2005年3月28日(月)

オートエアコン温度調節の修理(2) トラブル原因追求編 − ミッチョさんより

さて、「オートエアコン温度調節の修理(1) トラブルシューティング編 − ミッチョさんより」の続きである。


オートエアコン温度調節の修理(2) トラブル原因追求編

前回、エアコンの温度調節不能の原因を特定するまでをレポートした。今回は、なぜそのようなトラブルが起きるかを考察してみた。

1.アクチュエーター

写真1・2は、取り外した左の温度調節フラップ用アクチュエーターである。


写真1 アクチュエーター(1)


写真2 アクチュエーター(2)

写真2に示したように緑矢印の範囲でフラップを動かすのだが、ハーネスを接続してイグニッションをONにするたびに、アームが青矢印方向に120度ほど回転して、3回繰り返すと1回転してしまうという動きをする(右側のアクチュエーターも同じ部品で、ハーネスに接続すると回転方向が逆になる)。

車両の台座に取り付けると、Aに位置でプラスチックのストッパーにぶつかって止まるが、一定時間(10秒ほど)上部のストッパーにトルクがかかり続けることになる。そのトルクはかなり強く、手で止めるにはかなりの力が必要だ。

強制的に止めると、ステップモーターはストップせず、内部のギアか空転するような構造である。取り付け台座のプラスチックが経年劣化によって弱くなれば、破壊してしまうのは必至である。

イグニッションONのたびに、アクチュエーターがこのような動きをするのは、温度調節フラップを「温風側」まで動かし、その位置を「初期状態」として、その後、適温になる方向にフラップを動かすためと思われる。もっと上手に制御できそうなものだが・・・。

写真3にギア部分の内部構造を示す。


写真3 アクチュエーターの内部

アームの位置を検出するような機構は見当たらない。このアクチュエーターを調べてみると、部品番号は 64 11 8 350 082 で、現在は 64 11 8 364 918 に変更されている。値段(ディーラー価格)も旧部品は9,160円に対し、新部品は16,000円と7,000円近くも高くなっている。もしかしたら、アームのトルクが弱められているとか、リミットスイッチのような機構が追加されているとか、可動範囲が狭められているかもしれないと考え、新部品番号のアクチュエーターを取り寄せてみた。

写真4・5に新・旧アクチュエーターの比較を示す。


写真4 アクチュエーターの比較(1)


写真5 アクチュエーターの比較(2)

外見はギアのケースが変更され、一部がアルミ製になっていることと、ロックの爪の長さが変わっているくらいである。期待を込めてハーネスに接続してみる・・・・。

結果は、何も違いが無い。全く同じ動きをするし、アームは360度回転する。アームを回転させるトルクにも差が無い。唯一の違いは、固定用の爪が長くなっているために、台座にはめ込むときに「カチッ」と気持ちよく固定できることぐらいである(旧部品はドライバーなどで、爪を押し込んでやらないとロックできない)。こんな違いで7,000円のアップは納得できない(怒)。「16,000円を返せ!」と言いたいところだ。

2.エアコンコントロールユニット

アクチュエーターを制御しているのは、前のレポートにも書いたとおり「エアコンコントロールユニット」である。M5から外したユニットの部品番号は 6411 8 390 012 であった。この部品についても調べてみたところ、現在は 6411 8 367 839 に変更されている。値段は(ディーラー価格)で旧部品が83,000円、新部品が54,800円と随分と安くなっている(といっても高い部品だ)。

またまた、リミットスイッチのような機構が追加されているとか、可動範囲が狭められているかもしれないと考え、最終型の解体車から新部品番号のユニットを入手した。

写真6・7に新旧のユニットの内部写真を示す。


写真6 旧ACコントロールユニット


写真7 新ACコントロールユニット

ほとんど違いが無いが・・・・。期待を込め、実際に取り付けてアクチュエーターの動きを比較すると・・・・全く違いが無い_| ̄|○。

想像だが、ユニットが安く生産できるようになったために、単に部品番号を変えただけのようだ。

3.アクチュエーター取付け台座

アクチュエーターの制御方法が、初期型も最終型も同じだとすれば、取り付け台座部分が補強されていない限り、プラスチックの劣化と共に、必ず同じトラブルが最終型にも出ることが容易に想像できる。このエアコンのハウジングセンターの台座部分が、補強されているかどうかまでは調べる気力が無くなった。ご存知の方のレポートを待ちたい。

【まとめ】

経年変化で劣化するプラスチックに、ギアで減速したモーターの強いトルクがかかり続ければ必ず壊れるはずである。最終型までアクチュエーターの制御方法が同じというのは、構造的欠陥としか言いようがない。かといって、高額な修理をするのはもったいないので、次のレポートでは、安価に修理する方法をレポートする。


なかなか突っ込んだ面白い考察のレポートだ。

末尾ではあるが、有用なレポートを提供いただいたミッチョさんに感謝する。

オートエアコン温度調節の修理(3) 実際の修理編 − ミッチョさんより」に続く・・・。


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