2016年10月22日(土)

DD2号  ホイールアライメント調整 − その2 リアキャンバー角の調整

昨年の秋に「DD2号 ホイールアライメント調整 − その1」としてホイールアライメントを計測してみたことを報告したが、そろそろ気候も良くなってきたので、再びDIYでのホイールアライメント調整に挑戦してみることにした。アライメントの計測方法は、基本的に前回のレポートと同じなので、手順の詳細は割愛する。

まずは、写真1のようにブロックの上に車を載せる。


写真1 ブロックの上に車を載せたところ

DD家の駐車場は前に傾斜しているため、前側に厚さ12cmと8cmのブロックを重ねたものを、後ろ側に厚さ12cmのブロックを置いた。タイヤの幅を考え、ブロックを2つ横に並べてタイヤがブロック上に載るようにしている。このために、今回は厚さ12cmのブロック4つ、8cmのブロック2つを追加購入した。

タイヤをブロックの上に載せたら、前回と同様、写真2のようにタイヤの内側に目盛りの付いたシールを貼り付けた。


写真2 目盛りのシールを貼り付けたところ

今回も、前回に購入したレーザー水準器を使う。写真3にレーザー水準器を示す。


写真3 レーザー水準器

これを写真4のように車両の後ろ側に置くと、水平に照射されたレーザーがタイヤに貼り付けた目盛りに当たり、それぞれのタイヤが他のタイヤに比べてどの程度高いか(低いか)がわかる。タイヤの低いところには、タイヤの下に新聞紙や雑誌等を敷いて高さを合わせて、すべてのタイヤが同じ高さになるように(すなわち、水平になるように)すればいい。

今回はブロックの上に載せたタイヤがある程度自由に動くように、写真5のようなクリアファイルを用意し、これの端を切って2枚の集めのビニールシートを用意した。


写真5 クリアファイルの端を切っているところ

2枚のシートの間に、写真6のように潤滑油をスプレーする。


写真6 潤滑油をスプレーしているところ

そして、各タイヤの高さを調節する際に、写真7のように2枚のシートを重ねてタイヤの下に敷いておく。すると、タイヤをブロックの上に降ろした時にタイヤの傾きがホイールアライメントのとおりの状態になる。


写真7 シートをタイヤの下に入れているところ

このようにして4輪すべてのタイヤの高さを合わせたところを写真8に示す。


写真8 タイヤの高さを合わせたところ

さて、次は車の前後に、写真9のようにアルミ棒を貼り付ける。


写真9 アルミ棒を貼り付けたところ

このアルミ棒は、2mの長さがあり、写真10のように棒の中心がキッチリ車両の中心になるように正確に貼り付ける。


写真10 棒の中心と車両の中心を合わせたところ

同様に、写真11のように車両の前側にもアルミ棒を貼り付ける。


写真11 前側にアルミ棒を貼り付けたところ

ここまで準備ができれば、あとはアライメントの計測だ。最初に、写真12のようにレーザー水準器を車両の左後ろに置く。


写真12 レーザー水準器を置いたところ

そして、写真13のように、前後両方のアルミ棒の同じ位置にレーザーが当たるようにレーザー水準器を調整する。


写真13 レーザー水準器の調整

これで車両の中心面に平行なレーザー面が車両も左側にできたことになる。このレーザー面を基準にして左側のホイールの中心、上、下、前、後ろまでの距離を測れば、各ホイールが車両中心面にどのような角度でついているのか、すなわちホイールアライメントがわかる。写真14にレーザー面とホイール中心の距離を測っているところを示す。


写真14 ホイール中心までの距離を測っているところ

このようにしてホイールアライメントを計測した結果を図1に示す。


図1 アライメント計測結果

図1を見てみると、フロントホイールについてはおおよそ問題なさそうだ。一方、リアホイールについては、左右ともにキャンバー角が少し深いようだ。これは車高を下げたためであろう。また、トータルトーは38'となり、これも基準値から外れているが、左右のトーが同じなのであまり問題ではない。そこで、とりあえずリアホイールのキャンバー角から調整してみることにした。調整箇所は写真14の赤矢印のボルトである。


写真15 キャンバー角の調整箇所

このボルトは偏心ボルトになっており、ナットを緩めてボルトを回すことでキャンバー角を調整することができる。このボルトは165Nmのトルクで締められているため、車の下に潜ってボルトを緩める際には、きちんとウマをかけてからにしよう。また、作業前には写真16のようにナットを緩める前にマジックで印をつけておこう。


写真16 マジックで印をつけたナットとワッシャー

ナットを緩めた後、この裏側にあるボルトの頭を18mmのレンチで回すと、写真17のようにボルトの中心軸が動き、それに合わせてスウィングアームが動いてキャンバー角を調整することができる。ホイールの中心とスウィングアームの付け根との距離がおおよそ130mmなので、これを元にボルトの中心軸をどれだけ動かせばいいのかを計算して調整すればいい。


写真17 ボルトを回したところ

実際には、リア左右のキャンバー角を両方とも-2.0°に合わせるために、左側の偏心ボルトを60°、右側の返信ボルトを6°回転させた。このようにしてリアのキャンバー角を調整したDD2号を写真18に示す。


写真18 キャンバー角を調整したDD2号

ホイールアライメントの測定にレーザー水準器を使うために、あまり明るい日中は作業できず、実際には夕方に測定した。そのため、キャンバー角の調整は夜になってしまった。本当なら調整後にもう一度アライメントを計測すればいいのだが、それは次回にしよう。

なお、作業後に試乗してみたが、リアキャンバーを変えたぐらいでは、あまり変化が感じられなかった。タイヤの偏摩耗が抑えられるぐらいかなぁ・・・。


 


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