ける。


ちょうどネット部分になったので間をカット。

同様に助手席側も位置決めして固定する。こちらはいい位置がない。


ボディーに穴あけ固定。

ジョイントが固定できたらホースを繋ぐ。

各部を元に戻して完成。

試運転。ウォッシャーだけを見たいのでワイパーモーターのコネクターを抜いてスイッチオン。何度か出してノズルを微調整する。


室内からの様子。


外から見た様子。


全体

ボンネットを閉めるとホースはあまり目立たない。 

 

【おまけ】

今回のダイレクトウォッシャー化のついでに、ウォッシャー液タンクのグロメット関係を新品に交換した。


ウォッシャーポンプ部


液面スイッチ部

これで液跡を気にしなくていいので、普通のウォッシャー液(撥水ウォッシャー液)が充填できるようになった。

また、ワイピングの初期からウォッシャー液がワイパーにかかるためウインドの傷つき防止や、高速走行中にも確実にウォッシャーが可能になる。ただ、良い点ばかりではなく、寒冷地などではウォッシャー液が凍るので採用不可だと思われる。またホースが一部むき出しのため耐久性も問題である。

個人的には良いと思う。一つ問題があるとすればノズルが大きくて目立つことだろうか。トラック用だから当たり前か(爆)。

あとの作業としては、ノズルの余分な部分をカットして少しでも小さくすることと、前のウォッシャーノズルを除去、または他に転用したい。

もしダイレクトウォッシャー化したい人がいれば、右ハン用であれば部品を提供いたします。1セットはオークションにて、もう1個は三菱アイ用のノズル。このアイ用のノズルが小さくていいのだが、左につけるにはちと厄介なので放置(笑)。他にもあまったジョイントなども提供いたします。

ただ、小僧のアルピナはエアロワイパー装着のためにワイパーアームそのものを変更してあるので装着できたが、ノーマルのアームは形状が特殊なため装着が難しいかも知れないと言うことだけは頭に入れておいていただきたい。


いかがだろうか? あるぴな小僧さんは簡単そうにレポートしているが、これを実際にやってみようとするとかなり難しいと思う。それに、ワイパーにノズルを固定する金具なんて作れないし・・・(苦笑)。

末尾ではあるが、かなり大作で面白いレポートをいただた あるぴな小僧さんに感謝する。



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