2005年2月22日(火)

オートエアコンのマイクロフィルター交換(右ハンドル) − ミッチョさんより

ミッチョさんよりオートエアコンのマイクロフィルター交換(右ハンドル)のレポートをいただいたので紹介しよう。そう言えば、DDは「エアコンガスチャージ & マイクロフィルタ交換」でチャレンジしたが、途中で挫折したなぁ・・(苦笑)。


オートエアコン・マイクロフィルターの交換 右ハンドルの場合

エアコン吹き出し口の風が弱い場合、マイクロフィルターが目詰まりを起こしていることが多い。

花粉なども取り除くという優れたフィルターだが、細かいフィルターほど目詰まりを起こしやすいものである。

1年毎の定期交換部品だが、交換には結構手間がかかる。もう何度も交換しているのだが、初めてのときは要領が分からず悪戦苦闘した。

なるべく画像を多く入れ、また、やったことのある人にしか分からないコツのようなものも入れながら、だれでもできるようにレポートしたいと思う。ただし、年式の古いものには、マイクロフィルターの付いていない車両もある。

また、オートエアコンは風量調節をファイナルスイッチ(DD注:「ファイナルステージ」と呼ぶ場合もある。英語では"Limit Switch")が行っているが、マニュアルエアコンはレジスターで行いファイナルスイッチは付いていない。さらに、過渡期の車両はオートエアコンなのにレジスター制御のものも存在し、バラしてみないと分からないとディーラーマンから聞いている。ご自分の車両がどのタイプかは確認が必要である

<用意するもの>

 

<実際の作業>

1 センターコンソール前方、ペダル左のトリムパネルを外す

+ネジ1本で固定されているだけだ。

2 ペダル上部のアンダーカバーを取り外す

奥のプラスチックプラグ(90度ひねる)を3個抜き、手前のビス4本を抜くことで外すことができる。アンダーカバーには、チャイム(「ポーン」と警告音を出すゴング)が取り付けられているので配線も外す。

3 ヒーターダクトを取り外す

ダクトは本来アンダーカバーに固定されていて一緒に外れてくるはずだが、固定部分が割れていることが多いので、別に外すことになる場合が多い。

ここまで取り外すと、写真1の状態となる。左ハンドルの場合は、同じく右側からのアクセスとなるので、グローブボックスを取り去ると同じ状態となる。


写真1 マイクロフィルターの位置

4 ファイナルスイッチを抜き取る

カプラを抜き、上下2本のトルクスネジを外すとフリーとなる。しかし、右ハンドル車の場合、ステアリングシャフトが邪魔になって、すんなりとは抜けてくれない。その場合は写真2のハウジングカバーもフリーにすると少し抜き取りやすくなる。この写真は、フィルター交換後に撮影したものなので、奥に白い新品フィルターが見える。また、撮影のためにエアコンコントロールボックスも取り外してある。左ハンドル車の場合は、このような苦労はしなくてよいのだが・・・・。


写真2 ファイナルスイッチを抜いたところ

カバーとファイナルスイッチは写真3のような状態で固定されている。


写真3 ファイナルスイッチとカバー

カバーは下部のトルクスネジ1本と上部のダイヤル式のレバーでロックされている。写真4がロックされている状態なので、写真5のように左に回転させるとフリーとなる。ただ、このダイヤルのある場所は狭くて見にくいところにあり、手も入れづらい。私は前の車で初めて作業したときに、このロック部分の構造がよく分からずに壊してしまった。


写真4 ハウジングのカバー(ロック状態)


写真5 ハウジングのカバー(フリーの状態)

5 ハウジングのカバーを取り去る

ハウジングカバーは前述の方法でフリーとなるが、狭い場所なのでうまく動かさないと取り去ることが難しい。今回はエアコンコントロールボックスを取り外したので、楽に取り外すことができたが、このボックスは左右各2個のカプラーで接続されているので、左側もバラさないと抜き取ることができない。マイクロフィルターの交換だけなら抜き取らなくても、ボックスを少しずらすことでカバーが取りやすくなる。


写真6 エアコンコントロールボックス

6 古いフィルターを抜き取る

カバーを取り去ると、いよいよマイクロフィルターと対面できる。写真7のような状態で収まっている。この写真は交換後の写真なので真っ白なフィルターだ。


写真7 ハウジングの中のマイクロフィルター

右ハンドルの場合はファイナルスイッチと同じく、ステアリングシャフトとペダルが邪魔になるため、写真8に示すように、フィルターがスライド式の2分割となっている。左ハンドル用は一体型だ。上のフィルター交換後のもので真っ黒であった。


写真8 右ハンドル用2分割フィルター(新旧)

写真9のように、まず下半分をスライドさせながら引き出し、一杯まで引き出したら上半分を下に落としこんで引き抜く。取り去る場合はフィルターを破壊しても問題ない。ただ、乱暴に作業すると内部のエバポレーターのアルミフィンを傷つけてしまうので注意が必要である。


写真9 フィルターの取り出し

フィルターを取り去ると、エバポレーター(クーラーの熱交換機)が見える。写真10のように、フィルターのおかげか、きれいな状態であった。


写真10 フィルターを取り出した後

7 新しいフィルターを入れる

取り出したときの逆の要領で、上下をずらして上半分を入れて持ち上げ、続いて下半分を押し込む。しかし、ステアリングシャフトとペダルが邪魔ですんなりとは入らない。ハウジングに入っても、正しい位置にセットしないとフィルターの効果がなくなるし、後でファイナルスイッチが入らなくなる。ハウジングの奥には棒状のスプリングがあって、正しく押し込むとエバポレーターにぴったりとセットされる仕組みだ。

8 ハウジングカバーとファイナルスイッチを元に戻す

これもやりにくい作業であるので、壊さないように注意して元に戻す。ファイナルスイッチのカプラーを接続したら、エアコンが正常に動作するかを先に確認したほうが良い。

9 ヒーターダクト、アンダーカバー、トリムパネルを元に戻す

以上で作業は完了である。

慣れれば1時間もかからないが、慣れないと2時間はかかると思ったほうが良い。しかも、ずっと苦しい姿勢の作業が続くので覚悟が必要だ。ディーラーでの交換工賃3,935円(税込み)は妥当な金額であると思う。左ハンドル車ならば、ずっと楽な作業である。E39ならばエンジンルームから5分で交換可能だ。つくづく作業性の悪い構造だと思う。夏の暑いときの作業は地獄を見るので、私は毎年5月までには交換することにしている。


いかがだろうか? まるでメンテナンスレポートのお手本のようなわかりやすいレポートである。これならDDでもできそうだ。少し暖かくなったらやってみよう。

でも、ミッチョさんが上記の写真を撮るのに、どんなにアクロバティックな体勢をとっていたのかを想像すると、ちょっと笑ってしまった(失礼)。

末尾ではあるが、今回も有用なレポートを投稿いただいたミッチョさんに感謝する。



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