2004年11月21日(日)

「天下雨滴」ワイパーレバー戻し忘れ警告回路 − kuniさんより

先日、天下雨滴を取り付けた感想をレポートしたが、そのなかで「動作が自然すぎて降車時にワイパーレバーを戻し忘れることがある」と評していた。

そんな時、DDと同じように天下雨滴を取り付けたkuniさんから、「ワイパーレバー戻し忘れ警告回路」のレポートをいただいたので紹介しよう。


「ワイパ戻し忘れ警報」がやっとできました。結局フラッシュタイプPICの12F629を使って作りました。

最初のプログラムに手抜きがあって動作が安定せず、20回以上手直ししたのでフラッシュタイプで良かったです。12C509で作っていたら大変なことになってました。

回路、アセンブラリストともに色々まずい部分があるかと思いますので、お気付きの点がございましたら、DDさんに直していただけると幸いです。

以下に画像の説明をいたします。

警報用のブザーです。
http://www.mew.co.jp/Ebox/ecomets/list.php?hinban=EB2112
こちらの製品です。以前にキーレスのアンサーバック用に購入したのですが、音量が小さくて車外では聞こえなかったために別途大音量タイプを購入したので余っていたものです。

警報用回路です。ユニバーサル基盤にPICの12F629とリレー2個で構成しました。

製作&テスト中の様子です。奥に見える細長いケースに入ってない装置は、ジャンクの外付けハードディスクユニットから取り出した電源ユニット部分です。簡単に12Vが取り出せて車載用のユニット製作時に机上での動作確認が容易にできて便利です。テスト時(深夜)にブザーが鳴ると家族が起きてくる可能性があるのでテスト時はブザー出力をブレッドボードに組んだLEDの点灯で確認しました。

でき上がった回路をケースに収めた状態です。このケースは100円ショップで4個100円で入手した物です。以前にLowビームの「ポーンキャンセラー」を作った時に入手したのが余ってましたので基盤の四隅をちょっとカットして無理やり収めました。

警報ユニットを接続した状態です。天下雨滴の配線と合わせてスパゲッティ状態になってます。奥でトグロを巻いてる黒いケーブルはETCの配線の一部です。

待機状態での電流値を計測してます。0.01mAですのでバッテリーにも優しいと思われます。12F629自体が低消費電力ですし、スリープモードを使用しているのと、3端子レギュレータもCMOSタイプで超低消費電力タイプです(写真を撮ってないのですが、テスタのレンジを切り替えて計測したところ10μA以下でした)。

回路図です。素人の書いたものですので色々とまずい部分がある(未使用ピンを放置など)かと思いますが、これでも動作してます。図中BのWiperSW線はワイパーレバー側(天下雨滴の茶線)に割り込ませます。

天下雨滴がとても利口でWiperSWがアクティブ制御でもネガティブ制御でも対応しているため、警報ユニットはACCが変化(ONからOFFなど)した時だけリレーを介してワイパーレバーの状態をチェックしてます。最初にリレーを使わないで接続したところ、回路上のプルアップ電流に反応して天下雨滴が動作状態になってしまいました。

3端子レギュレータのS81350はどうやら廃盤になったようですが、秋月で代替品が入手できるようです(キーレスアンサーバックユニット製作用に1年前に入手したのが余っていたので今回のユニット製作にあたってアキバに買出しに出ていないので未確認です)。

ブザー出力にリレーを使ってますが、ここはトランジスタでもいけると思います。もしくは、今回いじっている車両側配線の付近に車両のゴングユニットがあったような気がしますのでゴングユニットの作動条件を解析して「ポーン」と鳴らすのもいいと思います。

アセンブラリスト (.asm形式ですので、そのまま右クリックでダウンロードしてください)

動作の概要は以下のようになってます。
 1 PICを初期化
 2 ACC入力線の状態変化による割込みを許可しSLEEP
 3 ACC入力の状態変化でSLEEPから復帰
 4 ACCがOFFだったらWiperSW線を繋げるためのリレーをON
 5 レバーのポジションがINT(GND)だったら警報用リレーをON
 6 4に戻る(ACCがONになるかレバーがINT(間欠)以外で2に戻る)

プログラムのループ内で全ポートをLowにしたり適時wait処理を入れているので警報は連続ではなく、一定周期の断続音になってます。

それから、SLEEPから復帰する条件はACCの変化時のみですのでACCをOFF後の降車時に誤ってワイパーレバーをOFFからINT(間欠)にしてしまった場合などは反応しません。


いかがだろうか。実は、kuniさんからはゴングユニット(チャイムモジュール)を用いた新バージョンの製作レポートもいただいているので、近いうちに紹介しよう。

末尾ではあるが、いつも面白い情報を提供いただいているkuniさんに感謝する。



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