2005年2月27日(日)

ヘッドガスケットの交換 − medama1goさんより

今回はmedama1goさんよりヘッドガスケットの交換レポートをいただいた。「ヘッドカバーガスケット」ではなく、「ヘッドガスケット」である! こんなもの、DIYで交換できるのだろうか(驚)!


DD様のHPをご覧の皆さん、初めまして。medama1goと申します。

2003年の10月に91y E34 535iを購入したのですが、当初より冷却水にオイルが混じっているという最悪の状態で、幾度かのオーバーヒートの末、購入先の対応の悪さにブチ切れ、周囲の反対にも耳を貸さず、ついにDIYにてヘッドガスケットを交換するという暴挙に出ることになりました。

メモ代わりの写真記録しかありませんので、参考になるかどうか疑問ですが、雰囲気だけでも分かって頂ければ幸いです。

まずはバッテリーを外します。私の場合は、すでにオーバーヒートによって、冷却水はほとんどあふれ出てしまっていたので、吸気周りからばらしました。

まず、エアクリからスロットルボディまでをはずします。エアクリボックスは、吸気用のダクトをボックスへ押し込めば、すぐに外れます。エアフロは、ヘッドカバーにマウントを介して、クリップ3つで留まっていますので、クリップをはずしてからヘッドカバーについているマウントをはずします。

エアフロから後ろのダクトには、ISCVとブローバイ還元用のホースが結構きつくはまっていますので、グリグリと捻りながら抜きます。

センサー類のコネクターは、ほとんどのコネクターに抜け留めの針金状のリテイナーがついていますので、精密ドライバーなどでこじってはずします。

続いて車両右席側のバルクヘッド前にある配線のカバーをはずします。

スロットルボディーですが、上面にある四角いふたをドライバーでこじってはずすとカバーを固定しているボルトが出てきますので、これをはずしてカバーを取ります。

スロットルワイヤーを固定しているブラケットを外して、ワイヤーを白いクリップごと外します。

スロットルセンサーを外し、スロットルボディを固定している4本のボルトを外すと
スロットルボディが外れます。

私は外しやすいところから攻めていったので、次に点火周りをばらしました。

プラグコードのカバーはヘッドカバーと共締めに見せかけて、実はヘッドカバー上に固定されているだけです。センターコードのIGコイル側は、かなりきつく嵌っていますので、ひるまずに力技で抜きます。

水周りですが、冷却ファンは諸先輩方があちこちで書かれているように、32mmナットでウォーターポンプのシャフトに固定されています。

本来は薄型の32mmレンチで外すのですが、私は手元にあったモンキーレンチで外しました。ここは逆ネジなので注意!

知らずに必死に左に回していて、「外れねェ〜!!」と1週間ほど無駄にしました^^;。

ファンシュラウドと一緒に冷却ファンを外し、ラジエターを外します。アッパー、ロアーの各ホースをラジエターより外し、ラジエターのクリップを外してラジエターを引き上げるのですが、クリップの外し方に難儀しました。

クリップ前側が2重になっていますので、ドライバーなどで2重のところを分離させて前方へこじる様にすると、ラジエターからクリップが抜けます。

リザーバータンクのセンサーのコネクターを外し、リザーバーを外してからホースを外します。

オルタネーターの固定ボルトを緩め、テンションボルトを回してファンベルトを外します。私は緩めただけでベルトが外れず、ウォーターポンプのプーリーと一緒に外しました。

ウォーターポンプとサーモハウジングを外します。デスビは3本のボルトを緩めるだけ。ローターは6角ネジで留まっていますが、どのみち付くようにしか付かないので、方向等は気にすることもないと思います。

ローター取り付け部のアダプターを外しますが、ここのボルトはネジ止め剤でロックしてあるので、なめないように注意しながら気合で外します。

ロアーホースのガイドを外し、クランクセンサーと6番のプラグコードについているリファレンスセンサーをインジェクションハーネスの入っているケースより外します。

ハーネスのケースのふたは、下側のボックスに爪ではまっているだけですが、かなりしっかりはまっている為、結構苦労します。

5番と2番のインジェクター付近にある6角ボルトを抜いて、ハーネスを外すのですが、これが外れません。インジェクターにコネクターで留まっているのですが、そのコネクターがゴムのカバーでケースに固定されています。このゴムのカバーがケースにしっかりはまり込んでいますので、少々きついですが、半ば力技でゴムのカバーを外します。

ヘッドの最後尾IN側にあるプレッシャースイッチのコネクターも外します。

ケースを持ち上げると、インジェクターのコネクター部分が見えるので、このコネクターを6本分すべて外し、ようやくハーネスがケースごと外れます。

ここで私はインジェクターも一度外したのですが、後で考えると、ここでは外さなくても良かったような気がします。

フューエルプレッシャーレギュレーターなどについているバキュームホースは、熱と経年変化で、まともに抜けたのはほとんどありませんでした。どうせ交換するので、気にせずに引きちぎります。

プラグを抜いてから、クランクシャフトを回して1番の圧縮上死点をあわせてから、アッパータイミングカバーを外し、チェーンテンショナーを抜き取って、カムシャフトスプロケットを外します。

エキマニは3気筒ずつ上下3本ずつのスタッドで固定されています。上側、下側共に見えませんが、割と簡単にナットは回せます。が、ほとんどのスタッドがヘッド側に残ってしまいました。(これが元で後で泣きを見た。)

インマニは、どうがんばってもナットが緩みません。緩まない以前に、手持ちの工具ではまったく届かないのです。仕方がないので、フューエルラインを切って、インマニをつけた状態でヘッドを降ろすことに決定。

インマニの下側にあるフューエルラインを外します。ここのクランプはプラスチックのカバーが付いており、再利用不可になっています。私は取り付けるときに、ノーマルタイプのクランプに交換しました。

ブレーキブースターのバキュームホースと、セルモーターの配線、プレッシャーレギュレーターのバキュームラインを外して、いよいよヘッドボルトを緩めます。

これが非常に固くしまっており、普通に回しても微動だにしません。結局、ボルトにかけたメガネを石頭ハンマーでドツキ回して、何とか外しましたが、ヘッドカバーのスタッドが何本か曲がる、というオマケが付いてきました。一応外すときは、4隅のボルトから内側へと順番に緩めます。この順番を間違えると、簡単にヘッドが歪むそうです。

ボルトを抜いてやっとご開帳!と思いきや、エキマニのスタッドが邪魔して、外れません。バールでエキマニをこじりながら、何とかヘッドを降ろしました。

ここまで、作業に夢中で写真が撮れませんでした。

ガスケットは明らかな劣化は認められないものの、4,5,6番付近がガスケットの芯はボロボロになっており、どうやらこの辺りからオイルが漏れていたようでした。

降ろしたヘッドからインマニを外し、カムシャフト、バルブをばらします。

ベントレーのマニュアルによると、SSTを使用してすべてのバルブを同時に押さえ、ロッカーアームをフリーにしてから、ロッカーシャフトを抜くらしいのですが、私はロッカーアームを固定しているCクリップを外してロッカーアームをフリーにしてから、カムシャフトを回しながらマイクスタンドの軸を当て、ロッカーシャフトをハンマーで叩いて抜きました。

ちなみにマニュアルでは、ロッカーシャフトを叩くとマッシュルームのようになってしまうため叩くな、とありますが、ロッカーシャフトエンドの中心を叩ければ大丈夫なようです。

ロッカーシャフトとロッカーアームが外れれば、カムシャフトは簡単に抜けます。

バルブスプリングコンプレッサーを使いバルブを外します。バルブに堆積したカーボンはかなり酷く、ケミカル類では歯が立たず、ドリルでくわえてペーパーで削り落としました。

ヘッド本体はWAKO'Sのリムーバーでカーボンやスラッジを落とし、ブロックとの当たり面は、1200番のペーパーで軽く研磨しました。

オーバーヒートを繰り返していたので、ヘッドの歪が気になりましたが、近所の整備工場にヘッドを持ち込み、歪を見てもらったところ、大丈夫との答えでしたので、ホッと一安心。

タコ棒とバルブコンパウンドで、簡単にすり合わせをして、ステムシールを交換。このステムシールがまた抜けません。はじめはラジオペンチで引っ張ったんですが、役に立たず、バイスプライヤーで挟んで抜いたのですが、ステムガイドが微妙に歪んだようです。リーマーで修正。

新しいステムシールを取り付け、バルブを組み、ロッカーアームとロッカーシャフトを元通りに組みます。

バルブクリアランスはマニュアルでは0.30mm(冷間時)とのことですが、つまらぬ色気から0.25mmにしてみました。

インマニを取り付け、ヘッド周りは終わり。ブロック側を掃除して当たり面をやはりペーパーで軽く当たり、ヘッドボルト穴をきれいに掃除してから、新品のガスケットを乗せ、ヘッドを載せます。ここでまたしてもEXスタッドが邪魔になり、四苦八苦。

何とか位置を合わせて新品のヘッドボルトで締めていきます。締めるときは中心から外側へ、トルクレンチでトルクを管理しながら締め付けます。締め付けトルクは

1度目 60±2Nm
  ↓
20分待つ
  ↓
2度目 80±2Nm
  ↓
25分アイドリング
  ↓
3度目 35±5°

かなりのトルクがかかりますので、できれば12.5sqの工具を使用したほうがいいかもしれません。

私はエクステンションに安物を使用して、エクステンションが捻じれてしまいました。

組み付けはヘッドボルトのトルク管理以外には、それほど気を使うところもないと思います。ただ、バラすのに苦労したところは、組み付けもそれなりに苦労しました。

水周りはホース類とヒーターバルブ以外は再利用するので、灯油を循環させ内部を洗浄後、オレンジオイル配合の作業着専用洗剤で洗いました。

ヒーター周りの循環には、ヒーターバルブについているポンプを利用しました。ヒーターホースは、なぜかエア抜きの付いた違う品番のホースが届き、もう一度オーダーしなおしたのですが、やはり同じものが届きました。ひょっとしたら変更になったのかもしれません。

少々強引にヒーターバルブ周りを組み、フューエルライン、スロットル周りを組み付けて、プラグを取り付け点火周りを組みます。

一度古いオイルフィルターを外し、オイルパンのドレンを外したまま、オイル注入口より灯油を8Lほど流し込みます。灯油がすべて抜けきったのを見計らって、オイルフィルターをつけて安物のオイルを規定量充填し、バッテリーを付け、エンジン始動!

何とか一発で始動して一安心。

初めのうちは、マフラーやエンジンルームからモクモクと白煙が上がり、ヒヤッとしましたが、すぐに収まりやれやれでした。

2004年8月9日に始めて、12月5日の火入れまで約4ヶ月と期間はかかりましたが、ディーラーや整備工場に出したら判らない事、見えないものまで見る事が出来、自分なりに満足しています。

ボルトをネジ切ってしまったり、駐車場(賃貸!)をオイルまみれにしてしまったりと、失敗も山のようにしていますが、機嫌よく走っている愛車を見ると、結果オーライかなと思っています。

現在、ガスケットを交換してからおおよそ3ヶ月ほどが経過していますが、現状のエンジンの写真と、ウチの秘密兵器(つっかえ棒)を載せておきます。

この場をお借りしてですが、作業にあたりアドバイスを頂いた方々に深く感謝いたします。m(__)m

えー最後ですが、購入したパーツのリスト及び価格を載せておきます。予算の都合で2度に分けて発注しています。


まず1度目

Request Submitted on: Monday, October 11, 2004 at 18:10:05

You have sent a request to purchase:

Item Name Item Price Quantity Item Total
Upper Radiator Hose, 535i (1989-92) $50.00 1 $50.00
Lower Radiator Hose, 535i (1989-92) $8.75 1 $8.75
Breather Hose from Expansion Tank to Breather Pipe, 530i/Touring (1993-95), 535i (1989-92), M5 (1991-93) $10.95 1 $10.95
Breather Hose from Expansion Tank to Radiator, 530i/Touring (1993-95), 535i (1989-92), 540i (1993-95) $10.60 1 $10.60
Water Hose, Water Pump to Thermostat Housing, 535i (1989-92) $3.20 1 $3.20
Water Hose, Expansion Tank to Thermostat Housing to Heater Core, 535i (1989-92) $35.45 1 $35.45
Heater Hose, from Heater Core to Water Valve, 525i (With M20 Engine)(1989-90), 525i/Touring (With M50 Engine)(1991-95), 535i (1989-92), M5 (1991-93) $47.80 1 $47.80
Heater Hose, Inlet 2, 525i (With M20 Engine)(1989-90), 525i/Touring (With M50 Engine)(1991-95), 535i (1989-92), M5 (1991-93) $7.40 1 $7.40
Heater Hose, Intake from Back of Head, 325i/is/iC (1992-95) $6.25 1 $6.25
Radiator Cap 2.0 BAR, 323i/is/iC (1996-99), 325i/is/iC (thru 05/95), 328i/is/iC (1996-99), M3 (1995-99) $7.00 1 $7.00
WATER VALVE(ヒーターバルブ) $155.00 1 $155.00
Subtotal: $342.40
Shipping: $62.26
Total Price: $404.66

 

ついで2度目

Request Submitted on: Saturday, November 6, 2004 at 20:19:13

You have sent a request to purchase:

Item Name  Item Price Quantity Item Total
Head Gasket Set, 535i (1989-92) $100.00 1 $100.00
Cylinder Head Bolt, 10 Per 4cyl, 14 Per 6 cyl, As Needed, 14.5mm Diameter $1.85 14 $25.90
Oil Filter Kit, Cartridge Type, 535i (1989-92), M5 (1991-93) $3.85 1 $3.85
Alternator Air Boot, 525i (With M20 Engine)(1989-90), 525i/Touring (With M50 Engine)(1991-95), 535i (1989-92) $2.15 1 $2.15
Water Hose, Overflow for Expansion Tank, 318i/is/iC (1991), 325/e/es/i/is/iC (1984-91), M3 (1987-91) $2.65 1 $2.65
Water Hose Feed 3.1 (64211391766) $46.06 1 $46.06
7-HOSE $12.80 1 $12.80
CLAMP $1.00 1 $1.00
51731470035 $3.90 2 $7.80
CLAMP $1.00 2 $2.00
CLAMP/SPEC! $1.12 1 $1.12
IDLE SPEED CTL. HOSE $7.50 1 $7.50
7-CIRCLIP $1.00 3 $3.00
8-RUBBER MOUNTING $5.39 1 $5.39
07129901668 $1.00 3 $3.00
7-PUSH-BUTTON $1.00 4 $4.00
NUT $1.00 4 $4.00
Subtotal: $232.22
Shipping: $62.26
Total Price: $294.48

 

最後の方は何の事やらわかりませんね(笑)。ホースクランプやネジ類も買っているので、多分その辺りだと思います。純粋に部品代だけだと、ざっと8万円ほどですかね。

今回は個人輸入ですが、ちょっと変わったところから仕入れてみました。

ペリカンパーツ
http://www.pelicanparts.com/

ふざけた名前ですが、割りとキチンと対応してくれます。webカタログに出ていないパーツでも、ETKの品番でサーチ出来るので、スペシャルオーダー扱い(返品不可)で購入できます。

実は2度目の発注時にパーツが揃わないので待ってくれとメールが来たのですが、その後2週間以上も無しのつぶてで、おまけにのんきに営業メールを送ってきたので文句をいったところ、数が揃っていない部品(ただのクリップですが)はタダになっていました。

ただ、インターナショナルオーダーの場合、初めての客はIDカードとクレジットカードの写真を、メールかファックスで送ってくれということなので、そういうことの嫌いな方は止めておいた方が良いでしょう。

以上、長くなりましたが、ご参考になれば幸いです。


いかがだろうか? 凄すぎる! DDには絶対無理! っていうか、自分でやろうという気力すら湧いてこない(苦笑)。

末尾ではあるが、非常に面白いレポートを投稿いただいたmedama1goさんに感謝する。


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