2014年7月3日(木)

イグニッションキーの空回り その4 − シャフトの交換

やっと外れたステアリングロックハウジングだが、この中からシャフトを取り出して折れていないモノに交換しよう。写真1にステアリングロックハウジング内の折れたシャフトの断面を示す。


写真1 折れたシャフトの断面

このシャフトを取り出すには、ステアリングのロック機構の部分を外さないといけない。これは、写真2のように地面にウェスでを敷いて、その上にハウジングを裏返して軽く叩きつければ外れてくる。


写真2 ロック機構を外しているところ

写真3にロック機構やシャフトを外したステアリングロックハウジングを示す。


写真3 解体したステアリングロックハウジング

写真では少し見づらいが、赤矢印の先に小さなピンがある。また、このピンと同じサイズぐらいのバネもある。これらも失くしてはいけない。

さて、折れていないシャフトを手に入れる方法だが、DDはともパパさんに泣きついた(笑)。すると、中古品ではあるが、快く譲っていただけることになった。おまけにタダで! ともパパさんはなんていい人なんだ。これから長野方向には足を向けて寝られないなぁ・・・。

ちなみに、このシャフトだけでは新品パーツは出ない。ステアリングロックハウジングごと購入しないといけない。ステアリングロックハウジングのP/N(パーツナンバー)は32-32-1-160-278であり、価格は$170〜$200程度のようだ。

写真4に、ともパパさんから送ってもらったステアリングロックハウジングを示す。本当はシャフトだけでも良かったのかもしれないが、念のためにハウジングごと送ってもらった。これには、イグニッションスイッチも付いていた。


写真4 ともパパさんから送ってもらったステアリングロックハウジング

このハウジングからシャフトを取り出し、DD号のステアリングロックハウジングに移植する。写真5に取り出したシャフトとDD号の折れてしまったシャフトを示す。


写真5 折れていないシャフト(左)と折れたシャフト(右)

皆さんもお気づきだと思うが、イグニッションキーを回すときには意外と重く、その負荷がすべてアルミ製のシャフトの細い部分にかかっていたかと思うと、折れても仕方ないのかもしれない。シャフトにはグリスが塗られているが、そのグリスも乾いてくると摺動性能が落ちてくるので、抵抗が大きくなり折れる可能性が高くなる。

この事例は意外とあるようだ。DDが少しWebを検索しただけでも、これとか、これとか、これとか、これとか・・・ (2014年7月3日現在。最後のリンクは交換作業詳細が書かれていて役に立つ)

そのため、本当は上記のように分解してグリスを塗りなおした方がいいのかもしれないが、少なくともキーシリンダーを抜いて、その穴からスプレーグリスを吹きかけるようなメンテはしておいた方がいいだろう。

さて、シャフトをステアリングロックハウジングに組み込む際には、写真6のようなシリコングリスをたっぷり塗っておいた。このグリスを使った理由は、ブレーキキャリパーをオーバーホールしたときに購入したのだが、その後、何も使っていなくて余っていたからだ(笑)。でも、シャフトのところにはプラスチック部品も付いているので、プラスチックへの侵襲が少ないシリコングリスは悪くない選択だと思う。


写真6 シリコングリス

このシリコングリスを各部品に塗り込みながら組み立て、最後にキーシリンダーを差し込んで動作を確認すれば、交換完了だ。写真7にシャフトを交換したステアリングロックハウジングを示す。


写真7 シャフトを交換したステアリングロックハウジング

末尾ではあるが、ステアリングロックハウジングをタダで譲っていただいただけでなく、作業内容の質問に何度も回答いただいたともパパさんに感謝する。

さて、後は、これを取り付けるだけだな。つづく・・・。



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