2008年7月4日(金)

E39 MスポーツフォグのHID化 ー Aki-tsuさんより

今回はE39にお乗りのAki-tsuさんよりE39 MスポフォグのHID化のレポートをいただいたので紹介しよう。


【はじめに】

いつもDDさんの本HPを参考にさせて頂いて、助かっておりますAki-tsuです。今回、E39Mスポ530iのフォグのHID化を行いましたので、ご恩返しの積もりで紹介させて頂きます。

E39Mスポフォグも他のモデル同様明るいとは言えず、点灯したことを忘れてしまうほどで、フォグライトというより対向車に存在を示す程度の機能と思われます。せっかくバンパーについているのですから、何とか明るくしようとHID化を行うこととしました。

なお今回の作業は、本HP上で過去に紹介された「E34フォグのHID化」や、他のネット上の諸先輩方の情報を参考に実施したことをお断りしておきます。

 

【材料の準備】

HIDランプの中古部品は、ヤフオク上に安く沢山出品されているので、迷わずそれら中古パーツの中から程度の良さそうなものを入手する。方針として、総額1万円以下の費用におさめ、あくまでDIY重視で取組む。・・単なるケチかも知れない。
(予算に余裕があり、時間の無い方は、専用の新品がセット4万弱で販売されています)

  1. バラスト(高圧発生装置本体)・・2個
  2. バーナー(キセノン放電管)・・・2個(バラストとのセットで計6K程度で購入)
  3. コンデンサー2200μF(耐圧35V程度:断線警報キャンセラー用、300円×2個)
  4. アルミテープ(フォグ内貼付用、裏面粘着付)1巻
  5. アルミ箔(キッチン用を流用、高圧線の電磁シールド用)若干
  6. 電線(電源用、高圧用)各赤/黒(白)を各1m程度
  7. タッピングビス(φ3.5×20、又はφ4.0×20を8本)
  8. スペーサー(樹脂製、ビス径に合わせて内径φ4など、8個)

 

【作業内容】


フォグ本体

お馴染みE39Mスポーツのオリジナル・フォグランプ外観。ビス1本でバンパーに固定されている。標準では51Wのハロゲンランプが装着されている。ところが、フォグとは名ばかりで、51Wも消費していながら一向に明るくなく不評。


バルブ 形状の違い

左がオリジナルハロゲンバルブ(HB4)、右が一般的なキセノンバルブ/バーナー(D4S)だ。形状が違うので、このままではフォグ本体に取付け出来ない。ノギスで各部を測ってみると、取付け嵌合部となる写真矢印フランジ部分の直径がハロゲン=30mm、キセノン=32mmである。他方、フォグ本体リフレクターの取付け段落し部直径は31mm+αなので、直径で1mmつまり円周部を0.5mm削れば嵌合出来ることになる。


バーナーの加工

キセノンバルブフランジ外周部を0.5mm削る。写真では電気ドリルに研磨用円柱ヤスリを取付けて外周部を削ったが、安全上は余りお勧めしない。ボール盤や旋盤に噛ませて削る方が安全だ。これら工具の無い人は、目の粗い紙ヤスリを敷いて、上からバーナーを回転させながらこすってもよいだろう。この加工に際しては、極力ガラス管部分を傷つけず、触らないようする。目標は外周直径が31mmである。


嵌合具合の確認

加工を終えてリフレクターに取付けたところ、しっくり収まっている。φ31mm丁度にすると、矢印部分がビタッと決まってガタもない。但し、この状態では固定出来ていないので、新たに押え金具を作る必要がある。 また、フォグとして本来の配光パターンを得るためには、オリジナルの発光点と同じにするのがベストだが、構造上31.5mm→27.5mmと後方に4mm下がってリフレクターに近付く。このため、本来の水平配光がやや太目の水平ビームとなる。


固定金具の製作

当初、写真左側の金具を作ってみたが、うまくいかず諦めた。最終的に右側に示すL字形金具(35×10mm)を試したところ、簡単かつ押えも具合が良いので決定。ポイントは写真の長辺矢印部中央を若干曲げておくことで、これにより次工程のバルブの押さえが具合良く決まる。材料のステンレス針金はφ1.6mmが丁度良い。(工具はラジオペンチなど使用)


バーナーの固定

作った固定金具を写真のようにリフレクターに設けてある3箇所のスリット(隙間)に横向きに差込み(矢印A)、奥まで挿したら90度下に回す(矢印B)。この動作によって、くの字に曲げた針金のバネ性が利いてフランジが押え込まれる。3本の針金を差し込めばビクともしない。


固定状態

このままでも固定は十分だが、針金の短辺を押えるように20cm位のナイロン結束バンドで固定すれば完璧。私の場合はバンドで押さえる前にスリット部分の防水の為にサッシ用隙間スポンジテープを円周に巻き、更にバーナーの高圧カプラーがすっぽり隠れるように10cm四方程度のビニールシートを巻いて、その上からナイロン結束バンドで固定した。この状態でカプラー着脱可能だ。


上から見た状態

固定状態を上から見たところ。しっかり固定されている。左側に見えるT字形のものは、フォグ本体内の高音空気を逃がすゴムチューブと思われる。点灯時は結構熱くなるので重要部品だ。このフォグ(PIAA製)は正面のガラス面含めて全てプラスチック製なので、停車時の長時間点灯は避けるべきだろう。各部の熱変形又は老化が懸念される。


高圧カプラーの嵌合確認

キセノンバーナーをフォグ本体に仮付したところで、念のために高圧カプラーをはめてみる。右のバラストはまだオリジナルのままで、後にシーラントによる防水加工、高圧ケーブルの延長、電源線の延長・半田付を施す。


フォグの分解

次にフォグ本体を分解する。つめ2箇所(矢印)と光軸調整ねじ1箇所の計3箇所で固定されているので、つめを引上げてリフレクターを引出す。


ツメを外した状態

この状態でも作業は出来るが邪魔なので、次に、リフレクターを本体から分離する。


光軸調整部の取外し

リフレクターをフォグ本体から外すには、光軸調整ねじ支持部(矢印)を斜めに引出せば分離できる。


本体内面へのアルミシート貼付け

オリジナルでは、後方のリフレクター以外は黒い樹脂面のままなので、市販の光沢タイプのアルミテープを内部形状に合わせて貼る。これは単に光を前面に導き出すだけでなく、樹脂面が熱で劣化するのを防止する効果も期待できそうだ。但し、光軸調整でリフレクターの密閉用ゴムが可動する部分(フォグ後端から約15mm)は貼らない。テープは2〜3mm重なるように貼るが、上から押えるとつなぎ目は殆ど気にならず、元々メッキ仕上の様に見える。


完成状態

内部にアルミテープを貼った後、塞いでしまった上下にある穴をナイフで明け直しておく。上の穴は高温空気抜きで、下は空気取入れ・水抜き穴と思われる。(写真上側に見える排気口のゴムは、予め外してからアルミテープを貼り、穴を明けてゴムをねじ込む) このアルミテープ貼りが面倒な人は、この工程を省略しても照射性能には余り影響なさそうである。


使用したバラスト本体

今回は、ヤフオクによく出ている「トヨタ純正」のバラストを採用した。トヨタ(製造は小糸工業)用に限らず、どの車用でも12V仕様なら流用可能である。トヨタ用は数が出ていて中古価格も安い。左右バラスト・バーナーセットを6K程度で購入できた。


バラスト裏面

裏はこんな感じ。下側の電源線は本体とはコネクターで接続する仕様となっているが、線の延長と同時に防水性能確保の為に半田付してしまう


電線の延長

バラスとの電源線及び高圧線各2本は、車両への取付け作業をしやすくするため双方共50cm位になるよう中間で継足す(半田付及び絶縁をしっかり)。その際、高圧ケーブルの先端に付いているバーナーとのカプラーはそのまま使用する。高圧線は普通の塩ビ被覆線でなく、数KV以上耐圧のあるものを使用した方がよい(私は10KVのものを使用)。接続点はプラスマイナス線相互に5cm程度ずらして絶縁を保ち、被覆を剥した部分は自己融着テープ等でしっかり防水しておく。


電源線の半田付

バラストの電源端子への線の半田付は、出来ればビス4本を外して本体を外して写真矢印の方向側面からプラスチックカバー越しに金属端子にドリルで穴を明け、電源線はその穴に通して半田すれば強度は問題無い。 電源線の半田付後、電源端子部及び内外アルミケースの周囲の隙間全てをシリコンシーラー等の充填材で防水処理しておく。


高圧線のシールドと保護

高圧線は全体を台所用のアルミ箔を巻き付けてノイズ放出防止を図る。更にその上からビニールテープでテーピングしておけば万全。私は更にその上から配線保護材(コルゲートチューブ)をかぶせている。このアルミ箔による電磁シールドは車のCPU誤動作防止上重要なので、端から端まで丁寧に行っておくと良い。途中で切断した元々の網組シールド被覆は、剥さずにそのまま上からアルミ箔を巻き付けてやると、全体が一体シールドとなってベスト。


バラストの設置場所・左側

写真はエンジンルームの左前方部分で、構造を調べる為にエンジン吸気用補機類を外した状態である。矢印部分にスペースがあるので、そこにバラストを設置しても良いが、フォグに遠くなるのと高圧カプラーを下側へ通しにくいので、矢印の裏側辺りへ設置することとした。


同・右側

写真の矢印で示すとおり、右側は左側ほどスペースが空いていないが、同じように矢印のプラスチック部品の裏側に取り付けた。右は取付けスペースが小さいので、バラストの取付けビス穴のうち対角線の2箇所を使い、片方は固定用アングルバーを利用して固定した。


アンダーガードの取外し

写真は左側タイヤハウス内の様子。バラストを取付けるには3分割アンダーガードの両側分を外して行う。左側は赤矢印の3本のビス及び下側のビスを外すと、写真23のように下からの取付け作業が可能となる。


アンダーガードを外したところ

フォグランプを外したバンパーの丸穴が見える。


外したアンダーガード

左側のアンダーガードはL字形をしており、タイヤハウスの部分カバーを兼ねている。車体に体を入れて行うバラストの取付けは、危険なので必ず馬をジャッキポイントにかませて行う。後輪の車止めも忘れずに!


左側のバラスト取付けスペース

左側フォグライト後方を下から見上げた写真。上述の「バラストの設置場所・左側」の裏側である。矢印の面へバラストを取付ける。左に見えるのはホーン。


取付け後の状態

取付面は軟質プラスチック(ABS?)なので、下穴なしにタッピングビスで直接ねじ込める。その際、バラストのビス取付け面の段差を吸収するため、矢印の白いスペーサー(長さ10mm程度)をかませてビス止めする。赤丸内がバラスト本体裏側。黒いシーラントで防水処理済である。


断線警報キャンセラーの取付け

赤丸内は、市販のプラスチックケースに収めたキャンセラー。過去に諸先輩方が公開されている情報を元に、私も2200μFのアルミ電解コンデンサー(耐圧35V)をフォグ用電源線の+−間に入れた。これでフォグのランプ切れ警報は出なくなるが、イグニッションon/off時の警報表示を気にしなければ、入れなくても動作上支障はない。


バンパーについて

バラストの取付け作業は、バンパーを外さなくても出来るが、外すと良く見えて作業が楽である。


HIDフォグの点灯

スモール(エンジェルリング)とフォグを点灯したところ。元のハロゲンに比べると格段に明るくなった。


HIDヘッドライトと同時点灯

写真では、純正のHIDヘッドライト(プロジェクター式)との違いは余り分からないが、余りしっかりした造りと言えない小さなリフレクターの割には、光が効率良く前方へ出されて、フォグの方が明るいようだ。 発光色(ホワイト)や照射パターンからすると、フォグというより「ドライビング」としての使い方で、カーブの多い山道で威力を発揮しそうである。市街地では対向車に迷惑なので、使う場面は余り無いかも知れない。

かなり安く・うまく取り付けられているのがわかるだろう。「これぞDIYの醍醐味」のようなレポートだ。

末尾ではあるが、面白いレポートをいただいた Aki-tsuさんに感謝する。


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