2011年8月1日(月)

E34 525iへの純正クルーズコントロール装着 − ともパパさんより

引き続き今回も、ともパパさんより純正クルーズコントロール取り付けのレポートをいただいたので紹介しよう。今回はE34だ!


先日、E30のクルコン装着をレポートをさせて頂きましたが、今回はE34にも装着してみましたのでご報告します。

E34も機能的にはE30の物と同様ですが、決定的に違うのはクルコン関係のハーネスも元から装備されている点です。なので、E34の場合は周辺機器のみ揃えれば装着できます。これは以前にDDさんに教えて頂いたクルコンの概要図です。

車を買った頃からエアクリーナー横の丸いコネクターが使われていないのが気になっていましたが、実はこれがアクチュエーターに繋がる12番のコネクターだったみたいです。

必要物品ですが、コ ントロールユニット、アクチュエーター、レバースイッチが主です。以前Sammyさんがお乗りだった540(左ハンドル)の廃車体をお持ちのchachaさんから、上記以外にもコラムカバーと電動コラムのレバースイッチもお譲り頂き、2011年「湾岸長島オフ」で部品を受け取りました。コントロールユニットのみ、後日郵送して頂く事になっています。

まず、ステアリングコラムを外してレバースイッチを取り付けます。しかし、ウインカーとワイパーのレバーしか付いていない525の台座ではクルコンのレバーの増設ができませんでした。

この台座も540より外して頂いたので事無きを得ましたが、台座から出ているポッチが右ハンドルと左ハンドルでは逆になるので若干の加工が必要でした。これはステ アリング裏のスリップリングを固定するポッチですが、スリップリング側の適所に切り欠きを入れればOKです。

また台座には「レバーが2本だけのもの」と「レバーが3本以上のもの」が存在し、さらに左右ハンドル用がありますので、計4種類存在する事になります。元からレバーが3本付いている電動コラム付きの車両の場合はクルコンのレバースイッチがポン付け可能です。

また、お譲り頂いた540のコラムカバーはフル装備のため、穴がいっぱい空いています。この穴埋めに電動コラムのレバースイッチも同時移植しました。こちらはダミーですが、いずれ移植したい装備です。

運転席の足元にある小物入れを外すと、ハーネスの集中コネクターが見えます。この中にクルコンのレバースイッチから来るハーネスと合うコネクターがありますので、接続します。

コントロールユニットが届いたので、こちらも設置します。実はこれが一番の曲者でした。海外のサイトにはエンジンルームのEボックス内にある画像ばかりが出ていたので、その辺りを捜索しましたがコネクターが何処にも見つかりません。どうやら年式によって設置場所が違うようです。

ベントレーのマニュアルによると、1989〜91年式がEボックス内、1992〜95年式が左フロントスピーカー裏となっています。ともパパ号は1995年式のため、左フロントスピーカー裏にありました。また、Eボックス内にある場合はコントロールユニットの品番が「1 388 043」、フロントスピーカー裏の場合は「1 387 625」になり、取り付けブラケットやコネクター形状も全く異なります。お譲り頂いたユニットにはAUCのコントロールユニットもセットで付いてました。

発見したコネクターと接続し、ブラケット上部の穴に既存の配線留めプラナットを使って共締めします。スピーカーの逃げが必要なため、かなり下方のサイドシル内にマウントされているのが分かります。

室内は終わりましたので、ここからエンジンルームに移ります。

525用のアクチュエーター固定ブラケットを用意しましたので、パワステのリザーバータンクと共締めで固定します。これはディーラーでは本国オーダーで納期未定との事でしたので、アメリカから輸入しました。

駆動ワイヤーですが、新品を注文しても現在はV8エンジン用の物しか出ません。V8エンジン車はアクチュエーターが左ヘッドライト下に固定されるので、525の物より倍以上も長くなります。お譲り頂いたワイヤーは途中で被覆が千切れていたので交換を考えていたんですが、必要な長さは千切れている場所までの長さで十分でした。

被覆とワイヤーを切断して長さを合わせます。ワイヤーエンドの加工を容易にするためアクチュエーター側を切断し、電線の端子を圧着してアクチュエーターへの引っ掛かりを再現しました。

駆動ワイヤーをスロットルボディまで這わせます。インマニ下のスロットルワイヤーを固定しているステーにクルコン用の穴もありますので固定します。ワイヤーの中間部もクリップ等で固定して純正臭さを演出します。

スロットルボディにワイヤーを繋ぎます。四角い穴にはまるプラスチック部品も用意しました。黒い色に変更されたみたいですね。

取り付けが完了したのでテスト走行です♪

作動しません・・・(汗)

さー、どこが悪いんでしょうか。

海外のサイトを調べると、MT車で似たような 症例が出ていました。そこには、「後付けしたクルコンが作動しない場合は、クラッチスイッチの存在を忘れていないか?」と書かれていました。確かにE30の時もクラッチスイッチの配線は直結しました。そこでクラッチスイッチに繋がるであろう配線を探します。E30では2極でしたし、ベントレーの配線図にも「青/赤」「青/茶」の2本と描かれています。運転席の足元を探すと、その二色の配線が含まれる4極コネクターを見つけました。

でも、4極です。残り2本は何なのか?これはクラッチスイッチ用じゃないのか?

いろいろ考えましたが、ダメ元で「青/赤」と「青/茶」を針金で直結してみました。間違ってたら、どこかのヒューズが切れるだけでしょう!

何と、 これで見事に作動しました(嬉)

これはクラッチスイッチの配線だったようです。このコネクターが遊んでいる状態では導通が絶たれたままなので、コントロールユニットは「クラッチが踏まれている状態」と認識してクルコンは作動しないんですね。

残り2本の配線はMT車で使われるスターターのロックアウトと考えたんですが、こちらを直結して「クラッチが踏まれていない状態」を再現したにも関わらずエンジンがかかってしまいましたので違うようです。

改めてDDさんに頂いた概略図を見ると、13番の謎の部品がクラッチスイッチのジャンパー線なんですね!配線さえ分かれば針金をちゃんとした物に作り直して、コードをまとめれば完成です。

説明書通りの機能も全て確認し 、E34のクルコンも完成しました。ATのポジション信号は既存のハーネスから伝わっているようで、結線は不要でした。

それから、E30よりもE34の方が少々乱暴な制御に感じます。まあ、そんな荒削りな部分も味わい深さという事で(笑)

E34もクルコンは完全ボルトオンです。興味のある方は是非お試し下さい。


E34の場合は、E30よりもさらに取り付けが簡単なようだ。上記のレポートのようにE34 540にはクルーズコントロールが付いているので、近くに540の解体車がある場合には、そこから部品を取ってきて移植してみてはどうだろうか? 満足度の高いモディファイだろう。

末尾ではあるが、いつも詳しく面白いレポートをいただく ともパパさんに感謝する。



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