2007年2月21日(水)

E39 スターターモーターの修理 − ミッチョさんより

今回はミッチョさんよりE39のスターターモーターの修理レポートをいただいたので紹介しよう。なんかミッチョさんの車って、よく壊れてない?(笑)


愛車は購入した当初から、寒い日の朝一番にエンジンをかけると、スターターモーターに引きずりが発生していた。マグネットスイッチの戻りがよくないのが原因だろう。時々しか起きないし、自然治癒するかも・・・と思って放置していた。

しかし、ひどくなるとモーター自体がだめになったり、フライホイールがダメージを受けたりするなど大事になる。最悪はギアが戻らなくなって、車両火災にもなりかねない。軽症なうちに修理に挑戦することにした。

【スターターモーターの取り外し】

1 バッテリーのマイナス端子を取り外す

スターターモーターは非常に太いケーブルでバッテリーに直結されている。バッテリーのマイナス端子を外しておかないと非常に危険である。

2 補機類を取り外す

エアインテークマフラー、エアフローメーター、ベローズ、セカンダリースロットルチューブ、スロットルボディ、アイドルバルブなどをすべて取り外す(写真1、2)。


写真1 補機類の取り外し


写真2 補機類を取り外したところ

ここまでの手順は、以前に投稿した「E39 アイドルバルブとスロットルボディの清掃」を参考にされたい。

補機類を取り外すと、スターターモーターが見える(写真3)。


写真3 スターターモーター

3 接続ケーブルを外す

太いケーブル2本と細いコントロールケーブル2本を取り外す。太いケーブルは、1本がバッテリーから来ている線で、もう1本はブースターケーブルを接続する端子につながっている。

4 固定ボルトを抜き取る

スターターはミッション側から2本のボルトで固定されている(写真4)。


写真4 固定ボルトの位置

使用されているのはE12のトルクスボルトだ(写真5)。


写真5 固定ボルト

このボルトがとても厄介な位置にあって、エクステンションや数種類の長さのハンドルを駆使しないと緩められない。この作業で一番苦労したのが、このボルトを抜き取ることだった。

5 スターターを取り外す

これでスターターモーターがすんなりと抜けてくる・・・と思ったが、なかなか抜けない。フライホイールとスターターのギアが噛んだ状態かもしれないと思い、シフトレバーをパーキングから動かして、数センチ車を動かし、サイドブレーキを引いてみたところ、あっさりと抜くことができた。

写真6・7は取り外したスターターモーター、写真8はモーターが取り付けられていた位置の様子だ。内部ににフライホイールのギア部分を見ることができる。


写真6 取り外したスターターモーター


写真7 スターターモーターの動き


写真8 スターターモーターの取り付け位置

 

【スターターモーターの分解掃除と組み立て】

エンジンキーをONの位置から更にひねると、スターターモーターのマグネットスイッチが、ギアをフライホイールと噛み合う位置までスライドさせる(写真9の赤矢印)。


写真9 マグネットスイッチの働き

同時にスターターモーターがフライホイールを回転させ、エンジンが始動する。エンジンキーから手を離すと、マグネットスイッチがOFFとなって内部のスプリングの力でギアが元の位置に戻り(写真9の緑矢印)、同時にスターターモーターが回転を止める。

マグネットスイッチは正常に動作しているから、稼動部分の動きをよくしてやることで、引きずりは解消されるはずだ。汚れをパーツクリーナーで洗浄し、可動部分をグリスアップした。

せっかく苦労してスターターモーターを外したのだから、モーター本体も分解してブラシの状態をチェックしてみた。写真10はモーターの減速ギアの内部の様子、写真11〜13はモーター本体を分解したところだ。


写真10 減速ギアの内部


写真11 モーター本体の分解の様子


写真12 モーターのブラシ部分を内部から見たところ


写真13 モーターのブラシを後ろから見たところ

減速ギアは、モーターの回転を1/3程度に減速をしてトルクを高める仕組みのようだ。この部分に異常はないので、洗浄してグリスアップをした。

モーター本体の内部は、磨耗したブラシのカスがたくさん溜まっていたが、ブラシはまだまだ大丈夫そうだった。同じく洗浄してきれいにした。

回転子を組み立てる際、ブラシを広げておかないとコレクタープレートがうまく入らない。TISによるとそのためのスペシャルツールがあるようだが、そのようなものは当然ない。そこで、ソケットレンチの22mmのコマをあらかじめ差し込んでおいて(写真14)、回転子のコレクタープレートでソケットコマを押し出す要領で組み立てをするとうまくいく(写真15)。


写真14 ブラシをソケットコマで広げているところ


写真15 ブラシを挿入しているところ

取り外しと逆の要領で組み上げたスターターモーターを取り付け、その他の補機類を元通りに組み立ててて修理は完了である。

スターターモーターを外すのは初めての経験だったので、うまく動作するかちょっと心配だったが、引きずりもなくなって気持ちよくエンジン始動ができるようになった。


いつものように完璧なレポートだ。E39のレポートもかなり充実してきているので、E39乗りの方は是非レポートの投稿をお願いしたい。

末尾ではあるが、いつもながら詳しくわかりやすいレポートをいただくミッチョさんに感謝する。



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