2008年8月8日(金)

LKMの修理 − medama1goさんより

今回はmedama1goさんより、LKM修理のレポートをいただいたので紹介しよう。


以前にHIDをインストールした私の車両ですが、6月にフォグランプが片目となり、調べた結果バラスト故障によるものと判明したため、現在は再びハロゲン仕様に戻してあります。

で、今度はロービームが片目に。orz

フォグに付けていたのは三菱製の旧式のバラストだったため、故障してもさもありなんと言ったところでしたが、ロービームはトヨタ純正の小糸(デンソー?)製。そうそう壊れることも無いだろうと思いつつ、一応念のためフォグで正常だったバラストに交換しても不点灯。

「なんで?」

点かないならフューズ?と思い、チェックするも異常なし。フューズが異常なければLKMかバラストかバーナー。それ以外だと各配線のショートか断線になってしまうので、それだけは避けたい所。

取りあえず、セオリー通りにバラストへの電源線を外し供給電圧を測ると、12V弱。一応電気は来ているようです。

では、改めてバラストを接続すると、やはり不点灯。

「なぜ?」

既に頭の中には「?」が山のように沸いています。トヨタ純正、元フォグにつけていた三菱製、どのバラストにしてもバーナーにしても点きません。

何かがおかしい。

そこでギボシ端子の防水カバーにテスターのプローブを突っ込んで、通電状態で電圧を測ると、なんと2V強しか掛かっていません。

なんじゃこれは!?

どうやら経路のどこかで10V近くもドロップしているようです。念のためと思い、外したバラストとフォグで使っていたバラスト、全てバッテリーに直結してみると、故障したバラスト以外は全てOK。

となると、後はどこでドロップしているかです。そこでLKMを外して、22番端子へバッテリーから直に12Vを供給してみると、

点いた!

これで犯人はLKMにほぼ確定。

LKMと言えば定番とも言えるトラブルが、半田クラック。そこで私もその線を当たってみる事にしました。

これが外してきたLKM。

既にケースを剥かれています。ピンボケで見づらい点はご容赦を。コネクタ両脇に2個づつ並んでいるのが各ライトに電気を供給するためのリレー。

今回のターゲットは一番右下のコイツです。

ヘラーのロゴのすぐ下についています。

その裏面、半田を盛りなおします。

ただ、クラックが原因だとするならば、遅かれ早かれ他の半田付け部分にも同様にクラックが入る可能性がありますので、一応薬品処理のしていない半田付け部分、全てを盛りなおし。この作業は40Wクラスのコテがお勧め。

一応ケースの型番を。

岩野師匠の解析レポートにある、一番旧式でシンプルなタイプです。

さぁ、半田も盛りなおしてこれで点くハズ、と試験すると、

点きませんよ〜〜〜。orz

こうなってくると、半分自棄です(笑)。

LKMをあちこち突っつきまわし、リレーを指で押したり放したりしている内に、リレーそのものが接触不良と判明。

って事は、リレーの接点をうまく接触するよう加工すればきちんと接続するはず...なのですが、このリレーは少々特殊なため、思うように接点が曲がってくれません。

仕方なく、ヤフオクで中古を物色するに8000円前後となかなかに高額。しかも中古である以上、翌日壊れても仕方が無いというリスクも付いて来ます。

では、ここは安全第一で新品を...買いません(爆)。汎用リレーを加工して純正と同様の動作をさせることにしました。

先ず純正リレーの回路ですが、このようになっています。

一つのリレーの中で二回路に分岐し、なおかつ片方はB接点付きという、これまたヘンテコな代物です。当然市販品に同じ仕様の物はありませんので、近くのカー用品店で入手できる部品で使えるようにしなければなりません。

で、これと同等のものを汎用品に置き換えた所がこちら。

右左の分配をリレーの下流で行うならば5極リレー1つで良いのですが、球切れ検出機能にも影響が出そうなので、ここは敢えて無駄と思いつつも、そのままの回路で行くことにしました。

先ず厄介者のリレーを外します。

次に、先ほどの回路図の通りにリレーを結線し、側面に穴を開けたLKMのケースに通線します。

使用したリレーはエーモンの5極リレーと同じく4極リレー。E34のフューズボックス内は、スペースがありそうで意外と無いですので、入手できるならば、できる限り小型の物の方が良いと思います。もちろん接点容量内でですが。

市販されている自動車用汎用リレーなら大丈夫と思いますが、パーツショップなどで購入する場合は接点容量が小さい場合がほとんどですので、気をつけてください。

で、通線したリレーからの線を基盤へ配線します。

ケースをかぶせて車両へ搭載します。

あ、ケースに穴を開けるときに、良く考えて空けないと、私のようにLKMの向きが逆!なんていうマヌケなことになりますので、気をつけてください。5個純正リレーが並んでいる所の左下が開いているようですので、ここへ5極リレーを押し込んで...

4極リレーも何とか押し込んだところがこちら。

ここで豆知識。フューズボックスのロック用のフラップは、下へ軽く叩き込んでやると簡単に外れます。LKM付近を触るときは、外した方が楽かもしれません。もちろん、つける時は位置を合わせて軽く引き上げるようにするだけできちんと戻ります。

LKM側面からの線の引き出しはこのようになります。

ボックス側面の空間に押し込んで固定しています。 さて、結果ですが、

点きました。

特に異常も出ていませんし、CCMやLKM絡みのエラーを吐く事も、今の所はありません。バラストの線を抜くと、ちゃんとDIP BEAMの警告も出ますし、取りあえず当面の目標は達成したようです。

また、リレーも汎用なので、今後故障した場合は簡単に交換できると言うメリットもおまけで付いて来ました。

車両が旧くなると、ボチボチとリレーの接点も腐ってきますので、電装系のトラブルはリレーその物も要注意です。


リレーの外付けとは! 普通、その発想はないと思うが・・・(笑)。

末尾ではあるが、いつも面白いレポートをいただいくmedama1goさんに感謝する。



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