2001年9月24日(振り替え休日)

革シートのお手入れ − HIDE FOOD

私の車のシートは黒い革製である。しかし、車を購入してから、一度だけ助手席側を手入れしただけで、それ以降は何もシートの手入れしていない。そこで、以前にエンジンオイルを輸入したときに、同時に購入していたHIDE FOODを使って、革シートの手入れをすることにした。ちなみに、私は屋根付きの駐車場に車を置いているので、シートが紫外線にさらされてはいない。前のオーナーも屋根付き駐車場だったらしい。そのため、実際のところ、革シートはあまりダメージを受けていない。今回、革シートの手入れをしようと思った理由は、折角買ったHIDE FOODを使ってみたかったからというのが正直なところだ(笑)。

HIDE FOODは、コノリー社が製造している革シートのメンテナンスオイルであり、ジャガーが純正革シートオイルとして採用していることで有名である。Webサイト等で調べてみても、なかなか評判がいいようである。私が購入したHIDE FOODは、写真1のようなものである。


写真1 購入したHIDE FOOD (HIDE CARE)

写真では見づらいが、ラベルには「HIDE FOOD」ではなく、「HIDE CARE」と書いてある。その上には、「JAGUAR」の文字がある。横には、「Prepared for JAGUAR by CONNOLLY Leather」と書いてある。私の推測では、「HIDE FOOD」というのはコノリー社の製品名で、「HIDE CARE」というのは、それをJAGUARがOEM販売するときの名称ではないかと思われる(間違っていたらご指摘ください)。まぁ、細かいことは気にせずに、これを使って革シートのメンテナンスをしよう。なお、「HIDE FOOD」と「HIDE CARE」はややこしいので、以下では統一的に「HIDE FOOD」と記載する。

今回の革シートメンテナンス作戦は以下のとおりである。

  1. シートのゴミをとる。
  2. 水拭きしてシートの汚れを落とす。
  3. HIDE FOODを塗り込む。
  4. 乾かす。

完璧な作戦である(自画自賛)。

まずは、100円ショップで購入してきた写真2のようなブラシと家庭用の掃除機を使って、シートの小さなゴミまで丹念に掃除する。ブラシは、適当な固さの毛のものを選んだ。あまり固すぎるとシート表面を傷つけてしまう可能性があるので、注意が必要である。


写真2 100円ショップで購入したブラシ

シートの隙間には小さなゴミが詰まっているので、写真3のようにブラシでかき出すようにしてゴミを取り除く。このとき、シートの隙間を広げるようにして手で押すとかき出しやすい。かき出したゴミは掃除機で吸い取る。シートの隙間には意外とたくさんのゴミがつまっていた。


写真3 ブラシでシート隙間のゴミをかき出す

次に、固く絞ったタオルでシートの汚れを拭き取る。シートは毎日使うものであるから、汗等で結構汚れている。運転席側のシートを拭いただけでもタオルが黒くなった。写真4が拭く前のタオル、写真5が運転席シートを拭いた後のタオルである(全くどうでもいい比較である)。

  
写真4 拭く前のタオル 写真5 拭いた後のタオル

この写真だけでもシートが汚れていたのがわかっていただけると思う。革シートにはあまり水をつけない方がいいので、タオルは固く絞っておくことが肝心である。そして、全てのシートをタオルで丁寧に拭きあげた後、HIDE FOODを塗り込む。

HIDE FOODの蓋を開けてみると、写真6のようにペースト状のオイル(?)が見える。写真ではわかりづらいが、見た目や固さは、半練りのカーワックスのようである。ちなみに、臭いも半練りのカーワックスのようである。


写真6 HIDE FOODの中身

これを綺麗な布に少しずつとって、シートに塗り込んでいく。あまりたくさん塗るとオイルがのびずに白くなってしまうので、少しずつ塗っていく方がいい。白くなってしまった部分は、オイルの付いていない布で強い目に拭くと綺麗になる。このようにしてHIDE FOODを塗っていくと、シートに付いていた油性の汚れが落ちて布が少し汚れてくる。

オイルを塗った後はシートにツヤが出てしっとりしているようだ。少しべたつくが、2〜3時間も乾燥させればべたつく感じはなくなる。ワックスのような臭いもすぐになくなった。なかなかの優れものかもしれない。ちなみに、HIDE FOODを運転席シートに塗り込む前と塗り込んだ後の比較を写真7、写真8に示す。

     
写真7 HIDE FOODを塗り込む前 写真8 HIDE FOODを塗り込んだ後

ご覧のように、写真では全く差がわからない(笑)。上記の写真は、いわゆる、「自己満足写真」というヤツである。まぁ、とりあえずシートは綺麗になったので良しとしよう。

ちなみに、メンテナンス後のシートは、写真9、写真10の通りである。


写真9 メンテナンス後のフロントシート


写真10 メンテナンス後のリアシート

なんとなく、いい感じに仕上がったような気がする。HIDE FOODを塗った後は、窓とサンルーフを全開にして数時間乾燥させた。

塗った後の感想だが、シートに少しツヤが出てしっとりした感じがする。かといって、座ったときにお尻が滑ったりはしない。なお、HIDE FOODによる革の耐久性向上についてはよくわからない。厳密には比較実験をしないとわからないのだが、JAGUARが純正メンテナンスオイルとして採用しているぐらいだから、少なくとも何もしないよりはいいだろう。


2001年12月4日(火) 追記

本メンテに関し、ある方から以下のようなご指摘をいただいた。有用な情報と思い、当HPに掲載したいと依頼したところ、快諾していただいたので掲載する。


 当方E32の735を足として使っていて、趣味の車としてジャガーMK2を所有しています。
 HIDE FOODがBMWにあまり効果がないというには、もっともな話でしてHIDE FOODは、コノリーレザーに対しての物です。コノリーレザーとは、レザー表面にシート色の染色で終わっているので、レザーの油分が蒸発してしまうのでHIDE FOODで油分を補うのがメンテなのです。
 それに対してBMWのシートは、レザー表面に耐久性を持たせるためにシート色の塗装を施しているというような物なのです。極端な話、呼吸していないのです。その為、HIDE FOODは内部に浸透しないのです。
 ですからボディーの塗装のケアと似たような表面の汚れ落しの後に、汚れをつけないコートをするようなメンテが適しているのです。
 結構、レザーシートのケアにロールスやジャガーが使っているのならHIDE FOODがいいのだろうと使用されますが、シートの仕上げの仕方が違うのでそれにあった物の方が効果が出ると思います。

 私自身のE32のレザーシートのケアは、タバコも吸わないので、エアーコンプレッサーがあるので縫い目のホコリなどをエアーで飛ばしてから、表面の汚れを水を含ませたウエスを固く絞ったあとにふきあげています。
 その後表面の汚れを再付着しにくいようにオートグリムのレザークリーナーを伸ばした後よくからぶきするという程度のことを年一度くらいやっています。


この方の情報によると、BMWの革は塗装しているようなので、HIDE FOODはあまり効果がないようである(残念)。ただし、革があまりにひどい状態で塗装も剥げているような場合には、効果があるかもしれない。



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