2006年1月27日(金)   2006年1月28日(土)訂正

レインセンサー「天下雨滴」の取り付け E39の場合 − ミッチョさんより

今回はミッチョさんよりE39への天下雨滴のインストール方法のレポートをいただいたので紹介しよう。ミッチョさんはご存じの通りM5に乗っておられたのだが、訳あってE39に乗り換えられたそうだ。ウラギリモノ!?

さてさて、それでは早速レポートを紹介しよう。


昨年E39に乗り換えたので、それまでE34で使用していたレインセンサー「天下雨滴」とkuniさんに作っていただいたワイパーレバー戻し忘れ警告回路を移植することにした。

「天下雨滴」は非常に便利な装置で、E39にも移植したいと考え、ネットで取り付け記事を検索したが、DDさんのような詳細メンテ記事が紹介されたHPが少ない。

また、後期仕様にはレインセンサーが標準で装着されている車両もあり、レインセンサーをD.I.Yで取り付けた記事を見つけることができなかった。

ネットの記事では純正のレインセンサーは、あまり評判がよくない印象を受けた。配線図を入手して調べた結果、E34と同様のワイパー制御がされているようだ。基本的な配線方法はE34と同じであるので、DDさんの記事を合わせて参照してほしい。今回は、E34との違いを中心にレポートする。

1 センサーの位置決め

写真1はフロントガラスにセンサーの型紙を貼り付けたところである。


写真1 型紙を貼り付けたところ

私の車のフロントガラスには、上部にグリーンのぼかし(ティンテッドガラス)が入っているので、センサーのプリズム部分がぼかし部分の下になるような位置に型紙を張る。以前のE34 M5もぼかしが入っていたので、配線カバー部分のカットもそのままで取り付けができそうだ。

ルームミラーの右側(写真では左側)にはETCのアンテナ&スピーカーが取り付けてあるので、ミラーの左側に貼り付けることにする。

2 センサーの貼り付け

フロントガラス内側の取り付け部分は、アルコールで脱脂してきれいにしておく。写真2は、センサーのプリズム部分に付属のジェルを塗り、ドライバーで広げたところだ。


写真2 ジェルを塗ったところ

前回の取り付けではジェルをつけすぎたので少なめにした。結果的にはこの写真でもやや多いくらいである。

再取り付けなので、両面テープはカーショップで購入したものをカットして貼り付けてある。今回、ジェルは初回に取り付けた残りが取ってあったので、別に用意する必要はなかった。発売元のコムエンタープライズからは、ジェルと両面テープのセットを500円で販売してくれるとの回答をいただいている。

写真3,4はセンサーを貼り付けたところである。ジェルが少しはみ出しているが、事後の動作チェックでは問題なしであった。


写真3 センサーを貼り付けたところ(内側)


写真4 センサーを貼り付けたところ(外側)

写真5は運転席の目の位置からセンサー方向を撮影したものであるが、本体はミラーの影になって全く見えない。


写真5 運転席からの視界

3 センサー配線を通す

センサー配線を通しやすくするために、ルームランプ(写真6,7)、バニティ照明(写真8)、サンバイザー(写真9,10)、Aピラーのカバー(写真11,12,13)を外す。


写真6 ルームライトの取り外し


写真7 ルームライトを取り外したところ


写真8 バニティ照明を外したところ


写真9 サンバイザーの受け側


写真10 サンバイザーの取り外し


写真11 ドアエッジプロテクターをめくったところ


写真12 Aピラーカバーを浮かせたところ


写真13 Aピラーカバーを取り外したところ

E34のルームランプは横をこじるのだが、E39の場合はクリップが手前にあるので、手前側にドライバーを差し込んで外す。サンバイザーはトルクスネジだ。Aピラーのカバーは、ドアエッジプロテクターをめくって、上部から引き抜くようにする。Aピラーには、E34には無かった配線を固定するクリップがピラーにあるので便利だ。

4 本体の配線

図1はE39のワイパースイッチ配線図である。


図1 ワイパースイッチ配線図

基本的な仕組みはE34と同じであるので、ワイパースイッチの黒/青線をカットし、スイッチ側に「天下雨滴」の茶色線を、ジェネラルモジュール側に黄色線を接続すればよいはずである。後はアースと常時電源とACC電源を接続するだけである。

「天下雨滴」本体側の配線加工はDDさんの「レインセンサー「天下雨滴」−取り付け編」と全く同じなので参照されたい。写真14は、本体側のコネクター配線加工をしたところである。使わないリードは、端子ごとコネクタから引き抜いてある。


写真14 「天下雨滴」配線加工をしたところ

写真15,16の5本のネジを外すと、ロアメーターカバーを外すことができる。


写真15 ロアメーターパネルカバー1


写真16 ロアメーターパネルカバー2

ウッドパネルは手前に引き抜くだけで外すことができる。更にコラムカバーを外すと、写真17の位置、キーシリンダーの上にワイパースイッチのコネクター(黒)を見つけることができる。


写真17 ワイパースイッチコネクター

コネクターはワイパースイッチ本体に直接差し込む構造である。このコネクターを外し、写真18のように黒/青線をカットしてギボシ端子をつけ、コネクタ(スイッチ)側に「天下雨滴」の茶色線を、反対のジェネラルモジュール側に黄色線を接続する(写真19)。


写真18 ワイパースイッチコネクターを取り外したところ


写真19 配線を割り込ませたところ

常時電源とアースは、ETCを取り付けるときにオーディオ配線から引いたあったのでそれを利用した。
今回は簡易セキュリティ機能は使用しないのでACC電源は接続しなかった。

本体は写真20の位置に両面テープで貼り付けをした。ちょうど小物入れの上にあたる位置である。


写真20 本体を取り付けたところ

配線に間違いがないかをチェックし、動作確認をしてみる。

センサーのLEDを確認し、ワイパースイッチを「間欠」にするとワイパーが1回動作し、その後動かなくなる。センサー部分に水をかけてみると、そのたびにワイパーが動作する。うまくいったようだ。

 

現在販売されている「天下雨滴」は、すべて「天下雨滴2」となっていて、レインセンサースイッチが追加されている。これは、ワイパースイッチをOFFにし忘れてしまうと、次にエンジンを始動させたときにワイパーが1回動作してしまうのを防ぐため、オートパワーオフの機能が追加されたためだ。
現在販売されている「天下雨滴」は、すべて「天下雨滴2」となっていて、間欠ワイパー信号が取り出せない車(主に国産車)にも対応できるようになっている。(2006/1/28訂正: 天下雨滴2にレインセンサースイッチを後付けすることはできるが、スイッチが付属しているわけではない)

 

実際「天下雨滴」の動作がとても自然なために、ワイパースイッチを切り忘れることが良くあったので、効果的なバージョンアップだと思う。発売元のコム・エンタープライズに問い合わせたところ、有償でファームウエアのバージョンアップをしてくれるとのことである。

外したところをすべて元に戻せば取り付けは完了だが、Kuniさんに作っていただいたワイパーレバー戻し忘れ警告回路を取り付けるため、ゴングユニットを調べてみた。この装置があれば、レインセンサースイッチは必要としない便利なものだ。

写真21,22がゴングユニットで、E34のものとよく似ていて、取り付け場所も同じだ。


写真21 ゴングユニット


写真22 ゴングユニットの配線

写真22の黒コネクタの白/青線をアースに落とすと、あの「ポーン」というBMW乗りなら心臓に良くない音がする。白/赤線をアースに落とすと「プ・プ・プ・プ」と違う音が出るので、こちらを使用して警告回路を動作させる。

こちらもE34と同じなので、詳細はDDさんの「「天下雨滴」ワイパーレバー戻し忘れ警告回路Ver.2−kuniさんより」を参照されたい。すばらしい回路を提供してくださったKuniさんに、改めて感謝したい。

E34はかなりいじり倒したので、パネル類のはがし方や配線類はかなり理解していたが、E39はあまり良く分からなかった。今回、基本的なところはあまり変わっていないことと同時に、時代とともに変化している部分も多くあることが分かった。E34の持病は多くが解消している代わりに、E39特有の持病もあるようだ。しばらくは、この車をかわいがっていきたい。


いかがだろうか? さすがはミッチョさんである。「E39はあまり良く分からなかった」と言いながら、完璧に天下雨滴をインストールされている。

このサイトでは、主にE34のDIYレポートを掲載しているが、その他にもE32、E36等のレポートも掲載している。車種は異なるが基本的な設計思想はあまり変わっていないので、E34乗りの方にも参考になるだろう。

末尾ではあるが、いつも完璧なレポートを送っていただくミッチョさんに感謝する。



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